No013 アイリの野望、内政編 「事業拡張と試作量産」 新事業と和刀へのこだわり 4歳3月、
アイリが西川郡に戻って3か月が過ぎようとしていた。
行政改革は落ち着き、内政政策は予定通り進んでいる。
キヨスを始め直轄郡には以前より人が増えた。
この間、
アイリの指示で木炭工舎が作られた。
鍛冶工舎による鍛冶仕事が増えたためだ。
他にも、木炭事業は幅広く色々なものに展開できる。
陶器工舎を作った。
西川郡付近で質の良い粘土質の土層がいくつか見つかった。
食器が木製だったり土器の類似品では味気ないと思っていた。
木炭は、この陶器制作にもつかえる。
こういった条件を見てすぐに指示を出した。
木炭の使い道としてもう一つ
黒色火薬の製造がある。
他領地にはなるが、火山による温泉場があるのを諜報院から聞いた。
追加調査させたら、付近で黄色い土が見つかったのだ。
材料の一つである硫黄の入手が可能だと分かった。
材料のもう一つである硝酸カリウムは製造可能だ。
何せ、トイレがぼっとんだからだ。
家畜もいるから厩肥にもこまらない。
石灰は、石灰岩や貝殻でまにあう。
石灰の工程では、火薬材料というだけでなく
漆喰も作れるだろう。需要があるかは不明だけど・・。
木炭、硫黄、硝酸カリウム これが揃えば火薬材料になる。
2:2:6基準配分で検証しながら作成を進める。
この研究を技術院に研究室を作ってやらせることにした。
アイリのオタク知識でも詳細はわからないが目途は立つだろう。
目途が立てば火薬工舎を作り、量産する。
火薬が出来れば焙烙玉が作れる。
そうなると投石機の活用が大きくなる。
鉄砲への道はあきらめていてもまだ忘れてはいない。
時間が、かかってもこれは目指すべき方向性だと思った。
「花火もいいよね・・ふふふ」一応これもロマンだ。
海運公舎による、貿易事業も順調だ。
徐々に海路を伸ばしつつある。
貿易するついでに、珍しいものを見つけてきてほしいと指示した。
鉄砲が手に入ればそれこそバンザイだ。
普通に武器防具でもいい。
「全てが一段落したら坂本竜馬のように海に出てもいいかも・・。」
アイリは、戦国時代だけでなく明治維新も好きだった。
養殖事業や保存食事業のほうも順調だ。
ウナ丼もそのうち食べられそうだ。
この間、フライパンでハムエッグを作ってもらった。
ウィンナー、ハム、ベーコンなどが食卓に並ぶ。
アイリ工房作品として、フライパンと中華鍋を売り出している。
新しく、すき焼き鍋を出したところだ。
麦餅工舎も作った。
麦餅とは、古い日本語でパンを示す。これはパン工房だ。
イースト菌が見つからないから自然酵母で作っている。
現在、試作中だ。
かまどもどきを作ったのだが火力調整が難しい。
麺工舎も作った。
うどんや蕎麦、パスタを作っている。
それを使って乾麺なども作成している。
食事処ではうどんや蕎麦屋やパスタなどが増えた。
乾麺はアイリ直販の百科店で販売している。
戦時下で行軍中の携帯食にもできると考えている。
アイリ工房作品では、
レース編みなどを使った小物類を作成中だ。
初期作品として、髪留めを作った。
ポシェットが人気があったので第二弾として
女性用にショルダーバック、男性用にボディーバックを作った。
こちらでは全部まとめて荷物袋と言われているが・・。
男性購買者がかなり増えたそうだ。
下着類も作った。洋装下着だ。
シャツとパンツ。
これは、防具の一種として考案したものでもある。
新商品として女性用下着にブラを作った。
この国にはブラがない。
アイリには全く必要ないが、
女性雇用を増やした時に気になっていた。
これらは織物工舎や縫製工舎で作成している。
他には、絹製洋服の試作品もある。
こちらは上着下着ともアイリ工房で準備中だ。
鍛冶工舎では、刀以外は試作が終わった。
現在、量産化試作での最終確認中だ。
一部あった変更点として
皮鎧はコストと材料供給の問題で大量生産は断念した。
牛の大量殺戮はお断りだ。すき焼き肉にできるけどね。
結果、木綿や麻による布服に変えることになった。
デザインは、まさしく軍服。戦国自衛隊の出来上がりだ。
アイリ用に薙刀を作ってもらった。
青龍偃月刀デザインのやつだ。
身体が小さいので、そのサイズに合わせている。
コスプレレベルでもなく、まるでおもちゃだ。
刀については
なんちゃって日本刀の試作・検証はそのまま継続。
新しく、比較的工程が簡単な量産型の案を出した。
やや反りを抑え、刃幅も若干広い。
棟の部分(刃の背側)をやや厚めにした。
棟側は平らではない、中央が山になる。
これは刀身の補強もあるが、棟側で打撃を加える考えも含んだ。
みね打ちというやつだ。
刃幅は手元に行くほどやや広くし、強度を高めた。
手元付近で折れてしまうのはまずい。
先端(切先)は、突きが出来るように鋭くなっている。
鋼鉄と軟鉄の練り合わせは、そのまま流用。
どちらかというとやや硬めになる配分。
断面的には、棟の厚みが刃に向かって徐々に薄くなる。
刃の部分近くで極端に鋭くなる。
極端に言えば、断面が縦長の変形型6角形のような感じだ。
焼き入れ焼き戻しなど検証済みの手ごたえ感があるものは
硬くなる程度具合を取り入れた。
もちろん刃は、研磨しておく。
細身で反りの鮮やかな薄い日本刀とは異なるが
こちらの技術では仕方がない。
これを、和刀と命名した。新しいタイプの刀だ。
この国の刀と違い、斬る突くはできるだろう。
但し、斬るときは叩き斬る感じにはなると思う。
この案で量産試作に入る。
ここからもまだ調整は続くと思う。




