↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4つの恋の物語  作者: 朴 深雪
PR
4/6

ぱーと1 美香の場合③

「ねえねえ美香。明日暇?」

晶が私の顔を覗き込むように聞いてきた。

「何で?」

「うん、明日野球部の試合があるんだぁ。3年対1、2年の追い出し試合なんだって。でさ、和登以下3年部員に応援頼まれちゃったんだ~。どう?用事ある?」

晶が手を合わせて、頭を下げる。

「ごめんね、晶。私、明日約束があるの。ほら、ずっと前に小説のアドバイスしてくれる人探してるって言ってたでしょ?梨香ちゃんが大学の友達で見つけてくれて。明日、その人に会う約束してるんだ。本当にごめんね。」

頭を下げて言うと、晶はにこっと笑って言った。

「やっと見つかったんだ。良かったね。しっかりアドバイスがもらえるといいね。」

「うん、ありがとう晶。」

晶のこういうさっぱりしたところが好き。

上下とも男の兄弟だとこうなれるのかな?

いいなぁ。

「じゃあ行くね。明日頑張ってね。」

「うん!あっ、晶。」

「んっ!?」

「丸山くんたちに頑張れって伝えといて。」

「OK」

そう言って晶は走って去って行った。


「美香、午後1時半にあの本屋で待ち合わせだから。涼ちゃんにはあんたの写真見せといたから。」

「うん、わかった・・・」

「私に恥かかせないでね。わかった?」

「わかってるわよ。しつこいなぁ。」

梨香ちゃんはムキになって何度も念を押す。

「じゃあさ、私は用事があるから行く。一緒にいたいんだけど。」

梨香ちゃんはまだ言ってくる。

「大丈夫、大丈夫。私、しっかりやるから。」

「それだけじゃなくって・・・」

「へっ!?」

「ううん、何でもない。じゃあね!」

梨香ちゃんはパッと振り返るとダッシュで家を出て行った。

変な梨香ちゃん。

私、そんなに粗相しそうなのかな・・・

私だってちゃんと初対面の人に礼儀正しくできるよ~。

ってか!

涼ちゃんさんのフルネーム聞くの忘れちゃった。

もし、似たような感じの人が何人かいたらどうしよう。

さすがに「涼ちゃーん」って呼ぶわけいかないし。

でも梨香ちゃんはダッシュで行っちゃったし。

まっ、いっか。

向こうは私の写真を見てるし、最悪梨香ちゃんに電話すればいいしね。

さって、私もそろそろ行かなくっちゃ。


時計を見た。

1時15分を指している。

まだ時間あるし、中で本でも見てようかな。

前に、お小遣いが足りなくて、買えてないのがあったんだよね~。

昨日、お小遣いもっらたからやっと買えるよぉ~。

感謝です。パパ、ママって感じ。

並んでいる本をぐるぐると見まわした。

「あったー!」

思わず叫んでしまった。

近くにいた人達がジロッと見る。

やだ、嬉しくって大きな声出しちゃった。

「ほんとに畑山涼が好きなんだね~。」

突然、後ろで声がした。

「あっ、この前の・・」

振り返ってみると本を取ってくれた、背の高いあの人だった。

まさか、また会えるなんて・・・ラッキー。

「この前も畑山涼を買ってたよね?」

そう言ってその人は涼さんの小説をパラパラとめっくた。

「はい。私大好きなんです。ストーリーももちろん好きなんですけど、景色の描写がとても素敵だなぁと思ってて。私もそういう風に書けるといいなって。」

一気にまくしたててハッと気づく。

「あっ、すみません。思わず話しちゃいました。」

「大丈夫だよ。君は本当に好きなんだね。」

そう言って優しく笑う。

名前も知らない相手にこんなベラベラしゃべって。

きっと呆れてるよね・・・

チラッとその人を見ると畑山涼さんの本が並んだ棚を見ている。

(この人も畑山涼さんが好きなのかな~。だといいな。)

なんて思いながらふと時計を見る。

1時半を過ぎてしまっている。

(やばい!待ち合わせの時間になっちゃってる。)

「あっ。私、人と待ち合わせしてるんで・・・すみません、失礼します。この前はありがとうございました。」

頭を下げ、本を買って外に出る。

はぁ~、せっかくのチャンスだったのに・・・残念。

入り口付近に立ってそれらしき人を探す。

私も梨香ちゃんに写真とか見せてもらっておけば良かった。

ドキドキするよ~。

「待ち合わせの人来た?」

いつの間にか隣りに立ってる。

「あっ、まだみたいです・・・。1時半にここで待ち合わせなんですけど・・・」

「そうなんだ。美香ちゃんは早めに来たんだね。

「梨香ちゃんに・・・あっ、姉なんですけど、早めに行けって言われてて・・・えっ!?どうして私の名前を知ってるんですか?」

あまりの驚きに口がパクパクとなる。

「梨香から美香ちゃんのアドバイスを頼まれた市川涼です。」

「涼ちゃんさん・・・?」

思わずつぶやくと、ニコッと笑ってその人は言った。

「涼ちゃんさん?はは、そう涼ちゃんです。梨香はそう呼んでるもんね。今日からよろしくね。」

「は、はい!お願いします。」

勢いよく慌てて頭を下げる。

えーー!!男の人???勝手に女の人だと思ってた・・・

ってか、女の人とも言われてはないけど・・・びっくり・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。