↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4つの恋の物語  作者: 朴 深雪
PR
3/6

ぱーと1 美香の場合②

それから約1週間ほど過ぎた。

当たり前だけど、特に何もなくいつもの毎日。

「まっ、そう簡単じゃないとは思ってたけどね。」

教室で1人帰り支度をしていると晶が入ってきた。

「あっ、晶。私今日は本屋さんに寄るんだけどどうする?」

そう言うと晶は近づいてきた。

「へぇ~、新しい小説が出る日なんだね~。その内、本屋さんに売り上げ貢献者とか言われて表彰されたりするかもよ。」

晶は皮肉をたっぷり込めて言う。

「べーだ!!晶の意地悪。」

「あはははは。実は私、今日一緒に帰れなくなっちゃた。体育部総キャプテン引き継ぎ会が急に、今日に変更になったんだよね・・・」

「そうなんだ~。綾音と優子は?」

「優子は生徒会、綾音は茶道部にそれぞれ顔を出すって言ってたよ。」

晶が言う。

「あっ、いたいた!どこ行ってたんだよ。早く行くぞ。もう全員集合してるんだから。」

バタバタと足音がして男の子が教室を覗いた。

「ごめん、ごめん。すぐ行く。」

「ったく晶は・・・。お前が来ないと始まんないんだから。」

廊下から教室を覗いている男の子-体育部副総キャプテンで野球部の丸山和登くん-が言った。

「わかってるって・・・じゃあね。美香明日ね、バイバイ。」

そう言うと晶は、廊下にいた丸山くんとすばやく去って言った。

「さってと、私は本屋さんに行こうかなぁ。」

ひとりごとを言って、カバンを持って教室を出た。

いつも4人で待ち合わせする場所の、すぐ近くにある本屋さんが私の行きつけだった。

いつもだと、他の3人にせかされてなかなかゆっくりと選べれないけど、今日はゆっくり選ぶことができるから嬉しいな。

「う~ん、やっぱり私の目指す小説家は畑山涼さんだ・・・うん!」

今日発売する大好きな小説家の本を買おうとしたけれど、今日に限って台がない事に気づいた・・・

(何で新刊なのに上の棚にあるのぉ~)

小柄な私は、いつもは台に乗るか、背の高い晶か優子に取ってもらっていた。

周りを見渡して台を探すけれど、どこを見ても台がない!!

一瞬諦めようとしたけれど。

(どうしても欲し~い!)

と思って、一生懸命ジャンプしたり、手を伸ばしたりしてみた。

「だめだぁ、届かないよ。どうして晶と来ない日に限って。」

思わず声に出る。

(店員さんに台を借りに行こうかな)

と思って1人で取るのを諦めかけた得

「どれを取るの?」

「えっ!?」

振り返ると、背の高い大学生くらいの男の人が立っていた。

「あ、あの・・・」

「いいよ。取ってあげるから。本の名前言ってみて。」

「・・・畑山涼さんの”涙の向こう側に立つ”・・・で・・・す。」

きゃあ---!恥ずかしい・・・

声を掛けてくれたってことは、1人でジャンプしたりキョロキョロと挙動不審なところを見られてたんだよね~。

「あっ、これね。はいどうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

本を受け取って頭を下げると、相手の男の人はにこっと微笑んで本屋を出て行った。

きゃあ!かっこいい!!

あんな素敵な人と恋に落ちたら、ほんとに言うことないのに。

しかも出会いが本屋さん。

私のためにある出会いみたいなもんだよ~。

そんな事を思いながら、レジでお金を払って外に出た。

「なに、にやにやしてんの」

急に肩をポンと叩かれてびっくりして振り向く。

「梨香ちゃん!?」

そこに立っていたのは、3歳離れている姉の梨香だった。

「美香、また本を買ってたの?」

「うん。」

「ほんと、本屋さんの売り上げに貢献してるよね。」

(晶と同じこと言ってる・・・)

「畑山涼でしょ?ほんとその人の作品好きだよねぇ~。」

梨香ちゃんが私の持っている袋を見て言った。

「だって、私の目標なんだもん。作品も景色の描写が素敵なんだよね~。私もああいう作品が書きたいな。あんなきれいな作品を書く人だから、涼さん自身も素敵な女性(ひと)なんだろうな~。」

「はいはい。何度も聞きましたよ~。そうですね~。きっと素敵な女性(ひと)だと思うよ~。もう帰るでしょ?行くよ。」

呆れたように梨香ちゃんが言う。

「うん。」

そう言って、2人で歩き始めた。

「そう言えば美香さぁ~、ずっと前に小説が書ける人を探してたよね?」

「・・・うん・・・」

そう言えばそんなこと言ったっけ?

あっ、そうそう。梨香ちゃんは文学部だから文芸サークルに友達がたくさんいるから、作品のことを聞いたり見てもらったりしてくれ人を紹介してもらえたらなぁって言ったんだった・・・。

「いたよ。同じクラスでね。サークルは引退したんだけど小説も書いてるし、とても上手だし。でさ~、あんたの作品読んでアドバイスして欲しいって頼んだら、りょうちゃん喜んでってОkしてくれたから。」

「ほんと?」

「あんたの都合のいい日に会ってくれるって。考えといてって。ところでさ~・・・」

梨香ちゃんが隣りでなんか言ってるけど、私の耳には入んないの。だって嬉しんだもん。

小説は前からちょっとずつ書いてはいるけれど、自己流だし。梨香ちゃん文学部なのに小説興味ないから、アドバイスもらえないし。

ちゃんとしたアドバイスもらえたらいいなって、ずっと考えてたんだよねぇ。

りょうちゃんて梨香ちゃんが言ってたから、りょうこさんとかそんな名前かなぁ。どんな人だろう。優しい人だといいなぁ。

楽しみだなぁ。

そして、会うのは次の日曜日に決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。