私と領主
今回も3000文字越えています。お気をつけください。
(あれから、宿に戻り食事をして睡眠をとったが、食事は食べた気がせず、睡眠は寝れなかった。
そしてついに、昼頃になったので、屋敷まで来た、これてしまった。途中で事故とか何かトラブルでも起きたら有耶無耶にできたかもしれないのにっ)
《(とりあえず、現実逃避は十分だよ、もう行くよ、)》
無情にもフシさんの言葉が現実へと引き戻す
《(フッ、フシさんっ!現実に戻さないで、もしかしたらものまま続けたら、幻覚とかになるかもしれないでしょ!)》
《(残念ながら、そんなに都合は良くないよ、そんなことしてる暇あるなら、ほら行くよ……これって鳥の私入っていいのかね?)》
その言葉に俺はまた血の気は無くなった。
次の瞬間ガシッとフシを捕まえるケメル
《(ちょっ、ちょっとケメル、離して?!)》
い、イイイイイヤだ!!、ここで話したらオレオレオレオレレオレオ、レオは吐く!絶対に吐く!!)》
《(ほんとうに、落ち着いて!一人称がレオになってるから、と、とりあえず門番さんに聞いてみよう?
もしかしたら何とか、なるかもしれない//)》
フシが言い終わるより早くケメルは門番の一人に詰め寄った。普段の様子からは想像もできないほど苛烈に
あっ胸ぐら掴んで門番さんが領主さんに確認しに行った・・・・・っえ。?あれホントに私の知ってるケメル?
《(あ、ただいま……、ナ、ナントカナッタヨ……)》
《(ケメル、それは脅迫したって言うんだよ?
それにまだ、許可が取れた訳じゃないでしょ?)》
すると確認した門番さんに大人しくしてればいいとの許可が降りた
そうして、フシはケメルと共に領主に会うべく屋敷に入り、部屋の一室で待っているように言われた。
フシは、昨日宿でケメルから聞いた領主の話を思い出していた。
曰く、ブタみたいな見た目だと
見た目と名前のブエール・タルマンでブタマンと呼ばれていると(これは酷いと思った)
曰く、豚の獣人なのではと
曰く、とてつもなく油断ならない人だと
曰く、一領主なのにそこらの貴族より恐れられていると。それを聞き、不死鳥は思った、そんな領主がなんのようなんだろうとそして、何となく察しも付いている。
そして、ついに護衛により、この部屋の扉が開かれ、ふたりは領主を目撃して思ってしまった、
―少し尖った?耳
―正面に来る鼻の穴
―そして、見事に蓄えた身体、失礼だと思いつつも、どうしてもそう考えてしまい、しばらく領主様を凝視してしまった。
「どうした、そんなに見て我が美貌に見惚れさせたか?フッフハハ、人だけではなく鳥までも魅了するとは、我が美貌とは確も恐ろしい。」
「さて、いつまでもたっている訳にもいくまい、それ、呆けてないで、椅子に座れ」
その言葉を聞きフシが正気に戻り、未だ戻っていないケメルに座るように言う。
「さて、よく来たな、私がこの街の領主、ブエール・タルマンだ。」
「あっ、しっ、失礼いたしました。わた、わたくし?が商人ケメルと申します。こちらがペットのフシです。」
領主はフシを見ながらこういった、
「ふん我が門番の胸ぐらを掴むほど価値のあるの鳥、どんなものかと思えば、ほぉ?・・・・・」
「あ、あのう?」
「あ〜、今回お前を呼んだ件だったな、今回、呼んだ訳はお前の魔道具についてだ」
「わっ、私の魔道具について?」
「あ〜、そうだ。」
それを聞きケメルは思考を巡らせた、何かやらかしてしまったか?、何か問題が起きしまったのか?、とそんなことを考えていると、領主が口を開く
「いや、今お前が考えているような内容では無いぞ、たぶん。さして、問題にはなっていない」
「で、ではなぜ?」
そう、そこだ、問題が起きていないならなぜ今回呼ばれたのか。ますます疑問が増えるばかりのケメルに言う
「今回、お前を呼んだ理由は、その魔道具の破格の性能故だ、正直に言ってお前ほど優れた魔道具を売るものには早々会えん。まさに素晴らしいと言わざるおえん。」
「あっありがとうございます!」
警戒していたのが嘘のようにケメルは笑う、自分が褒められ慣れてないとはいえ、自分ではない師匠と祖母の関わった魔道具について褒められると、一気に絆されてしまった。
「ほぉ、あれら魔道具全て自作か」
「はい!祖母の遺した設計図と技術を使って何とか」
「そうか、そうか、聞けば聞くほど、素晴らしいが故に、」
だが、次の領主の一言に場の空気が一気に変わる
「故に、軽率過ぎるのではないかね?小僧」
「へ?」
空気が変わる、声色が変わる。一気に現実へと戻された、今ケメルがいるのは領主の前だと。
《(落ち着いて、ケメルまだ、領主の話は終わっていないよ。これから言われる言葉を胸に刻むんだ、きっと今君に一番必要な言葉だよ。)》
フシの言葉で何とか正気に戻るケメル。それでも領主に睨まれているという状況は変わらず、まだ怖いが
まだ、行ける商人として進むために。何とか言葉を絞り出す。
「よく聞け、小僧。今お前が売っている魔道具、全てが破格だ!効果範囲、機能、大きさ、全てな、それに何より、あの性能を何!?銀貨!?10枚!?
巫山戯ているのか貴様ァァァァァァァ!」
怒号と共に部屋全体が空気が揺れる、フシは考えた
(あぁ、やっぱりあれって値段おかしかったのか、普通の魔道具でも、最低金貨5枚、それを、十分の一の銀貨10枚なるほどそりゃ怒る。価格がおかしいもの)
そんな考えをしてるフシの横には、領主に怒られた+魔道具の全面評価の高低差で瀕死になっていた。
《(おーい、しっかりー領主様の話、まだ続いているよー?)》
「ハッ!」
「オゥ、目ぇ冷めたか?え?、ならまだ続けるぞ」
その言葉に今日、泣くかもしれないと考えるケメル
そこに落ち着いた領主が
「落ち着け、落ち着いた、ここからは商人として領主として話を進めようか?小僧?」
「とりあえず、領主としても商人としても、今、あのままの価格でお前の商売を認める訳にはいかん。普通の毛布やらブレスレットやらは別としてな?」
「今のままでは?」
「そうだ、つまりだ値段を上げろ。でなければあの魔道具、売らせるわけにはいかん。あれらの手頃な大きさ、そして性能なら金貨50枚なら許可してやれる。いいな?」
「……いやです。」
「何?」
「領主様の話は分かりました。でも、金貨50枚は嫌です。高すぎます!もっと値下げを要求します!」
「ふざけろっ!あの性能、あの大きさなら相応の原価も掛かってるはずだ、商売っていうのはな、ギブアンドテイクなんだよ!」
「そこまで、原価高くませんっ!」
「うそつけっ!魔石やら術式を刻む本体やら相応の価値が無きゃ成り立たんわい!」
「成り立ちます!確かに魔石は取るの大変ですし、買うのだって安くありませんけど、本体部分に関しては、相応の物でなくてもできるようになってます!」
領主はその言葉に唖然とした、元来の魔道具には術式を刻む本体部分も込められる魔力に応じて強度が必要でその分高価なものになってしまう。なのにそれを無視できる?
「な、何を言っている、魔石、本体となる鉱物その両方が揃ってなければ、あんな効果が出るはずは、」
「魔石に刻むんです。」
「は?」
「魔石に術式を刻んでます。確かに、質が高く潤沢に魔力の籠った魔石なら術式を刻むため魔力を送れば過剰で暴発しますが、魔石にもピンからキリまでありますから!」
そこでようやく、領主は落ち着いた確かにそれをすれば、本体部分の術式と魔石の術式それらの増幅を考えれば、違和感はない
「なるほど本体と魔石の術式、二重にしていたのか?」
「いえ、本体を二重に刻み、魔石には補助程度にしか考えていないです。」
領主が思いっきり息を吐いた、一先ずそれはいいとして、本題は価格の話だ
「ふぅー、ならば価格もだいぶ抑えることができるな。銀貨10はやり過ぎだが……」
「はい、そうなんです。でもそうですか、値段あげるべきなんですね。」
「あぁ、流石にな、」
《(ふぅー、ようやく一区切りだね、じゃあ値上げするにしても、銀貨30枚くらいかな?相場は分からないけど……)》
《(うーん、出来ればもう少し安くしたいけど領主様に言われたしね、しょうがないよ……トホホ)》
「銀貨50枚だったら、許せるな」
《(え?)》「いいえ!銀貨30枚です!」「まだ、言うかぁ〜!」
そこから3時間、領主とケメルは話続け、両者、息も絶え絶えながら納得する形に収まった。
「で、では、領主様に雇われる形で、貴方が材料費などを賄い、売れた分、70%を取り分に、残り30%を私がということで、」
「ああ、ハァ、ハァ、防寒のひざ掛けが銀貨25枚、防暑のブレスレットが銀貨20枚・・・・・」
「ふん、馬鹿め、後悔するなよ、値段が最低銀貨20枚なぞ!」
そうして、何とか終わり、宿へと戻るケメルとフシ
《(いやぁ〜、なんとかおわったね。すごかったよ、君の形相まさに商人の顔ってやつなんだろうね。)》
《(いやいや、この何日か程度で身につけれたとは、なんだか夢みたいです。つい前まで、駆け出しだったのにフシさんと知りやって、商人して、ついては領主様の雇われになるとは。)》
《(もう、すっかり、立派になってね。これなら、もう大丈夫かな?)》
「え?」
なにか、違和感など教えてもらえると助かります。




