私、初めての商売
今回は、今までで最大の文書になってしまいました。
3000文字越えるとは、良ければ、楽しんでください!
ケメルとフシはその後、馬車の中でこんな会話をしていた。
「なぁ、ケメルこれから君の商売に協力するにあたって確認したいのだけど。」
「は、はい、何ですか?フシさん」
「君って、何を売る予定なんだい?そういえば、商売の内容を聞いてなかったなと思い出してね……、もう歳かな?」
冗談交じりにケメルにそう言うと慌てて説明し始めた。
「い、いえ、フシさんのせいじゃないですよ、こちらが先に説明しなきゃいけないことだったのに……こちらこそすみませんでした……」
「それで、俺の商品でしたね、俺が売るのは、普通の毛布だったり、この術式が縫われた防寒機能がついた膝掛けと、防暑機能のついたブレスレットです。」
「へぇー、珍しい、こういった術式を組み込むには、相当な技術が必要だが、どうやったんだ?」
フシは感嘆した、元来こういった術式の組み込まれている《魔道具》は技術は勿論、キッチンや洗濯機と言った大型のものしかまだ、流通するまで進歩していないのに、まだ若そうなのに、それやってのけるとは、と。
ケメルは照れ、頭をかきながら、頬を緩ませこういった。
「イ、いや〜、ハ、ハハッ、そ、それ、それほどでもないですけど〜、ん゛ん゛っえ、えーとっ、これらは、二重に術式を描いているんです。あと、魔石にも少し。」
「二重に?魔石にも?」
「はい、元々祖母がこういった術式が得意で、親しかった師匠と研究をしていて、幼い頃からそれ見て教わっていたので、それを俺が引き継ぎこうして、商売に」
「ま、まぁ、金属のブレスレットの方は、外枠と内枠、ふたつの用意して、繋がるようにしたら出来たんですが、毛布の方は表、裏、術式を魔力の意図で組み込んだら絡まってしまったので、どうしても分厚く
今では、毛布2.3枚重ねた厚さになっちゃいました。」
苦笑気味にケメルは言っていたが、それでもすごいと素人目線で思った。
そうこうしてる間に目的地の少し大きい街が見えた
「あっ、フシさん見えてきました。あれが、今回の目的地のリフュルーという街です。」
外壁に周りが覆われ門には門番が二人小さな街ながらに警備の程は上等だった。
入ろうと馬を進めためたケメルだったが、門番に止められてしまった。
「すまない、止めてもらおうか、この街に入るには銅貨3枚必要なんだ。」
「すっすっすっ、すびま、すみません、い、今出します。」
苦手だとわかっていたがここまで取り乱すとは、今更に、よく商人になろうと思ったものだ。
「は、はい、こちら銅貨3枚です。」
「ふむ、うん、確かに確認した、この街には行商で?」
「は、はい!」
「そうか、ちなみにその、肩に乗っている黄色い鳥は貴殿のペットか?」
「あっ!あっ、あの、このひとは、」
と、突然の質問と私の正体をどうするかのダブルコンボで物の見事にテンパっているので、フシは小声で助けをすることにした。
「〈ケメル、ここはペットだと言っておけ、おいおい面倒になりかねん。〉」
すかさずケメルはペットだと答え無事、街に入った。
しばらく進み人気がないところまで来ると一息つく
「ふぅー、あ、焦ったー、ありがとうございます。
フシさん、本当にど、どうしようかと、」
「フム、さっきみたいな状況になっても、すぐに対処できるよう魔法使おうか?」
フシがそう言うとケメルは首が取れるんじゃないかと思うほど縦に振る
「そ、そうか、じゃあケメル、額を合わせてくれ。」
フシに言われ額を合わせると、何やら呪文を唱えた
『今、この時より我らの心を繋げよ』《念話》
(さて、これで喋らなくとも会話ができるね!)
呪文が終わった後フシの声がケメルの頭で響く
《(こ、これどうなってるんですか?何も喋らずに意思を通い合わせるなんて)》
《(そうは言っても、魔法使いなら、ほとんど使える魔法のはずだよ。)》
《(とりあえず、私はこれで会話するから、まずは人気のある方に行って、ここに来た本来の目的を果たそうじゃないか》
そうして、表道に移動し、馬車から商品を見やすいように、広げ準備を完了する。
《(さぁ、ケメルまずは注目してもらおう?、でなきゃいくら商品が凄くてと手に取って貰えないよ?》
それを聞き、ケメルは何とか声を出す
「(いっらっしゃーい、これからの冬の寒さに今の夏の暑さ対策に良いものがあるよぉ〜)」
(こ、声が絶望的に小さい!!まぁ、対人が苦手なケメルにとって分かりきった結果か。)
(なら少し荒療治、最終手段!)
フシが決意するとスっと肩から飛び首元から服の内側に入り全身をくすぐる!!
これぞ最終手段『くすぐりの刑』
その結果……
「ぷっ、うぅぅっ、アッはははははははは!!
チョッ、ハハ、ヤッヤメテ、フシさん!!」
公衆の面前で大笑いすることとなった。
「ハーッ、ハーッチョッ、ちょっと、フシさん!
なに、ふぅ、するんですかっ?!」
《(最終手段だよ)》
「いや、早すぎますよ!最終手段!」
《(落ち着け、今、私は念話だ、周りから不審なやつだと思われるよっ。》
《(だっ誰のせいだとっ!》
《(それより、お客さんだよ、ケメル)》
表を見るとフシの言う通り何やら優しそうなお婆さんが心配そうな面持ちでこちらに来ていた。
(い、いや、あれはお客さんと言うよりも・・・・・、)
「だ、大丈夫かい?お兄さん。何やら急に笑って、独り言言ってたみたいだけど……、何かあるのならわたしでも、話は聴けるよ?」
「い、いえ、大丈夫です。ご心配ありがとうございます。」
「そうなのかい?、なら何も聞かないけど、もし何かあるなら話なね?」
「はっはい、ありがとうございます。」
ただここで転んでもタダでは起きない、ケメルはチャンスが来たと思った、引っ込み思案で人との会話もままならない自分だが今、普通に喋れている!このチャンス逃がすものか!!
「あ、あのうお婆さん、良ければ、商品を見ていきませんか?これからの冬に今の夏にピッタリの物があるんです。」
「おや?そうなのかい、なら少しみてみようかね、」
「はいっ!例えば、この膝掛けですが、防寒対策で、術式が組み込まれていて、勝手に熱を帯びて暖が取れるようになっているんです。」
「そうなの?でもわたしあまり暑すぎるのは好きじゃなくて……」
ここで、待ってましたと言わんばかりにケメルが説明する、
「そんなお客様でも大丈夫です。こちらに付いているひし形の魔石で一定の温度を保ち調節することが可能となっております。」
「まぁ、それならわたしでも大丈夫そうね!
それで、こちらのブレスレットは?」
「はい、こちら防暑のためのブレスレットとなっております。こちらも術式が組み込まれています。」
「こちらには、どんな効果があるのかしら。」
だんだんとお婆さんも乗り気になり、周りの人も集まり始めた。
「こちらのブレスレット自ら、冷たい空気を出して、こちらの一緒になっている魔石が調節機能を備えておりこちらに触りながら冷たさ、冷たい空気の効果範囲まで調節可能となっております。」
「効果範囲?ってどう言ったものなの?」
「よくぞ、聞いてくれました。最大で3mまで効果を広げることが可能で最小で50cmです。」
それでも、お婆さんや周り人は何やら悩んでいる様子
「えぇ、わかります、こんなにも破格の機能、お値段のをきにしているのでしょう?」
「そうなの、こんなに便利ならお値段も相当するのでしょう?」
「いえ、いいえ!そんなことはございません。
こちらのひざ掛け通常銀貨8枚、ブレスレットが銀貨5枚となっております。」
店の前に居たもの全員が安いと思った次の瞬間
「おりますが!」
「今だけ、両方合わせまして、銀貨10枚、銀貨10でお売りいたします!!
さぁ、買いたい方は、お並びください!」
ケメルが言うとお婆さんを筆頭にドンドン、ドンドンと売れて行った
「ふぅー、何とか売れた、まさか、完売するとは……
あっ、フシさん、ありがとう。」
《(おや、なんのお礼?私はほとんど何もしていないよ)》
「ふふふっ、謙遜しないで途中言葉が詰まりそうになると、次の言葉を教えてくれたし、気を抜くなって言ってくれたでしょ?」
《(さて、どうだったかな?)》
そこから、何日もその場で商売し、魔道具の売れ行きに伴って、普通のブレスレットや毛布なども売れるようになり、街では、すごい魔道具が買えると噂まで広がった。
《(この何日で人前でも大丈夫だね!)》
《(いや〜、まだフシさんが近くにいないと不安ですよ〜)》
《(このまま、軌道に乗ってどこか、大きい所のお抱えにでもなれば、もう必要は無さそうだね?)》
《(もう〜、冗談きついですよっ!むりです!!)》
ふたりが今日のことで笑い合い今日の分は、売れたことだし宿に戻ろうとその場を離れようとした次の瞬間
何やら騎士が3名近づいてこう言い放った。
「そこの商人、貴様が最近噂になっている、魔道具を売るものか?」
「はっはい……なっ、なにか不味かったでしょか?!」
「いや、そうではない、この街の領主、ブエール・タルマン様がお呼びだ、明日、昼頃に領主の屋敷に来いとの事だ。確かに伝えたぞ。」
・・・・・・・・・・・・・・・???
「んぇ?、嘘、うっそーー!!」
こうして、ケメルは、領主の屋敷に呼ばれたのだか、この先一体どうなってしまうのでしょう?
ちなみに、この世界のお金は
銅貨100枚で銀貨1枚
銀貨100枚で金貨1枚の計算
日本円に換算すると銅貨は10円、銀貨は1000円
金貨は10万円だよ




