私、ダンジョン
「うー、暗い上にジメジメする最悪一気に魔法をバーンとやれたらいいのに。」
「《(わかってると思けどそんな事をすれば魔力も減ってセナの場合氷雪系統だから動きも鈍るよ?)》」
「《(うん、わかってるでも湿気がうざい)》」
現在ふたりが来ている場所は魔法学院が所有しているダンジョンのひとつ初めの洞窟という名の初心者やダンジョン内での動きを確認したい人が来る場所です。
今回、ふたりがここに来た理由とは前回の実技で魔法の威力、射撃精度、発動時間など一定水準まで上がっていることがセナにも理解できたので軽く実践の訓練のため、フシが提案しました。主にこのダンジョンには最低ランクのゴブリンやスライムなどしか生息していません。
ここで、出てくるモンスターのランクとはモンスターの食性や特性、強さなどの観点から冒険者ギルドや魔物の調査をしている獣王国が決めています。
最低ランクから、Eランク、Dランク、Cランク、Bランク、Aランクとありゴブリンやスライムは知能が低く罠を仕掛けたりも出来ず、攻撃能力も低いため最低ランクのEランクとなっています。されど、ゴブリンやスライムは弱いと見られ油断しやすい観点から、よく現実の厳しさを教えるため魔法学院や冒険者ギルドでも最初に初心者をあてがわれています。ちなみに以前頑固ジジイことグロークが戦っていた銀牙狼はBランクと高めのランクとなっています。今のセナは逆立ちしても勝てません
「まあ、でも今の僕なら大丈夫だよね!フシ。頑張るよ〜」
「《(うん、まあ何も言うまい。これも経験)》」
「?」
そしてフラグが立ったのか物陰からゴブリンが3体出現、その不気味な姿に一瞬足が竦むが何とか立て直し呪文を唱えようと距離を空けるため後ろに下がった瞬間足元の石に躓き転ぶ。
転んだ拍子に呪文が途切れ慌てて立て直そうとするがゴブリン達は待ってはくれず襲いかかられ更に混乱涙目。とその時フシが風を起こしゴブリンを吹き飛ばす。
「あ、ありがとうーフシー。死ぬかと思ったー」
「《(油断しない!まだやっつけていないよ!)》」
フシの一喝で正気に戻りゴブリンが立て直してない様子を見て、再度魔法を行使し発動する。
「《氷雪の槍を以て・彼の者を打ち穿て・氷雪槍》!」
ズガガガンッ!とセナの魔法がゴブリンに命中する。
そして何とか倒せたセナは周囲を警戒した後、いと一息つく
「フシ・・・・・」
「《(さて、ダンジョン内だし、そこまで本格的な反省会は後にして今は自分の中で復習して次に挑もうか。)》」
「うん……」
そうしてセナはフシと共にある程度進みさすがに慣れてきたのか先程のようなミスが極端に減った。
そしてふたりで寮に帰り反省会をすることにしたがセナは未だ暗い表情のままだった。
「さてセナ、反省会をしよう。今回のダンジョン探索でダメだった点はどこ?」
「えっと、」
フシに尋ねられたセナはまるで自分の失敗を親に叱られるかのように怯えた子供のように言葉をつまらせてい。
「セナ、これは説教ではなくて反省会。今回の失敗を活かして次どう行動して何を対策するかを考えることだよ?だからそんな暗い顔をしないで、ね?確かに最初のセナはダメダメでへなちょこだったけど。」
「ダ、ダメダメはともかくへなちょこは言い過ぎたよ!僕そこまでじゃなかったでしょ!」
「うん、それを確認しよう」
まるで茶化すかのように話すフシの雰囲気にセナもすっかり呑まれいつもの調子を取り戻しつつあった
「ではまず、どこがいけなかった?」
「それは、最初僕はゴブリンの姿に竦んで一瞬魔法発動が遅れたこと」
「うん、そうだね後最初っから警戒せず油断しまくっていたのもダメだったし、次に襲いかかられた時に石に躓くいて呪文途切れたのも減点かな。後々私が吹き飛ばした時も油断していたでしょ?それも減点。」
そんな自分のダメだった点を次々と矢継ぎ早に言ってくるフシにわかってはいたが言われる度にどんどんと心が折れる音がした
「うぐっ分かってはいたけどそんなに言わなくても…いや僕がいけなかったのは分かってはいるけど。もうちょっと手心というかなんというか……ぐすん」
そんなフシの言葉に泣く寸前だったセナは次のフシの言葉に驚いた
「けど、私に言われてすぐに気持ちを切り替えられたのは良かったよ!それにゴブリンを倒した後ちゃんと周囲の警戒をしていたからそれもいい点だった。あと言えるのは失敗して以降ちゃんと反省を生かせていた点私の援護ありとはいえね。」
「えと、ありがと…ございます。」
「とりあえずこれからの目標としては実践を積むこと、あと君の場合体術や軽く剣も扱えた方がいいだろうね」
「え!魔法使いなのに?体術するの?」
「今回のことで君はとても鈍臭いとわかったから。」
「う、まあ自覚はあるけど必要かな?魔法使いに体術や剣って」
「多少動けていた方が選択肢も増えるし、いざ逃げるってなった時は役に立つ。あって損は無いよ。」
そういうフシに確かにと納得して頷くがふと体術を習得するとなると一体誰に教えを乞えば?と疑問に思う。
「ねぇ、フシ体術とかって一体誰に習うの?独学?フシが教えれるとは思えないし。」
「いや、ちゃんと私が教えることができるよ君の何倍もの生きて暇を持て余すとこういったある程度自分でも覚えることのできることは可能だからね。」
そんなことを言うフシに当然ながらの疑問を持ち、以前から気になっていた何倍も生きるってほんとにどれほど何だろうと思うセナ
「フシが教えるってどうやって?その小さい体じゃ、色々不便だと思うんだけど。」
「大丈夫、そこも考えてあるから私が人の形に変われば安心でしょ?」
「そっかー人の形に変わるのかー……て!何!人の形に変わるって聞いてないよっ僕!」
そう訴えるセナに平然と
「言ってないからね。」
悪びれることもなく、反省の兆しもないこの鳥公にいつか鉄槌をくださねばと決意する。
「あと訓練での的当てあれを私に変えて私も君に向かって打つからちゃんと避けながら防ぎながら私を狙ってね?ちゃんとこれもひたすら一日中やるやつだから!」
「えー?」
最後にフシの放つ言葉が理解できず放心するセナだった。
今回出てきたモンスターのランクですが、フシや亀ちゃん、リヴァちゃんはこのランクには入っておらず。伝説や神話に出てくるモンスターは例外的にSランクとなっています。




