私、幼き恋
ガンザとはその後飲み明かし楽しんたが、王様は多忙のようで「時間があればまた会いに来る」と言い残し直ぐさま消えていったのを見送ったフシは最近の朝の日課を過ごし、ブロキアの街を悠々と見て回っていた。
「ブロキアに来てこの二日間、大会に出たり、魔剣の暴走の処理をしたりとゆっくりしたといえば博物館を見た程度、街自体はあまり見れてないんだよね。」
そうしてフシが飛びながらゆっくり人々の喧騒や笑い声、生活音を楽しんでいると、ふと何やら3、4歳ぐらいのドワーフの男の子が花を一輪持ち家の影から何かを見ていたので興味本位で男の子の視線の先を見てみると遠くの方にいる、お店のテラス席でスイーツを食べている金髪ロングヘアのエルフの女性が。そのうちエルフの女性がお店から離れようとすると男の子も慌てて走り出すが足がもつれてしまい転んでしまった。女性も店から男の子は遠かったので気づくこともなく行ってしまい泣きそうになっていたので近づき声をかける
「うっうう……」
「大丈夫?怪我はしていない?」
そう言いながら上から見の前に降り立ちそっと立ち上がらせる。
「大丈夫?」
「う、うん大丈夫。い、痛くないもんっ僕、強い子だから。」
「そう、それなら大丈夫だね。」
そう話していると突然キョロキョロと辺りを見渡して何かを探す男の子何か探し物かと聞くと「あのお姉さんがいない」と言い少し泣きそうになるが、気を紛らわすため名前とどうしてお姉さんを探すのか聞いてみる
「ねえ、君のお名前は?私はフシ喋れるだけのただの鳥だよ」
「ぼ、僕?僕アキブ、」
「そう、アキブいい名前だね、ところでアキブどうしてあのエルフのお姉さんを見ていたのか聞いてみてもいいかな?」
「えっ!」
そう尋ねると泣きそうな顔とは一転、みるみるうちに顔を赤くし花を持ってモジモジし始めるアキブ
「み、見てたの?」
「うん偶然ね、ごめん。」
「ううん、大丈夫。」
アキブはそう言い首を振ったあとお姉さんとの話をする。
「前に偶然僕が街を歩いてる時に今みたいに転んで声をかけてくれて助けてくれて、すごく綺麗な人で、でもその時お礼言えなかったの……それと仲良くなりたいから。」
「それでお姉さんにその綺麗なお花を渡してお礼しようとしてたんだね。」
「う、うん。」
そうやっぱり顔を赤くし返事をするアキブ、そんな彼の姿にほんのちょっぴりの手助けをしようとアキブに話を持ちかける
「もし、アキブさえ良ければ私にアキブがお礼を言うのを手助けさせてくれない?」
アキブはその申し出をキョトン顔で見て疑問に思う
「どうして、フシが手伝ってくれるの?」
「それはアキブがお礼を言うために一生懸命の姿を応援したくなったからかな?」
それでもキョトン顔をしているアキブだったがフシの申し出を受け取ることにした。
「それじゃあ、アキブのお礼を言うために作戦を立ててみよう。」
「うん」
「じゃあまず、アキブはお姉さんを前にするとどんな風になるのか聞いてもいい?」
そう聞くフシに再度顔を赤くし俯いてしまうアキブだったが、それでも頑張って言葉にする。
「えっと……お姉さんの前だと顔が熱くなって、胸がバクバクってうるさいぐらいなってて、うまくしゃべれなくなる……うう。」
「ありがとう、アキブ。なら少しでも喋れる練習をまずしてみようでなきゃお礼を伝えれないからね。」
「うん!」
「【変幻自貌】」
そういうことならと、フシは自分に魔法をかけてその姿をどんどんと変えてゆき最後にはその姿はロングヘアの金髪のエルフに
「あのお姉さんに似ていないけど、これで私を見たててお礼を言う練習をまずしてみよう。」
「わぁー!すごい!エルフになれる鳥とか知らない!フシってもしかしてすごい鳥なの?」
「いや、ただ少し魔法が扱えるだけのただの鳥だよ、それよりも今はお姉さんにお礼を言う練習だ。私をあのお姉さんだと思ってお礼を言ってみて!」
「がんばる!」
そうして、アキブはフシを見たてて練習を何度も何度もして何とか形になってきたので、一度お姉さん自体に変化して練習してみることに
「【変幻自貌】この姿にさっき練習したお礼言ってみて。」
「うっあ……あの、そのぼぼ僕お礼、練習!プシュ〜……」
「あー!アキブ!」
さすがにお姉さんの姿だと無理みたいで頭から煙を出しながら倒れてしまったアキブ何とかお姉さん姿のフシが抱えるもそれも、逆効果でもう一度頭から煙を出し気絶してしまった。
その後も何度もお姉さん姿のフシ相手に気絶、お礼と繰り返して何とか
「お、お姉さん!あのこの前は助けてくれてありがとう!こ、これお礼、です!」
「わぁ〜、ありがと」
「い、いいいいいえ」ガダガダ
何とかお礼を言えるまでには成長、あとは深呼吸と本番での勇気だけとフシにアドバイスを貰い何とか本番に挑む
「それじゃあ、私がお姉さんの場所を探してくるから気持ちを整えておいて!」
「うん!」
そう言われ何度か深呼吸を繰り返し逸る心臓を落ち着かせようとしたり、フシと練習した内容を思い出していたが全然アキブの体は落ち着いてはくれなかった。
そうこうしてるうちにフシがお姉さんを見つけ、近くにいたため案内をしてくれその背を押し出された。
「それじゃあ、頑張れアキブ!」
「う、うん!」
何とかお姉さんの前まで歩いていき目の前にとまる
「あら?あなたこの間の転んでしまった坊やね、どうしたの?」
いざ本番、フシを思い出し、練習を思い出したが全然心臓がバクバクと言い頭がボーッとし始めたが何とか踏みとどまりお礼を言う
「あ、あの!お姉さん!」
「どうしたの?」
「こ、この前!その……僕を助けてくれてありがとう!これお礼の花です!」
何とか勇気を振り絞ってお礼が言えたアキブだったが、お姉さんの前+お礼を言えたことにいっぱいいっぱいで頭は沸騰寸前だった
「あら、まぁありがとう、素敵なお花ねわざわざ、お礼を言うために来てくれるなんてとてもいい子ね。」
そう言いながら、アキブの頭を撫でる、それがトドメとなってしまったアキブは何とか意識を保とうとするがダメで案の定お姉さんに倒れ込む形で倒れて抱えられ、
「きゃ!大丈夫!?あらまぁ大変熱でも出てしまったのかしら……」
逆に意識が覚醒した
「だ!大丈夫です!あ、あとよかったら、僕と友達になってください!」
「友達?」
「はっはい!」
「ふふっ!ええもちろん、私でよければお友達になりましょう?」
「はい!」
そう言いアキブの手をとるお姉さん、その後ふたりで少しスイーツを食べることになったがフシはこれ以上の野暮は必要ないと思いその場を去った。
今回タイトルにハッキリ幼き恋と書いていますが作中ではアキブがお姉さんに恋してると文にはせず、まだアキブにとっては自覚の無い恋だと言うのを表現したつもりです。




