私と鍛冶
今回、4千文字やば!
ピピピ、チュン、チュン、朝、鳥が鳴き始めた頃、フシは動き始める。
朝一番に窓から飛び立ち近くの川にドボーン!すぐに飛び上がり空を滑空しながら水気を乾かしゲブリとグロークの元へ、朝出た窓から再度入り、目覚めていたグロークへ挨拶をする。
「おや、おはようグローク。いい朝だね。とりあえず、朝一番で診察しようか?」
「ふむ、そうじゃのお願する。」
そう短く返事をすると椅子に座り。フシはグロークを魔法で調べ始める 《調査 (リサーチ)》
身体機能・良好、血管、神経・異常なし、以上、問題なし、
「うん、異常なし。これならまた回復だけでいいよ。」
「あれから、1週間変わらず異常なしじゃの、ただ、いつもお前さんが調べてくれてるっちゅうに、調べることを免罪符にあやつがイタズラしてくるから、逆に心労が増えたわい。」
「あはは…そうだね、ホントにいつも元気だねゲブリは、」
「元気すぎッだ中に、ホントに疲れるわい。退屈はせんが・・・・・」
すると、元気な声がふたりの耳に届いた
「おーっと?退屈はせん?、だったらもーっと退屈させないように、張り切ってもいいのかな〜?」
ゲブリの声にグロークは辟易するがすぐ顔を上げ怒号をとばす。
「十分じゃ!クソガキ!そんなことに注力せんで!
鍛冶ごとにももっと腰を入れんかい!バカタレ!」
「だーれが、バカタレだー!ジジイ!言われんでも
腰はとっくのとーに入れてんだよ!アホンダラ!」
「あれが?腰を入れたテメェの鍛治ィ?ハッ!笑えんわ、あんな不出来がわしの弟子から作られたと知れたら、一生もんの恥じゃバカタレ!」
その言葉にゲブリは顔を赤くし、頬を膨らませる、
鍛冶場に体を返しズカズカと大股で歩いて行く
「言われんでも、ジジイの度肝ー!抜くようなますヤツゼッテー持ってきてやるから待ってやがれ!アホタレ!」
そう言い、鍛冶場の扉を閉め、中からカァァン、カァァンという音が次第に聞こえ始める
その後、グロークの顔が呆れ半分嬉しさ半分といった、なんとも言えない表情になってフシは少し笑ってしまいそうになった。
「ッッ!〜〜、どこか嬉しそうな顔だね、グローク」
「あぁん?、ヘッ!どこがただ、あのバカタレ日に日にスゲェもん、作ってくるんでなんともいえねぇだけだよ。」
そう、グロークはとっくにゲブリの腕を認めていた。
だが、本人には一切教えず、未熟だ!下手だと言っていたのだ。そのことを3日前に聞いたところこんなことをいっていた。
[あぁん?あいつの作品を不出来と言う理由?フンッ!そんなの決まっておろう?、あいつの腕を腐らせんためじゃ。ん?どうして腐らせんことが不評に繋がるか、じゃと?そりゃあ、あいつは天才と言えるやつだからな、
今あいつの腕を、最高だ!これ以上ねぇ!とでも褒めてみろ師からそんなこと言われちゃ、何年かは、腕が僅かながら鈍っちまう。そうなりゃ、一生もんの傷になる確信があるんじゃよ。だからな、フシ絶対にあいつの腕わしが褒めてたこと言ってくれるなよ?]
そうして、グロークの思惑通りゲブリは腰に腰を入れ
無我夢中に一生懸命に尊敬している師に認めてもらうため一日も欠かさず鍛治に励んでいる。
「それ、回復を頼む。この後あいつに鍛治の何たるかを見せて、覚えさせて、越えさせにゃあならんからのぉ」
そして回復をかけられたグロークは鍛治場に入り、中からまた、怒号と鍛治の音だけが響き続けていた。
その後、昼ごはんでも、
「クソガキ!嫌いなもん、フシの皿に放るな!
そんくらい、食えるようにならんけぇ、鍛治もまだまだ下手なんじゃ、バカタレ!」
「あれれ〜?ジジイも嫌いな食べ物、フシの皿に混ぜてるじゃないですか?あれですか?棚上げですか?、カッー嫌だ嫌だ、こんな大人にはなりたくないな〜、知ってる?フシ、ジジイ俺より嫌いなもの多いのにこんな説教文句言うんだぜ?ホント自分を客観視できてないって言うか、なんて言うか、あれか?反面教師にでもしなさいって言う自己犠牲での教育ですか〜?
ハッ!笑える。アッハハハ!」
「バーカ!そういうお前はまだ、ワシより鍛治が下手下手のド下手じゃろうがー、そういった煽りは少しでもワシを認めさせる鍛治をした後にしてみるんじゃなー!」
「はー?!、よしごっそうさん!先に鍛冶場行ってるからな!」
「おう!行ってろご馳走さん、ワシも食った!まて!クソガキ!」
「・・・・・・・・・・、よくそんなに喧嘩して、喋りながら食べれるなー、二人とも。」
そして、夜ご飯、も……
「あの時のお前の作品、やーっぱりまだまだじゃのう!ド下手クソガキ!」
「う、うるせぇー!ジジイ、罵倒の仕方が一辺倒なんだよ!それに教え方!こうやって!ああやって!こう!ってなんだよ!毎回毎回!意味わかるかぁー!」
「わかれぇー!わからんくてもやり方を見て学べと言ってんだじゃボケー!」
「クっ、クソー!ジジイ!こなクソー!」
そう言い、ガッガッガッっと夜ご飯を腹に詰め込むゲブリ、
「ゲブリ、よく食べるのはいいけど、ちゃんと噛まないと喉に詰まるよ?」
「ガッガッガッ!ウッ!ングー!」
「あ〜あ〜、言ってる傍から、やっちゃうんだから、グロークも笑ってないで気をつけ「アーッハッハッハッハー笑えるわいっ!馬鹿すぎしゃー!ハッハ!ング!、」っもうー!二人してー!ちゃんと噛みなさいっていつも言ってるでしょー!」
その後何とか飲み込み、夜ご飯を食べ、風呂に入り
それぞれの寝床で睡眠をとる。
そんな、生活を1年、2年、3年、4年と過ぎてゆき、
なんども怒号がとび、喧嘩の喧騒があり、フシの心配する声が響いた
そして5年の年月が流れ、おおよそ当初フシの言っていた時間になった
「・・・・・・・・・・、ふむ、そう、じゃの。……
ハッ!小生意気な、上出来じゃわい。バカ弟子。」
「〜〜〜ック、シャーーア!!ほれ、見たか!ジジイ
俺の鍛治がついに!、〜ッ!!やったぞ〜!」
「オウオウ、見た見た、見たからそういったじゃろうがバカタレ。」
ずっと欲しかった言葉を聞き、自分でも後で引くほど
、喜び、雄叫びをあげている、そんな所へフシが鍛治場の扉を開け入ってきた。
「外からも声、聞こえるよ?どうしたの?ゲブリ」
「あー!聴いて!聴いて!あのジジイがあの何作っても、何見せても、口を開けば文句、罵声、怒号の最悪三拍子のあの、ジジイが!ついに!ついに!俺の鍛治を褒めたー!な!な!褒めたよなジジイ!今更、褒めてなーい、認めてないーいは通じないからなぁー!」
そんな弟子の様子に苦笑し、手をヒラヒラとさせ、
弟子の言葉を肯定した。
「ああ、ああ、言った、言った言ったって認めてやるから、そんなにはしゃぐんじゃない、馬鹿。」
そんな疲れた様子の師匠にゲブリは、嬉しさを隠せず、再度喜びを噛み締め、ガッツポーズをし小さくジャンプし、小さく、だが精一杯!その感じる喜びを、
感激の感情を身体全部で爆発させていた。
「ふぅーたくっ、喜びすぎだ、そんなに嬉しいことか?ワシからの評価が?」
そんな問いに何をバカな事をと言わんばかりに懐疑的に頭を傾け、鼻で笑った。
「ハッ!それこそ愚問だっ!師匠の評価!感想!表情!その他諸々!全て取っても!どこを取ろうとも!今の俺は全て喜びに!感激に嬉しさに!変えうると断言、してやる!というかそもそも、ここ5年師匠に褒められたこと一度もないでしょ?だったらこれでもまだまだ足りないほどに決まってる、そうこれらは全て確定事項にほかならないんだよ!師匠!5年まるまるの喜びが!感動が!これっぽっちでほんの数瞬で消え失せないでしょ!そうでしょ!当たり前に決まってるでしょうが〜!「わかった、わかったか」いいや、まだ、まだ、まーだ足りないでしょ!わかってなーい!」
そんな様子にホントに疲れたような、これから話す内容がもっと疲れるであろうことでその倍疲れた様子のグロークは何とかフシと協力し話すのを辞めさせ、ここ数年隠してきたことを話す。
ゲブリの鍛治の腕はとっくに認めていたこと、その理由はお前の腕を見ぶらせないためなこと、それを理由に貶してきたことを謝罪し、これからを語った。
「本当に、すまなかった。これには、なんの言い訳もしない。いくらお前の腕を鈍らせんためとはいえ、ここ何年口惜しい思いをしてきたじゃろう、もうとっくにお前の腕は認めておったが、ずっと嘘を付いてきた、それをバネにお前はもう元々の才をさらに飛躍させ、最早わしの腕を越えておる、免許皆伝じゃ。
もう、ここを出ていこうとも止めはせん、どこだってお前の腕ならばやっていける。」
その師匠の言葉を聞き、ゲブリゆっくりと息を吸い
口を開いた。
「……ってる。」
「ん?なんて?」
「だから、そんなことは、とっくのとうに知ってる事実なんだって言ってるんだよー!ジジイ!」
そんな言葉に呆然とするグローク、とその中で少し頬の上がったフシを見つけ「まさか」と思うが
「ん?、ああ、私ではないよゲブリ自身が自力で気がついたものだよ、強いて犯人を見つけるとしたらそれは、君自身だね、グローク。」
「へ?」
「そうだよ、おじいちゃん、夜に一人ブツブツ言ってたおじいちゃんを見つけて、それで俺がもう腕を認められてたこと、理由が鈍らせないことだってことに気づいて、そのことをフシに確認して」「おいっ!」
「しょうがないだろ?ほぼほぼ、合ってる言葉で聞かれて、この子自身わかってたんだ、でも・・・・・」
「でも、俺自身まだまだ認めれてなかった。こんなんじゃって思って、それでホントに堂々と認めたって言わせたくて敢えて策略にハマったフリをしたんだよっ!ばーか!不注意が過ぎるでしょ?ジジイ!まったくこれだから、耄碌したジジイは嫌なんだ、ん?何?なにか文句?もう腕なんてとっくに越えた弟子になにか〜?文句ですか?お・師・匠?文句言いたきゃ!まーた!腕を越えて見せろや、アホンダラ!」
「言わせておけば!クソガキ〜!師弟関係なく、その生意気な頭かち割ってやる〜!」
「ぎゃ〜!にげろー!」「まてぇーい!」
そうして、やんとかゲブリも鍛治修行が終わり、そして、5年だったことでフシがここにいる理由も無くなった、ので、夜に餞別会を開いた。
「別によかったのに、こんな豪華なご飯……」
「そう言うな、ワシの体の大恩人に礼をするにはまだまだ足りないと思うほどじゃよ!」
「そうそう!俺もジジイもこの程度で表せるほどの感謝じゃないからね!ぜんっぜん足りないから、でもでも、これ以上増やしても食べきれないしょ?それじゃあ、お礼じゃなくて自己満足になっちゃうし、で悩みに悩んで俺たちとフシがギッリギリ食べ切れる量を考えて作ったわけよ!さぁ!さぁ!お食べんさい!フシ!足りなきゃまだまだよ!」
その言葉に頷きながらグロークも言う
「そうさ、目一杯受け取ってくれ、フシ。これが俺たちのせめてもの礼だ。」
「・・・・・フフッああ、ありがとう。ゲブリ、グローク
こんなにも料理があるのに、先に胸がいっぱいだよ!」
「えーっ!目一杯食べてよ!お礼の料理だよ!
足りないよ!お礼が!」
「うそうそ、ちゃんと食べるし、足りてるから、それじゃいただきます。」
そうして、笑い合い、若干の涙を隠しながら、さんにんで食卓を囲み、お別れをした。
ゲブリ、グローク、フシのさんにんで、住んでいる時、
全員料理はできますが、およそ5年家事、片付け、料理など全てフシが行っていた。




