第百二話 御朱印って興味なかったのに
初めて読みに来たよって方も、また読みに来たよって方も、詩音と申します。
この作品は生成AIを活用して書いております。
今回の話は前回の話の続きとなっております。
昼食の用意が進む広間の一角で、先生たちが小さく輪になって話しているのが見えた。
「あの、生徒たちの中で、平安神宮で御朱印を受けたいという子たちがいるのですが」
教頭先生が、いつもの落ち着いた声で切り出す。
「自由行動でなら良いのですけれどね……」
少し間を置き、穏やかに続けた。
「では、他のクラスにも希望者がいないか確認してから決めましょう」
「はい、そうですね」「そうしましょう」
話は静かにまとまった。
一方そのころ、座敷では別の戦いが続いていた。
——正座。
葵は足先をこっそりもぞもぞ動かしながら、背筋だけはぴんと伸ばしている。平気そうな顔をしているけれど、足はじんじんして、もう限界だ。
――うわ、やば……完全にしびれてる。てかこれ、もう感覚ないんだけど。でも今さら崩すのもなぁ……。
「なぁ、葵。無理すんなよ。少し崩せば?」
悠人が小声で言う。短いけれど、ちゃんと様子を見ている声。
「うん……ちょっと楽にしても大丈夫だよ、葵ちゃん」
日向も落ち着いた調子で重ねる。その声は、力を抜いていいよと静かに伝えてくるみたいだった。
葵は小さく笑う。
「分かってるって。でもさ、なんかちゃんとしてたいっていうかさ。ほら、せっかくこういう場所だし?」
少し早口で、思ったままがそのままこぼれる。
「うん……わたしも、ちょっとだけそう思う」
美月がやわらかくうなずく。控えめで、少し照れたような声。
「気持ちは分かるよ。でも、本当に無理はしないでね」
日向が穏やかに言う。叱るでもなく、そっと隣に座るみたいに寄り添う言い方で。
「……ありがと。じゃ、ほんのちょっとだけ」
葵は観念したように足を崩し、ふうっと息を吐いた。じんわりと血が巡っていく感覚に、思わず肩の力が抜ける。
――あー……生き返った……。
目の前の折箱の蓋を開けると、ふわっと上品な香りが広がった。
「これ、湯葉料理だね」
日向が箸でそっと持ち上げる。崩さないように、静かに。
「湯葉? なにそれ。聞いたことあるような、ないような……」
葵がすぐに身を乗り出す。
「えっと……豆乳の上にできる膜、だったと思う」
美月が少し考えながら、ゆっくり説明する。
「うん、それで合ってるよ」
日向が小さくうなずいた。
「名前は聞いたことあるけど、ちゃんと食べるのは初めてかも」
悠人が淡々とつぶやく。
「だよね! 一気に京都って感じじゃん!」
葵はぱっと表情を明るくして、そのまま勢いよく口に運んだ。
「……あ、やさし。なんか、ふわってする。え、これ好きかも。なんかいい」
素直な感想に、美月がくすっと笑う。
やがて昼食も終わりかけ、教頭先生が前に立った。
「御朱印を受けたい人はいますか?」
美月と日向が、すっと手を挙げる。ほかにも何人も続いた。
葵は思わず目をぱちぱちさせる。
――え、そんなにいるの?
「では、御朱印帳を持ってきている人は?」
同じ人数の手が挙がる。
教頭先生はその数をゆっくり見渡し、隣の先生とうなずき合った。
「……分かりました。御朱印帳を持ってきている人のみ、団体行動の際も許可します」
広間に、安堵の空気がふわりと広がる。
「やったね、美月ちゃん」
日向が、ほんの少しだけ弾んだ声で言う。
「うん……よかったね、日向ちゃん」
美月がはにかむように微笑む。頬がかすかに赤い。
二人は顔を見合わせ、小さくうなずき合った。
その様子を、葵はなんとなく目で追っていた。
「あー……そっか」
ぽつりと、声がこぼれる。
「葵、どうしたの?」
美月が心配そうにのぞき込む。
「いやさ。あたし、御朱印って今まで全然ピンときてなくてさ。だから御朱印帳なんて、そもそも持ってないんだよね」
できるだけ軽く、いつもの調子で言う。
本当に、気にしたことなんてなかった。
集めてる人もいるんだ、くらいの感覚で。自分には関係ないって、どこかで線を引いていた。
だから今日も、最初から選択肢に入っていなかった。
なのに――
嬉しそうな二人を見ていると、胸の奥がざわりと揺れる。
「……でもさ」
一拍、間があく。
「みんなで並ぶの、なんか楽しそうじゃん?」
明るく言ったつもりなのに、声の奥がわずかに揺れた。
――あたしは興味なかったから、持ってなかった。
――最初から、その輪の中にいない。
そう気づいた瞬間、胸の奥がちくりと痛む。
――ちょっとだけ、悔しい。
日向が静かに口を開く。
「また機会はあるよ。次は、きっと」
穏やかな声が、そっと心をなでる。
悠人も短く言った。
「興味が出たなら、そのとき買えばいい。それでいいだろ」
余計な言葉はない。ただ、まっすぐだ。
葵は一瞬きょとんとして、それからふっと笑った。
「……そっか。だよね」
胸の奥のもやもやが、少しずつほどけていく。
「じゃあさ、次はちゃんと見てみるわ。御朱印帳ってやつ」
今度は、前を向いた声だった。
御朱印なんて、興味なかったはずなのに。
でも――今は、ほんの少しだけ楽しみかも。
京都のやわらかな空気の中で、
葵の心にも、小さな芽が、そっと顔を出していた。
初めて読みに来たよって方も、また読みに来たよって方も、詩音と申します。
この作品は生成AIを活用して書いております。
あの、後書きから読みって方っていられます?
ただ、なんとなく聞いているだけなので、あまり気にしないで下さいね。
じゃ、今回の話に触れますね。
葵たちが昼食を食べていて、美月が聞いた団体行動の時の御朱印の件はどうなったかって話です。
こういうのを決めるのって、引率してる先生の責任者だろうけど、それなら教頭先生だろうなって思いました。
本来ならダメなんだろうけど、そこは柔軟に御朱印帳を持ってきてる生徒だけに限って、団体行動の時でも許すってルールしました。
えっと、次回は食後から、やっと平安神宮に行って、記念写真を撮るって話になります。
初めて読んで下さっている方も、また読んで下さっている方も、この作品を読んで下さって心より感謝を申し上げます。
スローな進み方のこの作品ですけど、これから先も葵たちの成長を温かい目で見守って下されば嬉しく思います。
あっ、この作品をなろうとかのWeb小説のサイトに投稿して、一年になります。
投稿を始めた頃から読んでいるよって方は本当にありがとうございます。
もちろん、途中から読んで下さっている方も本当にありがとうございます。
秋の長雨が続きそうなので、天気には充分に注意して下さいね。
また、後書きの方が本編よりも長いのかな?
では、次回の更新の日まで、それでは、ごきげんよう。




