◆◆◆第51話:終わりのないソシャゲの周回? だったら『課金石』を金平糖にしてお茶請けにしちゃえ! ◆◆◆
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それでは、本編をお楽しみください!
「すぅ……すぅ……背中のコリも取れて、体が羽みたいに軽い……むにゃむにゃ……」
エンドロールの指圧効果によって全身の疲労を完全に抜き去り、トラックの荷台(極上ベッド)の上でスヤスヤと眠るシーラ。
しかし、その平和な暗闇に、突如として「シュピピピーン!!」「SSR確定ィィッ!!」という、射幸心を煽る極彩色のエフェクトと電子音が鳴り響いた!
『——起きろ、我がIP(知的財産)の稼ぎ頭よ! 本編が完結したからといって、ゆっくり休めると思うなよ!』
暗闇の空間が、キラキラと輝くスマートフォンのホーム画面(UI)のような空間へと書き換えられる。
パリッとしたスーツを着こなし、首から社員証を下げた神霊が現れた。
メディアミックス展開と集金を司る『プロデューサー神・ガチャ』である。
『フハハハ! 最終回を迎えても、ファンから金を搾り取る方法はいくらでもある! 新たな戦いの舞台は【公式スマートフォン向けRPG】だ!』
プロデューサー神が指を鳴らすと、空中に巨大な「虹色に輝くクリスタル(ガチャ石)」が大量に出現した。
『貴様は排出率0.001%の人権SSRキャラクター! プレイヤーたちが何十万円も課金して貴様を召喚するのだ! そして貴様は、プレイヤーのために【24時間休むことなく、終わりのない素材集めクエスト(周回)】を戦い続ける義務がある! さあ、ログインボーナスを配り、朝の挨拶ボイスを収録しろ!』
「た、隊長! 起きてください! 今度は世界がソシャゲになっちまいました!」
「本編が終わったのに、今度は永遠にクエストを周回させられる労働地獄っす! しかも24時間体制でプレイヤーのタップに反応しなきゃならねえ!」
『いかにも! 物語の終わりなど、集金の始まりに過ぎない! さあ、虹色の石(課金アイテム)を割って、新たな労働の海へ飛び込めェェェッ!』
プロデューサー神が煽ると、空中に浮かぶ巨大な「虹色のガチャ石」が、シーラの寝床に向かって滝のように降り注いできた。
「……んん〜?」
∞のアイマスクをずらし、寝袋からのそりと顔を出したシーラは、自分に向かって降ってくるキラキラとした虹色の石をジッと見つめた。
「なんか、すっごくカラフルで綺麗な石がいっぱい降ってきたね。それに……」
シーラは、目の前に落ちてきた巨大なガチャ石を一つヒョイと手に取った。
「これ、甘くてカリカリしてそうな、すっごく美味しそうな形(星型)してる!!」
『……は? 何を言っている。それはプレイヤーの血と涙と生活費の結晶である神聖な課金アイテム——』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・金平糖ボリボリ食い』ぃぃぃっ!!」
「いただきまーす!」と、シーラはなんと、市場価値数万円分に相当する「虹色のガチャ石」を、そのまま豪快に口の中に放り込んだのだ!
ガリッ! ボリボリボリボリッ!!
『なっ!?』
「ん〜! 外はカリカリでお砂糖みたいに甘くて、噛むと中からフルーツの味がジュワッと広がる! これ、めっちゃくちゃ美味しい『金平糖』だね!!」
「た、隊長!? なにプレイヤーの課金石を、お茶請けのお菓子感覚で食ってんすか! それがないとガチャが回せないんすよ!」
『ば、馬鹿な!? システムに干渉するための電子データ(課金石)を、物理的な糖分として消化しているだと!?』
「あははっ! おじさん、美味しいおやつをいっぱいありがとう! よーし、全部食べちゃおっと!」
シーラはトラックの荷台の上を飛び跳ねながら、空から降ってくる大量の「虹色のガチャ石」を、まるで空中のポップコーンを食べるようにパクパクと超高速で平らげていく!
さらに、横に置いてあった「スタミナ回復薬」まで、「あ、これメロンソーダの味がする!」とゴクゴク飲み干してしまった。
『ぎゃああああああああっ!? 私の! 私の最強の集金システムが……! 課金石をすべて物理的に「おやつ」として食い尽くされたら、ガチャが回せないどころかサーバーが維持できないィィィッ!』
すべての課金石を「食後のデザート」として完食されてしまったプロデューサー神ガチャは、売上がゼロになり、「サ終(サービス終了)……」と呟きながら、メンテナンス画面と共に真っ白になって消滅した。
「よーし! 甘いもの食べたら、なんだかさらに眠くなってきた〜! お茶請けも美味しかったし、二度寝しよーっと!」
神霊が消滅したことで、ギラギラしたホーム画面のUIも消え去り、世界は再び「完璧な静寂と暗闇」へと戻っていった。
「シ、シーラ隊長……ついに『ソシャゲの課金石』すら、金平糖だと思い込んで全部食い尽くしちまった……!」
「終わりのない周回労働を強いられる前に、ガチャシステムそのものをおやつにしてサービス終了させる……隊長の胃袋の前には、現代最強の集金システムもただの駄菓子屋っすね……!(戦慄)」
どれほど悪魔的な集金システムであろうと、どれほど終わりのない周回労働であろうと。
シーラの「寝る前にちょっと甘いものが食べたい」という究極の物理的欲求(と気合)の前では、ただの美味しいフルーツ味の金平糖でしかなかった。
メディアミックスの魔の手すらも美味しく完食し、闇のヒロインの無法者戦記は、IPビジネスの闇を次々と粉砕しながら、極上の睡眠の世界へと突き進んでいくのである。
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