表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『気合100億パーセント!!~底抜けに明るい闇の戦士は、今日も笑顔で宇宙の真理をへし折る。絶対的な光のルールも神の論理も、まとめて物理(気合)で粉砕して平和な暗闇をつくります~』  作者: さらん
第五部・新連載(別ジャンル)侵略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/54

◆◆◆第44話:魔法少女のキラキラ変身ステッキ? だったら背中をかく「孫の手」にしちゃえ!◆◆◆

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


「すぅ……すぅ……鉄の重み……エンジンの暖かさ……防音……すべてが完璧……むにゃむにゃ……」


もはやいかなる攻撃も届かない、ジャンルをまたいだ究極の引きこもり寝袋の中で、シーラは深い深い眠りの海を漂っていた。


しかし、その絶対の静寂を切り裂くように、突如として「きゅるるるんっ☆」「ピロリロリンッ♪」というメルヘンチックな効果音と、パステルピンクの眩い光が空間を満たした!


『——起きるモフ! こんな暗くて汗臭い世界はダメモフ! 次なる新連載は、日曜朝の定番……愛と希望の【魔法少女ファンタジー】モフ!』


空中にハートやリボンが飛び交い、背中に小さな羽を生やしたフワフワの白い動物型神霊が現れた。

変身バンクとマスコット契約を司る『魔法神・ミラクル』である。


『さあ、選ばれし少女よ! 私と契約して魔法少女になるモフ! ほら、この【ミラクル・ハート・ステッキ】を握って、大声で呪文を叫ぶモフ! そうすれば、2分30秒間スキップ不可の、超絶派手な光と音楽に包まれる【変身シーン】がスタートするモフ!』


ミラクルの声と共に、シーラの寝袋の隙間から、先端に巨大な星とハートの宝石が付いた「キラキラ光ってメロディが鳴る魔法のステッキ」がスッと差し込まれた。


「た、隊長! 起きてください! 今度は世界が魔法少女モノになっちまいました!」

「日曜朝のテンションっす! しかも変身シーン中は『敵も攻撃を待ってくれる』っていう絶対不可侵のルールが発動して、強制的にあの派手な演出を見せられちまう!」

『フフン! どんな豪腕のヒロインも、この愛らしいジャンルの前ではフリフリの衣装に着替えるしかないモフ! さあ、ステッキを天に掲げるモフ——』

「……んん〜? なにこのピロピロうるさい棒……」


寝袋の中から、寝癖を爆発させたシーラがのそりと顔を出した。

プラズマエンジンの湯たんぽ(1億度)と、鉄のローラー(500キロ)に挟まれて寝ていたためか、彼女は少しだけ汗ばんでいた。


「はぁ〜、あったかくて最高なんだけど……汗かいたせいで、ちょっと背中の真ん中あたりが痒くなってきたかも……」


シーラは背中に手を伸ばすが、あと少しのところで痒い場所に手が届かない。

そんな彼女の目に留まったのは、目の前でキラキラと輝く「ミラクル・ハート・ステッキ」だった。


「あ! この棒……先っぽに尖った星が付いてて、ちょうどいい長さだね!!」

『……モフ? なにを言っているモフ。それは星の力で闇を打ち払う神聖な——』

「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・背中カキカキ(孫の手)』ぃぃぃっ!!」


「よいしょっと!」とシーラは魔法のステッキを背中に突っ込むと、先端の「星の宝石」の部分を使って、凄まじいスピードと腕力で背中をガリガリガリッ! と掻きむしり始めた。


『なっ!? なにをしているモフ! 神聖な魔法のアイテムを、まるでおじさんの「孫の手」みたいに使うなモフゥ!』

「あ〜! そこそこ! その星の尖ったカドがめっちゃくちゃ痒いところに効く〜! しかもこれ、ピロピロ震える(変身のバイブレーション機能)から、電動マッサージ機みたいで最高〜!」


ガリガリガリガリッ!! バキィッ!! パリーンッ!!

シーラの純度100億パーセントの「背中のかゆみを止める気合」による摩擦により、ステッキに埋め込まれていた魔法の宝石が次々と弾け飛び、ついには星の飾りがボキッ! とへし折れてしまった。


『ぎゃああああああああっ!? ステッキが! 私の用意した最高峰のオモチャ(関連商品)が、物理的な背中の摩擦でへし折れてしまったモフゥゥゥッ!』

「あ、折れちゃった。でも痒いのは治まったからいっか!」


スッキリした顔のシーラは、折れたステッキをポイッと放り捨てると、今度は空中で絶望しているマスコット神霊『ミラクル』をジッと見つめた。


「ねえ、そこのフワフワしたやつ!」

『ヒッ!? な、なにか用モフ……』

「首の裏側がちょっとスースーするから、ネックピロー(首枕)になって!!」


シーラは手を伸ばし、ミラクルを空中でガシッ! と捕まえると、そのまま寝袋の中に引きずり込み、自分の首の裏に「ギュムッ!」と強引に押し込んだ。


『モフゥゥゥゥッ!? ま、魔法少女のマスコットが……ただの弾力のある首枕として、首の重み(物理)で潰されるモフゥゥゥ……』


ミラクルはフワフワの毛並みをシーラの快眠のために100%利用され、完全に押し潰されて「変身……解除モフ……」と呟きながら消滅(成仏)した。


「ふわぁ〜あ……背中もスッキリしたし、首元もフワフワで最高……おやすみなさーい……」


マスコットが消滅したことで、パステルピンクの空間とキラキラした音楽は幻のように消え去り、世界はまたしても「完璧な暗闇」へと戻っていった。


「シ、シーラ隊長……ついに『魔法少女の変身ステッキ』すら、へし折って『孫の手』にしちまった……!」

「愛と希望のアイテムを、背中の痒みを止めるためだけに消費する……隊長のおっさん臭い生理現象の前には、日曜朝のファンタジーも形無しっすね……!(戦慄)」


どれほど華やかな変身アイテムであろうと、どれほど可愛いマスコットであろうと。

シーラの「寝起きで背中が痒い」という究極の物理的生理現象(と気合)の前では、ただの便利な「孫の手」と「首枕」でしかなかった。


魔法の力すらも快適な寝具セットの一部に組み込み、闇のヒロインの無法者戦記は、いよいよ完全無欠の睡眠空間ユートピアの中で極上の夢へと落ちていくのである。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、

ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、毎日の執筆の爆発的なエネルギーになります!


ブックマークへのご登録も、ぜひよろしくお願いいたします!


それでは、次回もどうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ