◆◆◆第42話:熱血スポーツの特訓ローラー? だったら上に乗せて「安心のウェイトブランケット」にしちゃえ!◆◆◆
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「すぅ……すぅ……カードの屋根で真っ暗……最高……」
ライブステージを丸めた寝袋と、レアカードで作った遮光屋根。
完璧な引きこもり要塞の中で、シーラは深く、そして安らかな眠りの底へと沈み込んでいた。
しかし、突如として空間に「ウウウゥゥゥゥーーーッ!!」という甲子園球場のようなサイレンが鳴り響き、ブラスバンドの爆音応援歌が鳴り響いた!
『——起きろォォォッ!! 青春の時間は限られているんだぞ!!』
寝袋ごと強制的に「ギラギラと太陽が照りつける、真夏の土のグラウンド」へと転送されるシーラたち。
そこに立っていたのは、ジャージ姿で竹刀を構え、なぜか目から滝のように涙(と汗)を流している神霊……。
汗と根性と友情を司る『熱血の神・スポコン』である!
『カードゲームのようなお遊びは終わりだ! 次なる新連載は、泥にまみれて頂点を目指す【超次元・熱血スポーツ】! 貴様らにはこれから、この地獄のグラウンドで「うさぎ跳び1000回」と「千本ノック」、そして——』
スポコンが竹刀で指し示した先には、スポーツ漫画の特訓でお馴染みの「超巨大な鉄製の整地ローラー(通称:コンダラ)」がゴトリと置かれていた。
『この重さ500キロの鉄製ローラーを引いて、グラウンドを100周してもらう! 己の限界を超え、さわやかな青春の汗を流すのだ! さあ、寝袋から出て走れェェェッ!』
「た、隊長! 起きてください! 今度は世界が真夏のスポ根漫画になっちまいました!」
「セミの鳴き声とブラスバンドがうるさくて寝てらんねえ! しかもあのローラー、引いて走ったら過労で死んじゃいますよ!」
『フハハハ! 気合と根性なら私のジャンルの十八番! 貴様らの生ぬるいお昼寝など、私の熱血指導で——』
「……うるさいなぁ」
レアカードの屋根をパカッと開け、寝袋の中からシーラが不機嫌そうに顔を出した。
「甲子園のサイレンを目覚まし時計代わりにしないでよ。それに、外はカンカン照りで暑いし……ん?」
シーラは、グラウンドの真ん中に置かれている「重さ500キロの鉄製ローラー」をジッと見つめた。
「あの鉄の塊……すっごく重そうで、いい形してるね!!」
『……は? いい形? いや、これはグラウンドを均し、足腰を鍛えるための神聖な特訓器具——』
「ちょうどよかった! 最近、重みがあるお布団の方がぐっすり眠れるって気づいたんだよね!!」
『……はい?』
シーラは寝袋から這い出すと、重さ500キロの巨大な鉄製ローラーに歩み寄り、両手でガシッ! と物理的に持ち上げた。
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・安心のウェイトブランケット(重い掛け布団)』ぃぃぃっ!!」
ドッッッッズウゥゥゥゥゥン!!!!
シーラは500キロの鉄製ローラーを、なんと自分が寝ている「ステージの床で作った寝袋」の上に、豪快にドスン! と乗せ(被せ)てしまったのだ!
『なっ!? なにをしている! グラウンドの整地ローラーを、就寝用の重しにするなァ! 内臓が破裂するぞ!』
「わぁ〜! 鉄だからヒンヤリ冷たいし、この500キロの適度な圧迫感……すっごく落ち着く〜!」
シーラは潰れるどころか、重い布団特有の安心感を得て、うっとりとした顔で寝袋に包まれている。
「あ、おじさん! ついでだから、そのローラーをコロコロ転がして、背中をマッサージしてよ!」
『……ヒッ!? わ、私が!? なぜ神霊である私が、貴様の背中の上でローラーを転がす係に——』
「早く!!」
シーラの凄まじい眼力(気合)に気圧された熱血の神スポコンは、泣く泣くローラーの取っ手を掴み、シーラの寝袋の上で500キロのローラーを前後にゴロゴロと転がし始めた。
ゴリゴリゴリ……ゴリゴリゴリ……
「あははっ! 最高! 肩甲骨のあたり、もう少し強めでお願い!」
『あ、あああ……私の地獄の熱血特訓が……ただの極上マッサージの奉仕活動に……青春の汗が、マッサージ師としての疲労の汗に変わっていくぅぅぅ……』
炎天下の中、500キロのローラーを延々と転がすという「真の地獄の特訓」を自らやらされるハメになったスポコン。
数時間後、彼は完全に体力をすり減らし、「燃え尽きたよ……真っ白に……」と某ボクシング漫画のようなポーズで灰となって消滅した。
「ふわぁ〜あ……マッサージのおかげで、体もスッキリほぐれたぁ……おやすみなさーい……」
スポコンが消滅したことで、真夏のグラウンドとブラスバンドの騒音は消え去り、世界は再び「涼しくて快適な暗闇」へと戻っていった。
「シ、シーラ隊長……ついに『地獄の特訓ローラー』すら、上に乗せてウェイトブランケット(重い布団)にしちまった……!」
「熱血指導のコーチをマッサージ師として酷使して灰にする……隊長の睡眠欲の前には、青春の汗と涙もただのリラクゼーションっすね……!(戦慄)」
どれほど過酷な特訓器具であろうと、どれほど熱い青春のジャンルであろうと。
シーラの「重いお布団でマッサージされながら寝たい」という究極の物理的欲求(と気合)の前では、ただの極上快眠グッズでしかなかった。
熱血スポーツの世界すらも「重みのある安らぎ」に変換し、闇のヒロインの無法者戦記は、いよいよ誰にも邪魔できない深い眠りの底へと突き進んでいくのである。
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