◆◆◆第37話:命を懸けたソウルチップ? だったらコンソメ味のポテチにして食べちゃえ!◆◆◆
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
それでは、本編をお楽しみください!
「ふぅーっ、風通しも良くなったし、氷のブロックで冷やしたジュースも美味しかった! 今度こそ本当にお昼寝だぁ……」
本格ミステリーの洋館をただの「風通しの良い空き地」に変え、ようやく三度目の正直で眠りにつこうとしたシーラ。
しかし、連載枠を奪おうとする別ジャンルの刺客は、彼女に安息の時間を与えない。
突如として暗闇の空間に「ジャズのBGM」が流れ始め、ルーレットの回る音と共に、ド派手なネオンサインがギラギラと輝き出した。
『——ようこそ、欲望と絶望の地下遊戯場へ!』
カクテルグラスを片手に、タキシードを着たウサギの仮面を被る神霊が、緑色のフェルトが張られた巨大なカジノテーブルと共に現れた。
極限の心理戦とデスゲームを司る『賭博の神・ディーラー』である。
『暴力も推理もぬるい! 次なる新連載は、命を懸けたヒリヒリする頭脳戦……【デスゲーム・ギャンブル】だ! 貴様らは今、このギャンブルテーブルに強制的に着席させられた。ここから立つことは許されない!』
ディーラーが指を鳴らすと、シーラと闇の兵士たちの目の前に、それぞれ100枚ずつの黒光りするメダル(チップ)が積み上げられた。
『見よ! それは貴様らの命そのものを数値化した【ソウルチップ】! 1枚が1年分の寿命だ。これから私とポーカーで勝負し、チップが「0」になった者はその瞬間に地獄へと落ちる! さあ、ブラフと狂気が交差する究極の心理戦を——』
「うわぁーっ! すごいすごい!」
ディーラーの重々しいルール説明を完全に無視し、シーラは目の前に積まれたチップの山を見て目を輝かせていた。
「おじさん、気が利くね! お昼寝の前の『おやつ』を用意してくれたんだ!!」
『……は? 何を言っている。それはお前の寿命を削って作られた神聖な魂の——』
「いただきまーす!!」
シーラは目の前の【ソウルチップ(自分の寿命)】をわし掴みにすると、そのまま豪快に口の中に放り込んだ。
バリッ! ボリボリボリボリッ!!
『なっ!?』
「ん〜! 厚切りのポテトチップスみたいでサクサクしてる! しかもこれ、しっかり濃いめのコンソメ味だね!」
「た、隊長!? なに自分の寿命を美味そうにおやつ感覚で食ってんすか! それがゼロになったら死んじゃうっていうルールっすよ!」
兵士たちが真っ青になって止めるのも聞かず、シーラはボリボリと自分のソウルチップを平らげていく。
『ば、馬鹿な! 概念として具現化された魂のチップを、物理的なスナック菓子として消化するだと!? しかし、それを食べ尽くせばお前の寿命は——』
「あ、そうだ!」
シーラは自分のチップをあっという間に食べ終えると、ポテチの粉がついた指をペロッと舐め、テーブルの向こう側にいるディーラーのチップの山(10万枚)をジッと見つめた。
「おじさんのチップ、すっごくいっぱいあるね! もしかして、そっちは『のり塩味』だったりする!? ちょっと味見させて!」
『……ヒッ!?』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・おやつ横取り(味変)』ぃぃぃっ!!」
シーラはテーブルの上に身を乗り出し、凄まじい腕力でディーラーの【ソウルチップ(ディーラーの寿命)】の山をガバァッ! と両手で抱え込んだ。
『や、やめろォォォッ! それは私の! ギャンブルの元手となる私の命——』
バリバリバリバリバリボリボリボリボリッ!!!!
シーラは純度100億パーセントの気合と胃袋で、ディーラーのソウルチップ10万枚(10万年分の寿命)を、まるでポップコーンを貪るように超高速で食い尽くしてしまった。
「あははっ! やっぱり! こっちのチップは『のり塩味』で美味しいー!」
『ぎゃああああああああっ!? わ、私の……私の寿命が……圧倒的な暴食の前に、ただのスナック菓子として消費されてゼロにィィィッ!』
自分の寿命をすべて「おやつ」として食べられてしまったディーラーは、ポーカーのカードを配る暇すら与えられず、パリッと砕けたポテチの破片のように粉々になって消滅した。
「よーし! コンソメとのり塩、両方食べられて大満足! ごちそうさまでした!」
ディーラーが消滅したことで、ネオン輝く地下カジノは幻のように消え去り、再び静かで快適な暗闇が戻ってきた。
「シ、シーラ隊長……ついに『命を懸けたデスゲーム』すら、魂のチップをポテチ扱いして食い尽くすっていう暴食で解決しちまった……!」
「極限の心理戦を挑む前に、物理的に相手の命を食ってゼロにする……隊長の気合(と胃袋)の前には、ギャンブルのルールもただのおやつっすね……!(感涙)」
「ふわぁ〜あ……おやついっぱい食べたら、今度こそ本当に眠くなってきたぁ……みんな、おやすみー……」
どれほど緻密な心理戦であろうと、どれほど残酷なデスゲームであろうと。
シーラの「丸いチップは全部ポテトチップス」という究極の物理的食欲(と気合)の前では、ただのサクサクしたお茶請けでしかなかった。
別ジャンルの刺客たちを次々と物理(と食欲)で粉砕し、闇のヒロインはついに、待望のお昼寝タイムへと突入するのである。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、
ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、毎日の執筆の爆発的なエネルギーになります!
ブックマークへのご登録も、ぜひよろしくお願いいたします!
それでは、次回もどうぞお楽しみに!




