◆◆◆第35話:完璧なサイバーパンク・システム? だったら斜め45度から叩いて強制シャットダウンしちゃえ!◆◆◆
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「もぐもぐ……食パン美味しかったなぁ……すぅ……」
学園ラブコメの主人公から朝食を引ったくり、再び心地よい暗闇の中で二度寝に突入したシーラたち。
しかし、連載枠を狙う別ジャンルからの侵略は止まらない。
突如として「ピピピピッ!」という無機質な電子音が鳴り響き、暗闇の空間が眩いネオンサインと緑色の電子回路の模様に上書きされていく。
『——警告。未登録のアナログ生命体を検出。直ちに排除を開始します』
空中に巨大なホログラムのディスプレイが展開され、無数のケーブルに繋がれた巨大な機械の脳髄が現れた。
SF・サイバーパンクジャンルを統括する『機械神・マザーシステム』である。
『原始的なファンタジーや、非論理的なラブコメの時代は終わりました。次期新連載は、完全無欠のハードSFです。私のシステムアーキテクチャにバグは存在せず、1000万通りのテストケースをクリアした完璧な論理空間。物理的な腕力など、このデジタル領域では意味を成しません』
マザーシステムが電子音と共に宣告すると、シーラたちの周囲を「絶対防御のプラズマ・ファイアウォール」が幾重にも取り囲んだ。
「た、隊長! 今度は世界が急にメカメカしくなっちまいました!」
「剣で斬りつけても、ホログラムの壁をすり抜けるだけで実体がないっす! デジタルな敵に、俺たちのアナログな筋肉は通用しねえ!」
『いかにも。貴様らの筋肉がどれほど強靭であろうと、物理的接触が不可能なデータ領域の私には絶対に届かない。さあ、高出力レーザーで電子の塵と化すが——』
「うーん、なんかこの四角い箱、すっごくうるさいね!」
マザーシステムの論理的な脅しを完全にスルーし、シーラはホログラムの発生源である「超巨大サーバーの本体」の前に立っていた。
「ブーーンって変なファンの音がしてるし、チカチカ光っててお昼寝の邪魔だよ!」
『……は? 何を言っている。それは私の本体である量子サーバー。強固な装甲に守られており、いかなる——』
「あのねえ、こういう機械の調子が悪い時はね!」
シーラは巨大剣を放り投げ、サーバーの角に向かって右手を大きく振りかぶった。
「斜め45度から、思いっきり叩けば直るんだよ!!」
『……は? なにを非論理的な昭和の——』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・おばあちゃん流テレビ修理(物理)』ぃぃぃっ!!」
ドッッッッゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!
シーラの純度100億パーセントの気合が乗った手刀が、超巨大サーバーの角(斜め45度)にクリーンヒットした。
その瞬間、強固な装甲ごと内部の精密な量子回路に凄まじい物理的衝撃波が走り、論理の世界に「理不尽な暴力」が直接叩き込まれたのだ。
『ギャアアアアアアアッ!? 想定外の物理的衝撃により、ハードウェアが致命的損傷! エラー! システムエラー! メモリリーク発生! 例外処理が追いつきませ——ブツッ』
完璧を誇っていたマザーシステムは、最後に巨大な「ブルースクリーン」を空中に表示した後、プシューッと虚しい煙を上げて完全に沈黙した。
「あははっ! ほらね! 機械は叩けば大人しくなるんだよ!」
サーバーが破壊されたことで、ネオン輝くサイバーパンク世界は一瞬にして停電し、再び安らかな完全な暗闇へと戻った。
「シ、シーラ隊長……ついに『完全無欠のSFシステム』すら、斜め45度から叩くっていう昭和のテレビ修理法で破壊しちまった……!」
「デジタルの壁も、大元の物理サーバーを気合でぶん殴れば解決する……隊長のデバッグ作業、強引すぎるっすね……!(戦慄)」
「よーし! ピコピコうるさい音も止まったし、ネオンも消えて真っ暗になったね! これでやっと静かにお昼寝できるよー!」
どれほど高度なシステムアーキテクチャであろうと、どれほど完璧なテストケースをクリアしていようと。
シーラの「機械は斜めから叩けば直る(壊れる)」という究極の物理的デバッグ(と気合)の前では、ただのポンコツな箱でしかなかった。
SFジャンルの侵略すらも豪快な手刀で強制シャットダウンし、闇のヒロインの無法者戦記は、いかなる世界観にも染まることなく、我が道(お昼寝への道)を爆走していくのである。
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