◆◆◆ 第3話:無限の迷宮? 壁を壊せば一本道だよ! ◆◆◆
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「ん〜っ、やっぱり戦いのあとのハンバーグは最高だね!」
もはやただの瓦礫の山と化した『白亜の要塞』の入り口で、闇のヒロイン・シーラは口の周りにソースをつけながら満面の笑みを浮かべていた。
闇の兵士たちも、すっかりくつろいでバーベキュー気分である。
だがその時、彼らの足元が突如としてまばゆい光に包まれた。
空間が歪み、上下左右の感覚がぐにゃりと混ざり合う。要塞の内部が、まるで万華鏡のように複雑な壁と通路に変化したのだ。
空中に、白ヒゲを蓄えた『光の賢者』の巨大な幻影が浮かび上がる。
『ふははは! 闇の野蛮人どもめ、我が要塞の真の恐ろしさを知るが良い! ここは空間そのものを捻じ曲げた【無限光の迷宮】! 出口は存在せず、貴様らは永遠にこの中で迷い続けるのだ!』
「シ、シーラ隊長! ヤバいです! 現在地がわかりません!」
「右を向いても左を向いても同じ壁っす! 俺たち、閉じ込められちまったんだ!」
パニックに陥る兵士たち。
しかし、シーラは最後の一口を飲み込むと、ポンと手を叩いた。
「無限? 迷宮? よくわかんないけど、要するに『壁がいっぱいある場所』ってことでしょ?」
シーラは立ち上がり、愛用の巨大剣『ナイトメア・ブレイカー』を構えた。
『いかにも! だが、ただの壁ではない! この壁は空間の断層であり、物理的な破壊は——』
「あのさあ!」
シーラは、長々と説明を続ける賢者の言葉を遮るように、大きく息を吸い込んだ。
「迷路って、道に迷うから出られないんだよね?」
『……? ま、まあ、そうだが。』
「だったら、目の前の壁を全部ぶっ壊して、真っ直ぐ歩けば一本道じゃない!!」
『は?』
光の賢者が間の抜けた声を出すのと同時だった。
「うおおおおおおっ! 気合と根性のォォ……一直線んんんっ!!」
シーラが大剣を真横に薙ぎ払った。
そこに込められていたのは、魔力でも術式でもない。ただひたすらに「まっすぐ進みたい」という暴暴力的なまでの『気合』のみ。
ズドォォォォォォォォォォォォン!!!
空間の断層? 次元が違う?
そんな理屈は知ったことではない。シーラの一撃は、迷宮の壁を空間ごと力任せに粉砕し、はるか彼方の『光の玉座』まで続く、巨大なトンネル(ただの空洞)を物理的にぶち開けてしまったのだ。
『ば、ば、ば、馬鹿なァァァッ!? 空間のねじれを、ただの腕力で……いや、根性でへし折っただとぉ!?』
幻影の賢者は、あまりの光景に泡を吹いて消滅した。
「あははっ! ほら見てみんな、すっごく分かりやすい近道ができたよ!」
「シーラ隊長……アンタ、マジで最高に頭が悪い(褒め言葉)っす……!」
「うおおおおっ! 一本道なら迷わねえぜ! 突撃ぃぃぃっ!!」
もはや迷宮の欠片すら残っていない、瓦礫の一直線ロード。
「壁があれば壊して進む」。
そのあまりにもシンプルで強引な根性論を前に、光の軍勢の緻密な罠はすべて無に帰すのだった。
「よーし、あの一番奥のピカピカした部屋(玉座)で、食後のデザートにしよう! いっくよー!」
シーラの明るい声が、崩壊した要塞に響き渡る。
闇の軍勢の猛進は、もう誰にも止められない。
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