◆◆◆ 第4話:宇宙の法則? そんなの気合で書き換えちゃえ! ◆◆◆
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「わあーっ! なになにこの部屋、ミラーボールみたい! すっごくピカピカしてる!」
瓦礫の一直線ロードを爆走し、ついに要塞の最奥『光の玉座の間』へと辿り着いたシーラたち。
そこは上下左右すべてが鏡面のように輝き、中央には宙に浮く巨大な黄金の椅子——『絶対光の玉座』が鎮座していた。
そしてその玉座で腕を組んでいたのは、光の世界の最高権力者にして、論理と秩序の化身『絶対光王・ルミナス』である。
『よくぞここまで来た、闇の野蛮人ども。だが、貴様らの無軌道な進撃もここまでだ』
ルミナスが指を鳴らすと、玉座の間に無数の幾何学模様が浮かび上がった。
『この玉座の間は、我が完璧なる数式によって支配された【絶対領域】。ここでは「光の質量が常に闇を上回る」という宇宙の法則が適用されている。いかなる物理攻撃も、気合とやらも、この絶対的なルールを覆すことは理論上不可能——』
「ねえねえ、そんなことよりさ!」
ルミナスが得意げに語る宇宙の法則を、シーラは信じられないほどのビッグボイスで遮った。
「あたしたち、デザートにプリン持ってきたんだよね! でもこの部屋、明るすぎて落ち着いて食べられないよ!」
『人の話を聞け!! 貴様らなど、私が数式を一つ書き換えるだけで消滅するのだぞ!』
「数式? 法則? うーん、よくわかんないけど……」
シーラは首を傾げた後、ぽんと手を叩いた。
「要するに、そのルールブックみたいなのを、あたしが気合で書き換えちゃえばいいってことでしょ!」
『は? 宇宙の法則を気合で? 思考回路が破綻しているのか!?』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……ルール変更ぉぉぉっ!!」
シーラは巨大剣『ナイトメア・ブレイカー』を天高く掲げた。
そこから噴き出したのは、もはや闇の魔力すら通り越した、純度1億パーセントの『気合のオーラ』だった。論理を拒絶するそのドス黒い熱量が、空間そのものをミシミシと軋ませる。
「必殺! 『とりあえず・全部・真っ暗になーれ・スマッシュ』!!」
シーラが渾身の力で大剣を床に叩きつけた瞬間——
ガギャァァァァァァァァァンッッ!!!
玉座の間を構成していた「絶対的な数式」が、まるでバグったゲーム画面のように文字化けを起こし、パラパラと崩れ落ちた。
「光が闇を上回る」という宇宙の法則は、シーラの「暗いところでプリンを食べたい」という圧倒的な執念(根性)の前に、完膚なきまでにへし折られたのだ。
『ば、馬鹿な!? 宇宙の真理が……1足す1が2にならないだと!? ぐおおおおおおっ!』
計算式が狂い、空中に浮いていた絶対光の玉座はエネルギーを失って床に墜落。絶対光王・ルミナスもそのまま玉座の下敷きになり、あっけなく白目を剥いた。
「あははっ! ほらね、やっぱり最後は気合だよ!」
数秒前まで眩しすぎた玉座の間は、今や心地よい漆黒の闇に包まれていた。
「す、すげえ……シーラ隊長、ついに宇宙の法則まで気合で粉砕しちまった……!」
「俺たち、一生この人についていくっす……!」
畏敬の念を込めて震える闇の兵士たちをよそに、シーラは玉座の破片に腰掛け、リュックからプリンを取り出した。
「よーし、いい感じに暗くなったし、デザートタイムにしよう! みんなも早く早く!」
理屈も、法則も、完璧な計算も。
この底抜けに明るい闇のヒロインの「気合と根性」の前では、すべてが等しく無意味だった。
かくして、光の最重要拠点は、最高に居心地のいい真っ暗なカフェスペースへと生まれ変わったのである。
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