◆◆◆第27話:絶対の死亡フラグ? だったら引っこ抜いてバーベキューの串にしちゃえ!◆◆◆
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「あははっ! さっきの光る板(ステータス画面)、角っこがすっごくいい音したね! さてさて、お茶も飲んだし次は何して遊ぼうか!」
UIを物理的な鈍器として活用し、メタ次元の監視者を粉砕したシーラ。
ご機嫌な彼女たちを覆う暗闇の空間に、突如として「カコン、カコン」と奇妙な建築音が響き渡った。
『……ステータスを無視するとは恐れ入った。だが、物語における【お約束】からは決して逃れられない』
空間に、無数の工事用パイプとヘルメットを被った概念神霊が現れる。
物語の展開を誘導し、キャラクターの運命を決定づける『展開構築神・フラグメント』である。
『私はこの世界における「フラグ建築」を司る者。いかなる強者であろうと、私が【死亡フラグ】を建築した時点で、その者の敗北はメタ視点的に確定する!』
フラグメントが指を鳴らすと、シーラの後ろにいた闇の兵士たちの口が、彼らの意思とは無関係に勝手に動き始めた。
「お、俺……この戦いが終わったら、故郷の幼馴染と結婚するんだ……」
「隊長! ここは俺たちに任せて、先に行ってください!」
「やったか!?(土煙を見つめながら)」
『フハハハ! 完璧な死亡フラグの三段活用!』
フラグメントが高笑いすると同時に、兵士たちの頭頂部から、ドクロマークの描かれた「真っ黒な旗(死亡フラグ)」が、物理的な旗竿と共にニョキッと生えて立った。
「た、隊長! 頭から変な旗が生えてきやした!」
「フラグが……フラグがビンビンに立っちまってるっす! このままだと俺たち、次のコマで絶対にやられちまう運命に!」
『いかにも。その旗が立っている限り、貴様らは「油断」「不意打ち」「謎の爆発」など、ありとあらゆる理不尽な理由で必ず敗北する。これが物語の絶対法——』
「へえー! なにこれ!」
フラグメントのメタ的な勝利宣言を完全に無視し、シーラは兵士たちの頭に生えた「死亡フラグ」の旗竿をまじまじと見つめた。
「この旗の棒、鉄みたいに硬くて、しかも先っぽがすっごく尖ってるね!」
『……は? 何を見ている。それは敗北を運命づける概念の——』
「ちょうど良かった! さっきからバーベキュー用の長くて丈夫な串を探してたんだよ!!」
『……はい?』
シーラはリュックから、どこで調達したのか巨大な生肉の塊を取り出すと、兵士の頭に立っていた死亡フラグの旗竿を両手でガシッと掴んだ。
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・フラグ引っこ抜き(収穫)』ぃぃぃっ!!」
ブチィィィィィィッ!!!
『ぎゃああああああああっ!? 抜けた!? 絶対に折れないはずの死亡フラグが、大根みたいにスポーンと抜かれたァァァッ!?』
シーラは凄まじい腕力で、兵士たちの頭から「死亡フラグ」を根こそぎ引っこ抜いた。
そして、その強靭な旗竿に、巨大な生肉の塊をズバッ! ズバッ! と豪快に突き刺していく。
「お肉の後は野菜も刺さなきゃね! おじさん、そこ動かないで!」
『えっ? や、やめ——』
ドスッ!!
「あははっ! おじさんも綺麗に刺さったね!」
勢い余ったシーラは、死亡フラグの先端に、ピーマンや玉ねぎと一緒にフラグメント(神霊)自身を物理的に串刺しにしてしまったのだ。
『あ、あああ……私の建築した完璧なフラグが……ただの巨大なバーベキュー串に……お約束が……BBQに……』
完全に串に刺されたフラグメントは、そのままチーンと音を立ててこんがりと焼け焦げ、ただの美味しいバーベキューの具材(?)と化して消滅した。
「シ、シーラ隊長……ついに『死亡フラグ』すら、ただの串扱いして引っこ抜いちまった……!」
「俺たちの死亡フラグが、最高に美味しそうなバーベキューに……隊長の気合(と食欲)の前には、お約束も形無しっすね……!(歓喜)」
「よーし! お肉も焼けたし、死亡フラグのバーベキューで乾杯だーっ!」
どんなに絶望的な「お約束」であろうと、どんなに完璧な「死亡フラグ」であろうと。
シーラの「尖った棒ならお肉を刺せる」という究極の物理的思考(と気合)の前では、ただの便利な調理器具に過ぎなかった。
物語の絶対法則すらも美味しく平らげながら、闇のヒロインの規格外な大冒険は、さらなるメタ次元の深淵へと笑顔で爆走していくのである。
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