◆◆◆第26話:ステータスがオール1? だったらステータス画面(ウインドウ)の角で殴っちゃえ!◆◆◆
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「ふぁ〜あ、赤いクレヨンでお絵かきしたら、またよく眠れたー!」
ナレーションを強制的に「夢オチ」に書き換えて平和な二度寝を満喫したシーラたち。
しかし、メタ次元の刺客はまだ諦めていなかった。
暗闇の空間に、突如として無数の「半透明の光るパネル」が出現し、ピコンッ! という電子音と共にシーラたちの目の前に整列した。
『……地の文への干渉は想定外だった。だが、この世界の根幹設定である【数値】からは逃れられない』
空間の上空に、巨大なホログラムディスプレイを顔にしたサイボーグのような神霊が現れる。
メタ設定の監視者にして、すべてのキャラクターの強さを数値で管理する『ステータス管理者・パラメーター』である。
『私はこの物語のシステムUIそのもの。対象の能力値を自由に書き換える権限を持つ。どれほどの気合があろうと、システム上の数値が「弱者」となれば、その腕力はスライム以下となるのだ』
パラメーターが指を鳴らすと、シーラの目の前に浮かぶ半透明のパネル——【シーラのステータス画面】の数値が、猛烈な勢いで減少し始めた。
【筋力:99999 → 1】
【体力:99999 → 1】
【敏捷:99999 → 1】
「た、隊長! 俺たちのステータス画面の数字が、全部『1』にされちまいました!」
「体が……めっちゃくちゃ重いっす! 剣すら持ち上げられねえ!」
『フハハハ! これで貴様らの攻撃力は事実上ゼロ! いかなる気合を込めようとも、システムが「ダメージ1」と判定する! さあ、ただの村人A以下のステータスで絶望——』
「へえー! なにこれ!」
パラメーターの勝ち誇った笑いをよそに、ステータスをオール1にされたはずのシーラは、目の前に浮かぶ【ステータス画面】のフチを、両手でガシッと物理的に掴んだ。
「この光る板、空中に浮いてるくせに、触るとすっごく分厚くてカチカチに硬いね!」
『……は? 何を言っている。それはただのユーザーインターフェース(表示画面)であって、物理的な質量は——』
「しかもさあ!」
シーラは、自分の【筋力:1】と書かれたステータス画面を、まるで巨大な看板でも振り回すかのように頭上に高く掲げた。
「こういう四角い板の『角っこ』って、ぶつけるとすっごく痛いんだよ!!」
『……いや、だから待て。筋力1のステータスで、なぜ自分自身のステータス画面を持ち上げている!?』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『UIの角っこ・フルスイング』ぃぃぃっ!!」
『ひぃぃぃっ!? 画面が! 画面の角が迫って——』
ドッッッッッッッゴォォォォォォォォォォォォン!!!!
システム上の攻撃力は確かに「1」だった。
しかし、「分厚くて硬い光の板(ステータス画面)の、一番尖っている鋭利な角」を、シーラの純度100億パーセントの気合で顔面にフルスイングされた物理的衝撃は、数値という概念を遥かに超越していた。
『ぎゃああああああああっ!? ス、ステータス画面の角が……私のディスプレイ顔面に深々と突き刺さって……! システムエラー! UIによる物理的破壊行為です!!』
パラメーターは、自分自身が展開した「シーラのステータス画面」の角っこで顔面をカチ割られ、無数のノイズを撒き散らしながら爆発四散した。
「あははっ! ほらね! 小指をタンスの角にぶつけると痛いのと一緒だよ!」
シーラは、凶器として使ったステータス画面を「よいしょ」と元の空中に戻し、満足げに手をパンパンと払った。
「シ、シーラ隊長……ついに『自分のステータス画面』を、物理的な鈍器(角っこ)として使い始めちまった……!」
「筋力1にされても、UIの角で殴り倒す……隊長の気合は、システム設定すら完全無視っすね……!(戦慄)」
管理者が消滅したことで、空中に浮かんでいた光のパネルはパリンッと割れて消え去り、兵士たちのステータスも無事に元通り(非表示)となった。
「よーし! 変な光る板も片付いたし、もう邪魔するおじさんはいないかな? お茶にしようー!」
システムが設定したステータスがどれほど低かろうと、「空中に浮かんでいる硬い板なら武器になる」というシーラの野性的な発想と気合の前では何の意味もなかった。
地の文をボツにし、UIを鈍器として扱い始めた闇のヒロイン。メタ次元すらも物理で遊び尽くす彼女の快進撃は、物語の枠組みそのものを揺るがしながら続いていくのである。
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