◆◆◆第24話:無限の体力? だったら「横になってる8」を叩き割ってゼロにしちゃえ!◆◆◆
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「うわあーっ! なにここ、上も下も横も、ずーっと真っ白でどこまでも続いてるよ!」
平行世界の塊を場外ホームランで吹き飛ばし、シーラたちがついに足を踏み入れたのは、上位神域の最頂部『無限の玉座』。
距離感も方角も存在しない、ただただ無限に広がる果てしない光の空間だった。
その空間の中心——いや、どこにでも存在し、どこにも存在しないような揺らぎの中から、荘厳な声が響き渡った。
『よくぞ辿り着いた、限界ある物理の住人たちよ』
真っ白な空間そのものが形を成し、巨大な輝くシルエットとなって実体化する。
あらゆる限界と果てを否定する、神域の最高神にして『無限の神・インフィニティ』である。
その頭上には、彼の絶対的な力を示すように、光り輝く巨大な「\infty(無限大)」の紋章が浮かんでいた。
『運命を編み、時間を回し、可能性を破壊した貴様らの非常識な力は見事。だが、我には決して届かない。なぜなら、我が力と体力は概念上の【無限】だからだ』
インフィニティは両手を広げ、論理的かつ絶対的な絶望を宣告した。
『貴様らの物理攻撃がどれほど強力であろうと、それは所詮「有限の数値」。数学的に言って、無限からどれだけ数値を引こうが無限のままだ(\infty - 100000000 = \infty)。貴様らが何万年かけて我を殴り続けようと、我が体力は永遠に減ることはない!』
「た、隊長! 今度こそ本当の本当にヤバいっす! 相手のHP、無限大っすよ!」
「俺たちの攻撃力がカンストしてても、相手の体力が無限なら、絶対に倒せないってことじゃないすか!」
絶望的な数学の真理を前に、闇の兵士たちは頭を抱えた。
しかし、シーラは巨大剣『ナイトメア・ブレイカー』を肩に担ぎ、インフィニティの頭上に浮かぶ「\infty」の紋章をじーっと見つめていた。
「うーん……無限? 永遠に減らない?」
シーラは首をコテッと傾けた後、ポンと手を叩いて満面の笑みを浮かべた。
「なんだ! おじさん、ただの『8』が横に転がって寝っ転がってるだけじゃない!!」
『……は?』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・お目覚め(物理)』ぃぃぃっ!!」
『なっ!? どこを狙って……』
シーラはインフィニティ本体ではなく、彼が自身の概念の象徴として頭上に浮かべていた【\infty(無限大)の紋章】に向かって、一直線に跳躍した。
そして、空中に浮かぶ光の「\infty」の両端を、素手でガシッ! と鷲掴みにしたのである。
『ば、馬鹿な!? 概念の象徴である無限の記号を物理的に掴むなど——』
「ほーら、お寝坊さん! いつまでも横になってないで、シャキッと立ちなさい!!」
ギギギギギギギッ……!! ガコンッ!!
シーラが凄まじい腕力と気合で「\infty(横向き)」を力任せに捻り上げると、それは物理的に角度を変えられ、「8(縦向き)」へと強制的に直立させられてしまった。
『ぎゃあああああっ!? 私の、私の無限の概念が……ただの【数字の8】に固定されたァァァッ!』
「あははっ! 起きた起きた! でもさ……」
空中で「8」にしがみついたまま、シーラはニカッと笑って歯を光らせた。
「8ってさ、真ん中で『パキンッ』て割ったら、ただの『0(ゼロ)』が二つになるだけだよね!!」
『……ヒッ!?』
「だぁぁぁぁぁぁりゃぁぁぁぁっ!!」
パァァァァァァァァァンッ!!!!
シーラが数字の「8」の中心の交差している部分に、全霊の気合を込めた膝蹴りを叩き込んだ瞬間。
無限の象徴は物理的に真っ二つに叩き割られ、ただの「0(ゼロ)」と「0(ゼロ)」になって霧散した。
『あ、あああ……私の無限の体力が……「8」にされてから「0」に……数学の概念が、ただの図形遊びで破壊され……』
\inftyが0になったことで、無限だったインフィニティの体力も完全な「ゼロ」となり、彼はエラー音すら発することなく、ただの白い煙となって綺麗に消滅した。
「あははっ! ほらね! どんないっぱいある数字でも、ゼロにしちゃえばおしまいだよ!」
「シ、シーラ隊長……ついに『無限大』すら、寝っ転がった8扱いして物理的に叩き割っちまった……!」
「無限からいくら引いても無限? なら記号そのものをゼロに割ればいい……隊長の算数は宇宙の真理を超越してるっすね……!(感涙)」
無限の神が消滅したことで、果てしなく眩しかった無限の空間は崩壊し、ついに上位神域のすべてが「最高に心地よくて真っ暗な、永遠のリラックス空間(闇)」へと塗り替えられた。
「よーし! これで上の方の神様たちも全員大人しくなったね! さあ、この真っ暗で涼しい空間で、今日こそ心置きなくお昼寝しようーっ!」
運命、時間、全知、言霊、因果、平行世界、そして無限。
どれほど高尚で絶対的な概念であろうと、「気合と根性」という最強の物理の前に粉砕できないものはなかった。
シーラの底抜けの笑顔と、大の字で眠る闇の兵士たちのいびきと共に、神域は完全なる安らぎに包まれるのだった。
——第三部・概念神霊編、完!
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