◆◆◆ 第21話:絶対の言霊? だったら大声でかき消しちゃえ! ◆◆◆
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
それでは、本編をお楽しみください!
「あははっ! このおっきな本(予言書)、テーブルにぴったりだね! ハトのお爺ちゃん(時の神)も、テーブルの上でポッポッ鳴いてて可愛いー!」
あらゆる未来が記された『全宇宙の予言書』を完全にただのピクニックテーブルとして活用し、神域の深部をズンズンと進むシーラたち。
平和で明るい闇の軍勢の前に、突如として空間に「光り輝く文字」が浮かび上がった。
空中に文字が連なり、巨大な辞書のような神霊が姿を現す。
世界を言葉で定義する『言霊の神・ロゴス』である。
『……野蛮なバグどもめ。我が名はロゴス。この世界は、我が紡ぐ【言葉】によって定義され、形作られている』
ロゴスが厳かに告げると、空間に【武装解除】という文字が浮かび上がった。
次の瞬間、闇の兵士たちが持っていた武器が、まるで幻のように手から消え去ってしまった。
「なっ!? 俺たちの剣が、一瞬で消えた!」
「隊長、ヤバいっす! あいつの言った言葉が、そのまま現実のルールになっちまうみたいです!」
『いかにも。我が言葉は宇宙の真理。我がいかなる理不尽を語ろうと、それは絶対の現実となる』
ロゴスは冷徹な視線をシーラに向け、空間に【絶対拘束】そして【完全敗北】という、決定的な二つの言葉を浮かび上がらせた。
『さあ、闇のヒロインよ。我が言霊の前にひれ伏し、消え——』
「えっ? なに?」
ロゴスが言い終わる前に、シーラは小指で耳をほじりながら、ものすごく不満そうな顔をした。
「おじさん、ボソボソ喋ってて全然聞こえないよ!!」
『……は? 何を言っている。我が声は神の周波数であり、空間そのものを震わせて——』
「あのねえ! 挨拶とかお願いごとは、お腹からしっかり声を出さないと相手に伝わらないんだよ!!」
『いや、伝わる伝わらないではなく、私の言葉は概念であり——』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『超絶・腹式呼吸』ぃぃぃっ!!」
シーラは、限界まで大きく息を吸い込んだ。
その瞬間、彼女の周囲の空気が物理的に圧縮され、異常なまでの高密度な気圧の渦が発生する。
「お腹から声出して、いっくよォォォォッ!!」
シーラはロゴスに向かって、ただひたすらに、純粋に、世界で一番元気な大声を張り上げた。
「おはようございまァァァァァァァァァァァァァァァァス!!!!!!!」
ドッバゴォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!
それはもはや声ではなかった。
純度1億パーセントの気合が乗った「超音波兵器」にして「物理的な暴風」である。
凄まじい音圧の衝撃波が神域を駆け抜け、空中に浮かんでいた【完全敗北】や【絶対拘束】といった概念の文字を、物理的に粉々に吹き飛ばした。
『ぎゃああああああああっ!? 音圧が……気合の乗った大声の音圧が、神の言霊(概念)を物理的にかき消していくゥゥゥッ!』
完璧な論理で構成されたロゴスの言葉は、シーラの「理屈抜きのただの大声」の前に一瞬で掻き消され、ロゴス自身も凄まじい暴風に巻き込まれて壁まで吹き飛ばされた。
「……ケホッ、ケホッ……声が、私の美しい言霊が……かすれて出ない……」
壁にめり込んだロゴスは、喉を押さえて完全に声変わり(ただの掠れ声)してしまっていた。
「あははっ! ほらね、やっぱり大きな声を出した方が、すっごく遠くまで届くでしょ!」
シーラがケロリとした顔で笑うと、消えていた兵士たちの武器もスッと元通りに実体化した。
「シ、シーラ隊長……ついに神様の『絶対の言葉』すら、ただの大声で物理的にかき消しちまった……!」
「どんな理屈をこねられても、隊長の『おはようございます』の方が強いんすね……!(耳キーン)」
「よーし! 大きな声を出したらお腹空いちゃった! このおっきなテーブル(予言書)で、またお茶会しよー!」
世界を定義する神の言霊であろうと、シーラの「お腹から出す元気な挨拶」の前では、ただのボソボソ声に過ぎなかった。
小難しい理屈をすべて轟音で吹き飛ばし、闇のヒロインはいよいよ第三部のクライマックス、上位神域の最奥へと笑顔で突撃していくのである。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
少しでも「面白かった!」「スカッとした!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、
ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、毎日の執筆の爆発的なエネルギーになります!
ブックマークへのご登録も、ぜひよろしくお願いいたします!
それでは、次回もどうぞお楽しみに!




