◆◆◆ 第13話:新章突入! 完璧な修復プログラム? 機械の故障は叩いて直せ! ◆◆◆
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「ん〜っ! やっぱり真っ暗な世界での朝寝坊は最高だね!」
大光帝エターナルを「物理的な電源オフ」で沈黙させ、光の帝国を完全なリラックス空間(闇)へと作り変えてから数日。
心地よい漆黒に包まれた帝都の広場で、闇のヒロイン・シーラは大きな欠伸をして背伸びをした。
闇の兵士たちも、すっかり平和ボケしてトランプなどに興じている。
だが、その安息は唐突に破られた。
空中に突如として無数の『緑色の文字列』が滝のように流れ落ち、空間そのものが四角く切り取られるようにして、銀色に輝く幾何学的なポータルが出現したのだ。
そこから現れたのは、全身をクリスタル状の装甲で覆われ、眼鏡をかけた知的な(そして眩しい)天使——『上位次元・品質保証局』の監査官、マトリクスであった。
『世界システムの重大なエラーを検知。光と闇のパラメーターが規定値を大幅に逸脱しています。これより、論理的欠陥の修正および、世界環境のロールバック(初期化)テストを開始します』
マトリクスが空中で指を滑らせると、心地よかった真っ暗な空が、再びチカチカと不快な白光を放ち始めた。
「わっ! なになに、また眩しくなってきたよ! おじさん、誰?」
「シ、シーラ隊長! ヤバいっす! あのポータル、どうやら別の次元から来てるみたいです! しかも『品質保証』とか『ロールバック』とか、わけのわからない呪文を唱えてます!」
兵士たちが警戒する中、マトリクスは冷たい視線でシーラを見下ろした。
『私はこの世界の上位システムを管理する者。貴様らのようなバグ(不具合)が、完璧に設計された世界の内部ロジックを破壊したと判定した。現在、すべての事象をテスト環境に移行し、仕様書通りの「光の世界」へ復元中だ。抵抗は無意味である』
「バグ? 仕様書?」
シーラは首を傾げた後、ぽんと手を叩いた。
「要するに、世界の機械がちょっと壊れちゃったってことでしょ?」
『機械ではない、システムアーキテクチャの根幹機構だ。私の展開する【論理的ファイアウォール】は、いかなる物理演算も弾き返す。貴様らの野蛮な力など——』
「あのねえ、おじさん!」
シーラは背負っていた大剣『ナイトメア・ブレイカー』をズシリと構え、ニカッと笑った。
「機械が動かなくなったり、エラーが出たりした時はね、昔から『斜め45度から叩く』って相場が決まってるんだよ!」
『……は? 何を言っている。精密なシステムに物理的な衝撃を与えるなど、論理的にも品質的にも言語道断——』
「いくよーっ! 気合と根性のォォ……『強制・物理デバッグ』ぅぅぅっ!!」
シーラは大地を蹴り、空中に展開された強固な『論理的ファイアウォール』に向かって跳躍した。
そして、大剣をきっちり斜め45度の角度から、全霊の気合を込めて振り下ろしたのである。
ガッッッッシャァァァァァァァァァァン!!!
『な、な、なっ!?』
マトリクスが驚愕の声を上げる。
いかなる魔法も物理攻撃も「エラー」として処理するはずの完璧な防壁が、シーラの「昔ながらの知恵(物理)」と凄まじい気合の前に、まるで古いテレビのようにバチバチと火花を散らして粉々に砕け散ったのだ。
『ば、馬鹿な!? 私の書いた完璧なテストコードが……仕様書にない謎の圧力で強制終了させられただと!? 物理的な打撃でバグが直るなど、あり得な——ギャアァァァッ!』
そのまま大剣の腹で勢いよく「斜め45度」から引っばたかれたマトリクスは、エラー音を響かせながらポータルの奥へと吹っ飛んでいった。
「あははっ! ほらね、叩いたらチカチカしてた光も直った(消えた)よ!」
シーラが着地すると同時に、世界の修復プログラムは完全に停止し、再び快適な闇が戻ってきた。
「シ、シーラ隊長……ついに別次元の超高度なシステムすら、昭和のテレビを直す感覚で粉砕しちまった……!」
「どんな理屈も、隊長の『斜め45度』の前には無力なんすね……!(感涙)」
「よーし! あのおじさん、あの四角い穴の向こうに逃げていったね! まだピカピカしてて眩しい世界があるなら、そこも全部真っ暗にしてあげなきゃ!」
かくして、大光帝国を制圧したシーラたちの次なる標的は、世界の理そのものを管理する『上位次元』へと決定した。
どんな完璧な論理もテスト計画も、闇のヒロインの「気合と根性」という名の究極のバグの前では、ただ崩壊を待つのみである。
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