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なんか知らんけど世界が騒いでる~転生したら最強赤ちゃんでした~[カクヨムに連載中]  作者: Kurara-Lunaria


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第24話 なんか変なのに目つけられた気がする

◆アルヴェイン領・街中


「……視線多くない?」


ギルドを出て少し歩いただけで、空気が違った。


通りを行き交う人々が――


ちらっ

ひそひそ

じーっ


明らかにこちらを見ている。


子供を見る視線じゃない。

珍しいものを見るような、ざわついた視線。


(自覚が遅いですね。)


「さっきまで普通だったのに」


耳を澄まさなくても、会話が入ってくる。


【あの子だよ】

【配信の】

【え、ほんとに?】


「……普通に聞こえてるんだけど」


(声量の問題ではありませんね。)


これ以上いると面倒なことになりそうだ。


「……帰ろ」


ルークは歩く速度を少しだけ上げた。


――


◆アルヴェイン家


「ただいまー」


扉を開けた瞬間――


「ルーちゃん!!」


ドンッ!!


「ぐえっ」


勢いよく突っ込んできた母に、そのまま抱きしめられる。


柔らかい香りに合わない、強すぎる力。


「無事でよかったわぁぁぁ!!見たわよ配信!!」


「見たのかよ」


(逃げ場がありませんね。)


「もう心配で心配で……!」


「いや余裕だったけど」


「余裕じゃありません!!」


即座に怒られた。


――数分後


リビング。


落ち着いた空気の中、珍しく父――ダリオスも席についていた。


腕を組み、じっとこちらを見ている。


「……聞いたぞ」


「何を?」


「中級ダンジョンを単独制覇。しかも変異個体討伐」


声は低く、重い。


だが怒っているわけではない。


「まあそんな感じ」


「……はぁ」


深いため息。


「お前は本当に規格外だな」


(今さらですね。)


父は少しだけ姿勢を正した。


「それでだ」


空気がわずかに引き締まる。


「しばらくは目立つ行動は控えろ」


「なんで?」


「噂の広がりが早すぎる」


指を組みながら続ける。


「貴族、商人、冒険者……あらゆる連中が動き出す」


つまり――


「面倒なのが来るってことか?」


「そうだ」


即答。


「特に――」


一瞬だけ、間。


「“強者”に目をつけられる可能性が高い」


「ガルムみたいな?」


「もうすでに会ったのか……あれもその一人だが、それだけじゃない」


(むしろ本命は別ですね。)


「まあ来たら来たでいいだろ」


「よくない」


間髪入れず否定された。


父の目がわずかに鋭くなる。


「お前は強い。だが――」


「世界は広い」


「……ふーん」


あまり実感はない。


――


その夜。


◆ルークの部屋


「はー、疲れた」


ベッドに倒れ込む。


天井をぼんやり眺める。


今日は本当に情報量が多すぎた。


配信。

ダンジョン。

ギルド。

騒ぎ。


「……でも」


ふと、思い出す。


結晶のボス。


巨大な体。

硬質な音。

核を砕いた感触。


「ちょっとは面白かったな」


(基準がおかしいんですよ。)


「次はもっと強いとこ行くか?」


そのとき――


コンコン


「ルーク様、よろしいでしょうか?」


「ん?どうぞ」


扉が開く。


入ってきたのは執事のハルメス。


いつも通り落ち着いているが、ほんの少しだけ表情が硬い。


「お客様がいらしています」


「客?」


こんな時間に。


「かなり急ぎの様子でして」


「ふーん」


面倒そうな予感しかしない。


「誰?」


「それが……」


わずかに言葉を選ぶ。


「名乗られていません。ただ――」


一拍。


「“面白い子に会いに来た”と」


「……は?」


(来ましたね。)


「通すか?」


「どうせ帰らないだろ」


「……かしこまりました」


――数分後


部屋の空気が、わずかに変わる。


扉が開く。


入ってきたのは――


一人の男。


長身。

無駄のない立ち姿。

整った顔立ち。


軽く笑っているが、その奥にあるのは――


明らかに“強者”の気配。


「初めまして、でいいのかな?」


声は軽い。


だが視線は鋭く、まっすぐルークを捉えている。


「君がルーク?」


「そうだけど」


男は口元を少しだけ上げた。


「やっぱりそうか。配信、見たよ」


「へぇ」


(反応が薄いですね。)


「いやー、びっくりした」


肩の力を抜きながらも、目は楽しそうに細められる。


「久しぶりに“本物”見たかもしれない」


「……誰だお前」


その問いに、


男は少しだけ芝居がかった動きで一礼した。


「失礼」


一瞬の間。


「俺は――」


空気がわずかに張り詰める。


「ゼノス・フレイアーク」


その名前が落ちた瞬間、


部屋の温度が変わったような感覚。


(ついに来ましたね。)


ゼノスはにやっと笑う。


「配信、やってるんだろ?」


一歩、距離を詰める。


圧はない。だが存在感が強い。


「コラボ、しない?」


「……」


ルークはほんの少しだけ考えて――


「面白そうだな」


即答。


(軽すぎませんか!?)


ゼノスの笑みが深くなる。


「いいね。話が早くて助かる」


こうして――


配信界の頂点と、


規格外の新人。


とんでもない組み合わせが、静かに動き出した。

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