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なんか知らんけど世界が騒いでる~転生したら最強赤ちゃんでした~[カクヨムに連載中]  作者: Kurara-Lunaria


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第21話 なんか増えてるんだけど

「へぇ、ちょっとは楽しめそうだな」


目の前に立つ巨大な結晶の人型。


高さは軽く三メートル以上。


全身は白く透き通った結晶で構成されており、内部には淡い光が流れている。


胸の中心――


そこだけは特に強く輝いていた。


ドクン、ドクン……


まるで心臓のように脈打つ核。


周囲の空気がわずかに震えている。


床にはさっき砕けた結晶の破片が散乱し、足元でシャリッと音を立てた。


(中級のボスにしては、明らかに気配が強すぎますね……)


「強いなら大歓迎だ」


ルークは片手で剣を構える。


力は抜いたまま。


だが視線だけは、しっかりと核を捉えていた。


次の瞬間――


ドンッ!!


床が爆ぜた。


結晶の地面にヒビが走り、破片が宙に舞う。


ボスが一気に距離を詰めてきた。


「速っ」


巨腕が振り下ろされる。


空気ごと押し潰すような一撃。


――だが。


ガキンッ!!


ルークはそれを片手で受け止めた。


小さな体と巨大な腕。


明らかに不釣り合いな光景。


衝撃で周囲の結晶壁がビリビリと震え、細かな粉が降ってくる。


「でも、まあ」


ヒュン


体をわずかにひねるだけで、次の追撃を回避。


そのまま懐へ潜り込む。


「当たらなければ意味ないよな」


キンッ


剣を横一閃。


だが――


ガギィン!!


金属を叩いたような音。


刃が弾かれる。


「硬っ」


斬った部分には白い筋が残るだけ。


ヒビ一つ入っていない。


(クリスタル系は物理耐性が非常に高いです。)


「なるほどね」


ルークは一歩下がる。


ボスはゆっくりと向き直る。


ギギ……と、結晶が擦れる音。


その胸の核が、さらに強く光る。


周囲の結晶壁にその光が反射し、空間全体が脈打つように明滅した。


「じゃあこうするか」


パチン


指を鳴らす。


次の瞬間――


ボスの足元の床が盛り上がる。


ドゴォン!!


鋭い土の槍が突き上がる。


だが――


バキィン!!


表面の結晶に弾かれ、砕け散る。


破片が周囲に飛び散り、床を叩く音が連続する。


「へぇ」


(普通はここで攻撃が通らず詰みます。)


「じゃあ――混ぜるか」


ルークの周囲に風が集まる。


細く、鋭く。


空気が圧縮され、わずかに音が鳴る。


キィィン……


見えない刃のような気配。


それを土の槍に重ねる。


密度を上げる。


さらに加速。


「これならどうだ?」


ズドンッ!!


空気を裂く轟音。


槍は一直線に走り――


ボスの胸へ直撃。


バキッ


表面の結晶が砕ける。


そして――


パキ……ッ


中心核に、明確なヒビ。


「当たりか」


ルークの口元がわずかに上がる。


そのまま間髪入れず――


パチン、パチン、パチン


ズドン!ズドン!ズドン!!


連続射出。


同じ一点へ。


ヒビが一気に広がる。


パリンッ!!


甲高い音。


核が砕けた瞬間――


全身の光が一斉に消える。


ドォォン……


巨体が崩れ落ちる。


結晶の破片が広間中に散らばり、


反響音がしばらく残った。


静寂。


「……うん、まあまあかな」


(基準がおかしいです。)


ピロンッ


【視聴者:524】


「……え?」


ルークはカメラを見る。


「なんか増えてるんだけど」


コメントが滝のように流れる。


【今の何!?!?】

【いレギュラーボス一人で倒した!?】

【早すぎて理解できない】

【核狙いエグ】

【Fランクって嘘だろ】

【子供なのに強すぎ】

【かわいいのに動き怖い】


その間にも――


【視聴者:1,203】


「いや増えすぎだろ」


(完全に見つかりましたね。)


「まあいいか」


ルークは気にせず歩き出す。


崩れたボスの中心付近。


一際大きく輝く結晶が残っていた。


拾い上げる。


光が内部でゆっくり回転している。


「これ、結構大きいやつじゃないか?」


(市場に出れば相当な価値になります。)


「ラッキーだな」


収納魔法へ。


【落ち着きすぎだろ】

【えっ核消えたんだけど!?】

【収納魔法!?】

【初配信でこれはバグ】

【この子何者?】

【推すわ】

【登録した】


ルークはカメラに向かって軽く手を振る。


「じゃあ、もうちょっと奥まで行ってみるか」


【まだ行くの!?】

【普通ここで終わりだろ!】

【やばすぎる】


「え、これで終わりなのか?

まだ道が続いてるが……」


ボスの奥。


崩れた壁の向こうに、さらに通路が伸びている。


薄暗いが、奥からかすかに光が漏れていた。


(通常はここで帰還ですね。)


「じゃあ探索ってことで」


(規格外すぎますね……)


ルークは何事もなかったかのように歩き出す。


砕けた結晶を踏みしめながら。


カメラはその背中を映し続ける。


――そしてこの日。


“中級ダンジョンを散歩する謎の子供配信者”の映像は、


一気に拡散され始めることになる。


(なお本人は、まったく気づいていません。)

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