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なんか知らんけど世界が騒いでる~転生したら最強赤ちゃんでした~[カクヨムに連載中]  作者: Kurara-Lunaria


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第20話 へぇ、ちょっとは楽しめそうだな

少し前、ミュリエルが言っていた。


「前回の初心者用ダンジョンが初級だとすると、今回のダンジョンは中級です。

その名も――《クリスタルラビリンス》。

本来、Fランクの冒険者が一人で行ける場所ではありませんが……ルーク様なら問題ありませんね!」


(なぞの信頼。)


さらに、王都にいるときに侍女のリリアが、ダンジョン配信用のカメラや機材を一式手配してくれている。


「いつでも配信できるってわけだな」


(初配信で中級ダンジョンに行く人は普通いません。)


ということで。


前と同じように場所をイメージして――


パチン


視界が一瞬歪み――


次の瞬間、目の前に現れたのは巨大なダンジョンの入口。


横の看板には、はっきりと刻まれている。


《クリスタルラビリンス》


「着いたな」


(相変わらず意味が分からないワープですね。)


とはいえ、前回はいきなりボスだった。


正直、参考になっていない。


だから今回は事前に情報を聞いてある。


このダンジョンに出るのは――


クリスタルスライム、ミラーナイト、クリスタルナイト、クリスタルゴーレム。


「まあ、なんとかなるだろ」


(説明とは。)


俺は認証装置にカードをかざす。


ガコン。


重い音とともに扉が開いた。


内部から冷たい空気が流れ出てくる。


「この仕組みも気になるが……」


(寄り道フラグですね。)


「今はいいか」


中に入る。


壁一面が結晶。


光が反射して、空間全体が淡く輝いていた。


コツーン……コツーン……


足音が澄んだ音で響く。


「……これは綺麗だな」


(完全に観光です。)


「先に準備しとくか」


収納魔法から撮影機材を取り出す。


魔力を流し、時間設定。


「とりあえず2時間くらいでいいか」


(初回配信で適当すぎます。)


題名は――


「ダンジョンさんぽ」


「よし、これでいいか」


スイッチオン。


【視聴者:0】


「まあ、そりゃそうだよな……」


そのまま歩き出す。


一本道が続く。


静かだ。


だが――


「……ん?」


違和感。


視線を動かすが、何もいない。


……いや。


よく見ると、光の反射の中に“歪み”。


「なんだこれ……見えにくっ」


透明に近いスライム。


クリスタルスライム。


(厄介なタイプですね。)


「……ああ、そこか」


ルークはわずかに目を細める。


今回は試す。


水じゃない。


土魔法で極細の針を生成。


風魔法で一気に加速。


(無駄に器用です。)


パチン


――パリンッ


正確に心臓である“核”だけが砕けた。


スライムは一瞬で崩れ落ちる。


「うん、完璧」


(命中率がおかしいです。)


ピロンッ


【視聴者:1】


「お、来た」


(記念すべき最初の犠牲……じゃなくて視聴者です。)


そのまま進む。


やがて分岐。


左右に分かれる道。


「迷路か」


壁はすべて透き通った結晶。


奥の構造がぼんやり見える。


覗き込んで――


「……なんか全部見えるな。本当に迷路か?」


(迷路とは。)


「じゃあ右でいいや」


(雑すぎます。)


進んだ先――


現れたのは。


全身が結晶でできた騎士。


クリスタルナイト。


「お、ちょっと強そう」


(ようやく中級らしい相手です。)


「せっかくだし剣使うか」


(思いつきでスタイル変えるな。)


クリスタルナイトが踏み込む。


ガキィン!!


鋭い一撃。


だが――


「遅い」


(でしょうね。)


ヒュン


一閃。


パキン


結晶の体が、真っ二つに割れた。


静かに崩れ落ちる。


【視聴者:12】


「増えてるな」


コメントが一気に流れ始める。


【今の何!?】

【見えなかった】

【一瞬で終わったぞ】

【Fランクって嘘だろ】


「コメントってこんな感じか」


(余裕ですね。)


軽く手を振る。


「どうもー」


【しゃべった!?】

【子供!?】

【声かわいい】

【え、赤ちゃん!?】


(完全にバレましたね。)


【視聴者:57】


「一気に増えたな」


空気が変わる。


――その時。


(来ましたね。)


奥から流れてくる、重い気配。


空気がわずかに震える。


(これは中級の枠を超えてます。)


「お、当たりっぽいな」


(普通は“当たり”とは言いません。)


通路を抜ける。


視界が開ける。


巨大な広間。


中央には――


巨大な結晶の塊。


その内部に、人影。


ドクン


脈打つように光る。


(来ますよ。)


バキ……バキバキ……!!


結晶が内側から砕ける。


破片が宙に舞う。


そして――


現れたのは。


純白の結晶でできた巨大な人型。


圧倒的な存在感。


「……ボスか?」


【え、何あれ】

【初めて見る】

【中級にあんなのいないぞ】

【イレギュラー!?】


【視聴者:132】


一気に跳ね上がる。


ざわめきが画面越しにも伝わってくる。


ルークは、少しだけ口元を緩めた。


「へぇ――」


一歩、踏み出す。


「ちょっとは楽しめそうだな」

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