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なんか知らんけど世界が騒いでる~転生したら最強赤ちゃんでした~[カクヨムに連載中]  作者: Kurara-Lunaria


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第15話 新しい仲間?

◆客間にて


重厚な扉を開けると、いつもの客間。


大きな窓から光が差し込み、テーブルの上にはまだ温かい茶が置かれている。


その中央で――王様が頭を抱えていた。


「おぬし、もうなんでも読めるのか……」


「だいたいな。」


「だいたい、で済ませるな。」


(規模が違いますね。)


王様はゆっくり顔を上げる。


「……それで。ネラージュはどうした?」


「あっ、倒れたから置いてきた。」


「大丈夫なのか!?」


椅子から少し浮きかけるが――すぐに止まる。


「……いや、ネラージュだしな。」


深いため息。


「どうせ興奮して倒れたのだろう。」


「当たり。」


(信頼のされ方がおかしいですね。)


王様はこめかみを押さえながら続ける。


「……まあいい。それで、何が書いてあった?」


少し間を置く。


「最初に言っとくけど――これ、俺宛の手紙だった。」


ぴくり、と王様の眉が動いた。


「……続けよ。」


「内容はこれ。」


そのまま読み上げる。


「――ルークへ。

光の上位精霊ルミエルに聞きました。

私達も興味があるので、精霊の森にご招待します。」


静寂。


空気が一瞬で重くなる。


「……は?」


王様の口から間の抜けた声が漏れた。


そして――


「はぁぁぁ……」


長いため息。


「まず聞くが――光の上位精霊とはなんだ?」


「あ、報告してなかったな。」


指を軽く鳴らす。


「ルミエル。」


ふわりと光が集まり、小さな人型が現れる。


『どうしたの?』


その瞬間。


王様、完全停止。


「…………」


「王様に紹介しとこうと思って。」


『王様?……こんにちは?』


「……こんにちは。」


ぎこちない。


王様が額を押さえる。


「はぁ……なぜ上位精霊と契約しておる。」


「流れ?」


「流れで契約するな。」


(正論です。)


「それと――なぜ精霊の森に招待されている。

あそこは人間立ち入り禁止だぞ。

そもそも禁止というより人間は入れてもらえないはずだが。」


「まあ呼ばれてるなら行ってくるわ。」


軽い。


「ルミエル的にはいつでも行けるらしいし。」


王様はしばらく黙ったあと、諦めたように背もたれに寄りかかった。


「……好きにせい。」


「いいのかよ。」


「止めても行くであろう。」


「行くな。」


(素直ですね。)


「ただし――」


王様がこちらを見る。


「帰ってきた時が恐ろしいがな。」


(同感です。)


「じゃ、行ってくる。」


ルミエルに視線を向ける。


軽く頷きが返ってくる。


パチン。


光が体を包み込む。


一瞬で視界が白に染まった。


◆精霊の森


空気が違う。


澄んでいるというか、軽いというか――


何より、光が多い。


木々の間から漏れる光じゃない。


森そのものが淡く光っている。


「すご……」


足元の草も、葉も、空気も、全部がほんのり輝いている。


『こっち。』


ルミエルが先を導く。


歩き出すと、周囲に小さな光が集まってくる。


ふわふわと浮かぶ光の玉。


近づいたり、離れたり、くるくる回ったり。


……子供みたいだな。


(精霊ですね。)


しばらく進むと、森の奥に大きな建物が見えてきた。


自然の中にあるのに、不思議と浮いて見える。


中に入ると――


空気が一段と静かになる。


そして。


正面に三つの光。


ゆっくりと人の形を取る。


ルミエルと同じ――上位精霊。


『ようこそ、ルーク。』


声が直接頭に響く。


『私は風の上位精霊。

隣が水、そして火。』


火の精霊は明るく揺れ、水は静かに流れ、風は柔らかく揺らめいている。


『呼んだ理由は一つ。』


一歩前に出る。


『我らと契約し、名前を頂きたい。』


「え?」


いきなりだな。


火の精霊が勢いよく前に出た。


『ルミエルから聞いた時は興味だった!だが今は違う!』


距離が近い。


『お前と契約する必要がある!!』


「元気だな。」


(温度差がすごいですね。)


「契約はいいけど……俺得ある?」


『ある!!』


即答。


『魔力が増える!!』


水の精霊が静かに続ける。


『あなたの魔力は澄んでいる。そして――私達より多い。』


「いやそれは無いだろ。」


『『『ある』』』


三方向から同時に来た。


(圧がすごい。)


水の精霊が問いかける。


『ルミエルと契約した時、魔力はどれくらい減りましたか?』


「……少し?」


『それが異常です。』


即答。


『通常は契約と同時に魔力が尽き、倒れます。』


「マジか。」


(基準が完全にズレてますね。)


「じゃあ名前つければいいんだな。」


少しだけ考える。


「風がフェイラ。火がヴァルド。水がシェリス。」


三つの光が、わずかに強く輝いた。


『『『ありがとう』』』


(即決でしたね。)


その時、水の精霊がふと思い出したように言う。


『……ここに来る途中、精霊に触れられましたか?』


「ああ。めっちゃ寄ってきた。」


三人が視線を交わす。


『やはり。』


「え?」


『あなた――ほとんどの精霊と契約しています。』


「は?」


一瞬、思考停止。


(さらっととんでもないこと言いましたね。)


火の精霊が笑う。


『別によいだろ!面白いな!まあ困ったら呼べ!』


水が続ける。


『上位精霊と契約したことで、精霊魔法が使えるはずです。』


風が微笑む。


『ただし――人間で使えた例はありません。』


「まじ?」


『感覚で使えるでしょう。』


「いつも通りか。」


(全部それですね。)


『また会いましょう、ルーク。』


「おう。」


パチン。


◆客間


光が消え、元の部屋。


だが――


空気が違う。


王様がこちらを見て、完全に固まっていた。


「……おぬし。」


ゆっくり口を開く。


「魔力の“質”が変わっておる。」


「そうなのか?」


「明らかにだ。」


一歩近づいてくる。


「……何体と契約した?」


「三人増えた。」


指を折る。


「フェイラ、ヴァルド、シェリス。全員上位精霊。」


沈黙。


さらに続ける。


「あと、知らないうちに他とも契約してたらしい。」


「……いくつだ。」


「数えきれないほど。」


王様が天井を見上げた。


「はぁぁぁ……」


(今日一番のため息ですね。)


「もういい。」


手を振る。


「おぬしはそういう存在だ。」


諦めが早い。


「今日は休め。」


「助かる。」


「……本当は私が休みたい。」


(本音ですね。)


「じゃ、帰る。」


――次の日――


魔法訓練場の扉を開ける。


全員の視線が一斉にこちらに向いた。


そして――


「もうあなたに教えることはありません!!」


……即答。


「え?」

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