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第95話 交換日記の始まり

「これ、始めよう」


美久が提案したのは交換日記。


「みんなで書いて、美久さんが持って帰って」 「また来た時に返して」


最初のページには、子猫の可愛い文字。


『みくおねえちゃんへ きのう、ゆめでいっしょにあそんだ たのしかった またきてね こねこより』


美久は、涙が出そうになった。


春の変化


2024年4月中旬


春が深まるにつれて、美久の訪問も定期的になった。


月に2回のペース。


土日を使って、1泊2日の小旅行。


毎回、新しい発見がある。


猫たちとの距離も、少しずつ縮まっていく。


まだ直接触れることはできないが、2メートルの壁は確実に薄くなっている。


そして、人間世界でも変化が続いていた。


「みく、最近すごく良い表情するようになったね」


理沙が、昼休みに言った。


「前は、なんていうか...無理してる感じがあったけど」


「今は自然体」


「ありがとう」


美久は、心から笑顔になった。


作り笑顔じゃない、本当の笑顔。


就職活動


2024年4月下旬


大学4年生の美久は、就職活動を始めていた。


でも、心はすでに決まっていた。


「猫カフェを開きたいんです」


就職相談で、キャリアセンターの職員に告白した。


「猫カフェ?珍しいですね」


「はい。猫と人間が共存できる場所を作りたいんです」


職員は、少し困ったような顔をした。


「それは...趣味の範囲では?」


「いえ、本気です」


美久の目は、真剣だった。


祢古町での体験が、美久の人生を変えていた。

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