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第77話 朝食の準備

食堂に向かうと、すでに準備が始まっていた。


エプロンをつけた猫人間たちが、忙しく動き回っている。


完全に人間の姿の者もいれば、猫耳だけの者も。


そして、完全に猫の姿で手伝っている者も。


「おはようございます〜」


美久が挨拶すると、みんなが振り返った。


昨日とは違う反応。


警戒ではなく、歓迎の眼差し。


「おはよう!」


「よく眠れた?」


「朝ごはん、一緒に食べよう!」


「今日は豪華だよ〜」


口々に声をかけてくれる。


美久は、嬉しさで胸がいっぱいになった。


受け入れられている。


仲間として扱われている。


「手伝います!」


「え?いいよいいよ」


「でも...」


「お客様なんだから」


「違います」


美久は、きっぱりと言った。


「私、お客様じゃなくて、仲間になりたいんです」


その言葉に、みんなが顔を見合わせた。


そして、誰かが言った。


「じゃあ、皿並べお願い!」


「はい!」


美久は、嬉しそうにエプロンを受け取った。


猫柄のエプロン。


手作りらしく、少し不格好だけど、温かみがある。


朝食の風景


大広間に、たくさんのちゃぶ台が並べられた。


座布団も、人数分用意されている。


いや、猫数分?


朝食は、和食だった。


焼き魚、味噌汁、ご飯、納豆、漬物。


典型的な日本の朝食。


「納豆!?猫が納豆!?」


美久の驚きに、黒猫が苦笑した。


昨夜と同じやり取り。


でも、もう緊張はない。


「人間だった頃の好みが残ってるんだ」


「へえ〜」


見ていると、確かに好みが分かれている。


納豆を美味しそうに食べる者。


ネバネバが糸を引いて、髭についてしまう者。


それを前足で拭こうとして、余計に広がってしまう者。


顔をしかめて避ける者。


「臭い!」と文句を言う者。


中には、ご飯に牛乳をかけている者も。


白米に、たっぷりのミルク。


「それは...」


「猫まんまの進化形」


「進化形!」


黒猫の説明に、美久は笑った。


確かに、ある意味で進化している。


人間の食事と、猫の好みの融合。


「面白いね」


「だろ?」


黒猫も、楽しそうに笑った。


昨日の緊張した雰囲気が嘘のよう。

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