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第74話 夕暮れの決断

窓の外は、もう夕暮れだった。


オレンジ色の光が、部屋を照らしている。


猫たちの毛並みが、金色に輝いて見える。


美しい光景。


少女が、重大な提案をした。


「美久さん」


「はい」


「もし良ければ...今夜は泊まっていかない?」


「え?」


予想外の提案に、美久は目を丸くした。


泊まる。


ここに。


猫たちと一緒に。


「でも、いいの?」


「鈴があれば、大丈夫そうだし」


黒猫も賛成した。


「一晩様子を見て、本当に共存できるか確かめよう」


「でも、みんなが...」


美久は、周りを見回した。


みんな、不安そうだけど、拒絶はしていない。


むしろ、期待しているような...


好奇心と不安が、半々の表情。


「本当に、いい?」


美久が恐る恐る聞くと、子猫が答えた。


「うん!お姉ちゃんと一緒に寝たい!」


その言葉が、決定打になった。


他の猫たちも、少しずつ頷き始めた。


「まあ、一晩なら...」


「鈴があるし...」


「様子を見るのも大事かも...」


少女が微笑んだ。


「決まりね」


「じゃあ...お言葉に甘えて」


美久の声が、震えた。


嬉しさで。


感謝で。


歓声が上がった。


控えめだけど、確かな歓迎の声。


「やった〜!」


「人間のお客さん!」


「一緒にご飯食べよう!」


「お風呂どうする?」


「布団の準備しなきゃ!」


みんなが、わいわいと動き始めた。


美久は、幸せで胸がいっぱいになった。


受け入れられた。


初めて、猫たちに受け入れられた。


仲間として。


お客様として。


そして...友達として。


「ありがとう...みんな、ありがとう...」


美久は、涙を流しながら何度も礼を言った。


子猫を抱きしめながら。


黒猫に触れながら。


22年間の夢が、今、現実になった。


完全ではないかもしれない。


鈴の助けが必要かもしれない。


でも、確実に前進した。


猫たちとの距離が、縮まった。


心が、通じ合った。

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