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第51話 猫たちの会議
猫たちの会議は、境内の奥で行われた。
大きな楠の下。
樹齢何百年という巨木の下で、車座になって相談している。
美久からは、詳しい様子は見えない。
でも、真剣な雰囲気は伝わってくる。
時々、美久の方を見ては、また相談。
指差し(前足差し?)をして、何かを説明している猫。
首を振って、反対している猫。
考え込んでいる猫。
メモを取っている(!)猫。
人間の会議と、なんら変わらない。
いや、もっと真剣かもしれない。
美久は、ぼんやりと空を見上げていた。
夕方が近づいている。
空がオレンジ色に染まり始めた。
夕焼けが、とても美しい。
でも、美久の心には響かない。
(結局、どこに行っても同じ)
胸が、ギュッと締め付けられる。
物理的に痛い。
心臓を、見えない手で握られているような。
期待した分、落胆も大きい。
高く登った分、落ちる時の衝撃も大きい。
(もう、諦めた方がいいのかな)
22年間、諦めなかった。
どんなに拒絶されても、笑顔で乗り切った。
でも、もう限界かもしれない。
心が、これ以上の拒絶に耐えられない。
砕けた心は、もう元には戻らない。




