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第36話 廃墟の駅

美久は古びた木造の建物を見つけた。


駅だ。


朽ち果てた木造建築。屋根瓦の大半は落ち、梁がむき出しになっている。壁は蔦に覆われ、窓ガラスは一枚残らず割れていた。


駅名標を探す。錆びついた鉄板が、かろうじて原型を留めている。文字はほとんど判読不能だが、「祢」という漢字の一部らしきものが見える。


(調査で見た『祢古駅』の情報と一致してる)


美久は、駅のホームを探索していた。


古い時刻表を眺める。「最終電車、昭和62年かぁ...」


ベンチに目をやると、そこに最新型のカメラが置かれていた。 Canon EOS R5。プロ仕様の一眼レフ。


「あれ?こんな高いカメラ...」


美久は恐る恐る近づいた。確かに、カメラの周りの空気が重い。恐怖と絶望が染み付いているような。


「誰かが置き忘れたのかな...でも、なんでこんなところに」


(ネットで見た『廃墟探索ブログ』の人のカメラ?)


美久は、カメラには触れずに通り過ぎた。 ただ、なんとなく嫌な予感がして、祖母の鈴を握りしめる。


チリン...


澄んだ音が、重い空気を払うように響いた。


気が付くと駅のホームにはたくさんの猫が待っていて美久を見つめていた。美久はちゅーるを猫に見せておいでおいでをするが美久には近づかない。仕方ないので美久は包装紙にちゅーるを出して2メートル離れると猫たちはむさぼるようにちゅーるを食べていた。


「ちゅーるってぜったい何か入っているよね?」

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