第18話 出発前夜の最終確認
3月22日 前夜
ついに、出発前日。
美久は、荷物の最終確認をしていた。
リビングの床に、すべての装備を並べる。
猫じゃらし5本(羽根つき2本、鈴つき2本、新型音波式1本) またたび製品各種(粉末30g、スプレー2本、枝5本) 猫用おやつ(ちゅーる30本、カリカリ5種類、フリーズドライささみ) 猫用おもちゃ(ボール、ネズミのぬいぐるみ、キャットニップ入りクッション) 毛布2枚(1枚は新品、もう1枚は美久の匂いがついた使用済み) ブラシ(もし触れたら、ブラッシングしてあげたい)
カメラ装備: デジタル一眼レフ(中古で買った型落ち品だが、美久の宝物) 望遠レンズ(300mm、これも中古) 標準レンズ(念のため) 予備バッテリー4個(「祢古町では電池の減りが早い」という情報を真に受けて) メモリーカード5枚(32GB×5、奮発した) レンズクリーナー 三脚(使う機会があるかは不明)
サバイバル用品: 懐中電灯(LED、単三電池式) 予備電池(単三20本) ホイッスル 方位磁針(100均で買った簡易的なもの) ロープ(10m) 軍手 絆創膏、消毒液などの救急セット 虫除けスプレー 日焼け止め
食料・水: ペットボトルの水(500ml×6本) カロリーメイト(4箱) おにぎり(コンビニで朝買う予定) サンドイッチ(同上) チョコレート(ブラックサンダー5個) 飴(塩飴と普通の飴)
その他: 地図(老婦人からもらったもの、コピーも3部作成) 現金(15,000円を細かく分けて) 健康保険証 運転免許証 スマートフォンの充電器(車載用とモバイルバッテリー) タオル3枚 ゴミ袋 メモ帳とペン お守り(千春の「悪霊退散」、理沙の「交通安全」、拓海の「熊除け鈴」)
荷物の総重量は、かなりのものになった。
「ちょっと持ちすぎかな...でも、全部必要だもん」
大きなリュックサックと、サブバッグ2つに荷物を詰め込む。重いけれど、期待も同じくらい詰まっている。
夜、美久は最後のブログ更新をした。
『みくの気まま旅日記』 投稿日:2024年3月22日 23:58
タイトル:「いよいよ明日、運命の旅へ」
本文: 『こんばんは、みくです!
いよいよ明日、特別な場所へ旅立ちます!
詳しい場所は秘密ですが... 猫がたくさんいる、とても特別な町です。
今までの旅とは、きっと違う。 そんな予感がしています。
22年間の夢が、もしかしたら叶うかもしれません。
荷物も準備万端! 猫グッズを山ほど持っていきます!
もし更新が遅れても、心配しないでくださいね。 きっと、猫ちゃんたちと夢中で遊んでいるはずですから!
それでは、また! 素敵な報告ができることを祈っていてください!
愛を込めて 美久』
投稿すると、すぐにコメントが付いた。
「みくちゃん、気をつけて!」 「素敵な出会いがありますように!」 「レポート楽しみにしてる!」
そして、いつもの常連「黒さん」からも。
『ついに、その時が来たのか。運命を受け入れる準備はできている。きっと、すべてがうまくいく。 - 黒』
不思議なメッセージ。でも、なぜか心強い。
美久は、早めにベッドに入った。
明日に備えて、しっかり休まなければ。
でも、興奮で眠れない。
時計の針が、ゆっくりと進んでいく。
12時、1時、2時...
やがて、うとうとし始めた美久。
夢の中で、また同じ声が聞こえた。
『おいで』
『待っている』
『明日、会おう』
美久は、夢の中で微笑んだ。
『うん、絶対に行く』
そして、深い眠りに落ちていった。
運命の日まで、あと数時間。
長い準備期間が、ついに終わろうとしていた。




