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第16話 準備の日々

2024年2月16日〜3月22日


老婦人との出会いから約1ヶ月。美久の生活は、祢古町のことで頭がいっぱいだった。


授業中も、バイト中も、友達と話している時も、いつも心の片隅に祢古町のことがあった。


「みく、最近ぼーっとしてない?」


2月のある日、千春が心配そうに言った。


「そうかな?」


「うん。授業中も、よそ見してることが多い」


確かに、美久の注意力は散漫になっていた。講義を聞いていても、気がつくと窓の外を見ている。そこに猫がいないかと。


「もしかして、恋?」


理沙がからかうように言った。


「違うよ!猫のことで頭がいっぱいなの」


「いつものことじゃん」


「でも、今回は違う感じ」


美久は、言葉にできない予感を抱いていた。何かが起ころうとしている。人生が変わるような、大きな何かが。

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