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第13話 さらなる情報

スクロールを続けると、より具体的な情報が出てきた。


445:元住民 ◆neko/0721

俺は3年前まで祢古町にいた 正確には、祢古町になっていた


446:名無しさん


> 445 マジ?kwsk


447:元住民 ◆neko/0721

最初は普通の旅行者だった 道に迷って、たまたま辿り着いた 猫が多いな、くらいにしか思わなかった でも、1週間もしないうちに変化が始まった


・やたらと眠くなる(1日15時間は寝てた)

・生魚が美味しく感じる

・風呂が嫌いになる

・舌がザラザラしてくる

・夜目が利くようになる


448:名無しさん


> 447 で、どうやって戻ったの?


449:元住民 ◆neko/0721

ある人に助けられた 「陽の巫女」と呼ばれる人 詳しくは言えないが、特殊な力を持つ人だけが 元に戻ることができる でも、完全には戻れない 今でも、猫の声が聞こえる 特に、満月の夜は...


(陽の巫女...?)


美久は、その単語をノートに書き留めた。何か重要な気がする。


501:調査班A 場所の特定できました 県北部の山間部、林道から外れて約2km ただし、道は時期によって変わるみたいです GPSも途中から狂います


502:名無しさん


> 501 おい、場所晒すなって書いてあるだろ


503:調査班A すみません でも、これ以上犠牲者を出したくなくて


504:スレ主 ★ 501の書き込みを削除しました ルールは守ってください


でも美久は、削除される前の情報を既にメモしていた。「県北部」「山間部」「林道から2km」。老婦人の地図と照らし合わせれば、場所を特定できるかもしれない。


衝撃的な書き込み


スレッドの最後の方に、衝撃的な書き込みを見つけた。


976:名無しさん 俺の友達、祢古町に行ってから人が変わった


投稿者:名無し 日時:2024年2月10日 22:15:36


マジな話する。 大学の友達(仮にAとする)が、都市伝説好きで祢古町に行ったんだ。 2月の3連休使って。 最初は「ただの田舎町だった」「猫が多いだけ」って言ってた。 写真も見せてくれたけど、確かに普通の田舎の風景。 でも、だんだん様子がおかしくなった。


・猫みたいな仕草をするようになった  


最初は冗談かと思った。でも、ガチだった。 首を傾げる角度とか、伸びをする仕草とか、完全に猫。


・日当たりの良い場所で丸くなって寝る  


大学の中庭とか、図書館の窓際とか。 注意しても「ここが一番気持ちいい」って。


・牛乳ばっかり飲む  1日2リットルは飲んでた。 あと、魚の缶詰を大量に買い込んでた。


・高い場所が好きになった  本棚の上とか、ロッカーの上とか。  

「見晴らしがいい」って言ってた。


・爪を研ぐ仕草  これが一番怖かった。  

授業中に、机に爪を立てて引っ掻く仕草を無意識にしてた。  

実際には爪は普通の長さなのに。


美久は、画面を食い入るように見つめた。


そして、最後に会った時の話。


2月の終わり、夕方の教室。 Aと二人きりになった。


俺「最近、変だぞ」

A「変?どこが?」


Aは首を傾げた。45度くらい。人間があまりしない角度。


俺「祢古町に行ってから、猫みたいだ」

A「...そう?」


その時、夕日がAの顔を照らした。 そして、俺は見てしまった。 Aの瞳孔が、縦長になっていた。 一瞬だけ。でも、確実に見た。 猫の目だった。


俺「お前の目...」

A「ああ、最近よく見えるんだ。特に夜」


Aは笑った。でも、その笑顔が怖かった。 口の端が、人間の限界を超えて上がっていた。


A「俺、もうすぐ帰るから」

俺「帰る?実家か?」

A「...うん、そんなところ」


次の日から、大学に来なくなった。


美久は、息を詰めて続きを読んだ。


アパートに行ってみた。 大家さんによると、前日の夜に引き払ったという。 荷物もすべて持って。


でも、部屋に一つだけ残されていたものがあった。 メモ用紙。 そこには、震える字でこう書かれていた。 『ありがとう。やっと本当の自分に戻れる』 家族に連絡したけど、実家には帰っていない。 警察にも届けたけど、事件性がないから動いてくれない。 Aは、どこに「帰った」んだ? 祢古町、マジでヤバい。 誰か、同じような経験した人いない?


美久は、画面を見つめたまま動けなくなった。


(本当の自分...?)


恐怖と好奇心が、心の中でせめぎ合う。


でも、好奇心が勝った。


(もしかして、猫として生きる方が幸せな人もいるの?)


それは、危険な考えだった。


でも美久には、少し理解できる気がした。


人間関係に疲れ、社会に疲れ、自分自身に疲れた時。


もし、猫になれるなら...


「いやいや、何考えてるの私!」


美久は、頭を振った。

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