第11話 廃墟探索ブログの発見
さらに検索を続けていると、ある廃墟探索ブログに目が留まった。
『廃墟と猫と時々ラーメン』 投稿者:@ruins_seeker
「あ、この人知ってる!有名な廃墟写真家さんだ!」
美久は興味深く読み進めた。
@ruins_seekerは、芸術的な廃墟写真で有名な人物。
Instagramのフォロワーは10万人を超える。
記事のタイトル:『この町の猫、やっぱりおかしい』
投稿日時:2024年1月15日 03:33
内容は短い。いつもの詳細なレポートとは違い、箇条書きのメモのような文章。
・予定外に見つけた集落 ・廃墟かと思ったら人(?)が住んでいる
・猫の数が異常
・目が合った瞬間、全員がこちらを見た
・人間のような表情
・二足歩行する猫を見た(確実に見た)
・カメラの調子がおかしい
・早く帰りたい
・でも道が分からない
・助けて
最後の「助けて」の文字が、震えているように見えた。
そして、一枚の写真が添付されていた。
不鮮明な写真。まるで、手ぶれしているような、あるいはカメラのレンズが曇っているような。
でも、確かに写っている。
猫の群れと、古い木造建築。瓦屋根に、木の壁。昭和初期の建物のように見える。
猫たちは全員、同じ方向を向いている。
その数、50匹は下らない。
いや、よく見ると後ろにももっといる。
100匹?200匹?
その視線の先には...
美久は、画面に顔を近づけた。目を細めて、写真の奥を見つめる。
「!」
ゾクッと背筋が寒くなった。
視線の先、写真の端に、人影のようなものが写っている。
いや、人...なのか?
立っているような、でも姿勢が妙におかしい。まるで、四つ足の生き物が無理やり立っているような...
(カメラ?いや、もっと向こう...私を見てる?)
瞬きをして、もう一度見る。
ただの光の加減かもしれない。木の影かもしれない。
でも、一度「人影」に見えてしまうと、もうそれ以外には見えなかった。
「疲れてるのかな」
美久は、目をこすって首を振った。時計を見ると、すでに深夜1時を回っている。
でも、調査をやめる気にはなれなかった。




