第102話 最初の使者
2025年4月25日(火)
開店から5日後、猫カフェに見知らぬ猫が迷い込んできた。
小さな三毛猫。
人懐っこくて、美久の膝の上で丸くなる。
黒猫が、その子を見て目を細めた。
まるで、嬉しそうに。
「この子、どこから来たのかな」
美久は三毛猫を撫でながら呟いた。
でも、心の中では分かっていた。
これも、みんなからの使者。
愛情を運んでくれる、特別な存在。
三毛猫は、3日間猫カフェにいた。
そして、ある朝、姿を消した。
窓も扉も閉まっているのに。
でも、美久は不思議と心配しなかった。
むしろ、温かい気持ちになった。
その夜の夢で、地下に新しい子猫がいるのを見た。
三毛模様の、とても可愛い子猫。
■成功への道
2025年5月~
猫カフェ「ねこまち」は、順調に成長していった。
口コミで評判が広がり、連日満席。
リピーターも多く、経営は安定していた。
「みんなのおかげだね」
美久は、毎晩黒猫に報告した。
売上、お客さんの反応、嬉しかった出来事。
黒猫は、いつも静かに聞いてくれた。
そして、月に1-2回のペースで、見知らぬ猫たちが猫カフェを訪れ続けた。
白猫、茶トラ、サビ猫...
どの子も人懐っこく、数日滞在してから姿を消す。
美久は、その度に夢で地下の様子を垣間見る。
みんな、元気にしている。
そして、美久の成功を喜んでくれている。
2025年夏のある夜の夢で、黒猫が言った。
「君のお店、大成功だね」
「みんなのおかげだよ」
「いや、君の努力の結果だ」
「でも、最初の資金がなければ...」
「それは、君への投資だった」
黒猫が真剣な表情で続ける。
「そして、その投資は正しかった」
「君は、私たちの想いに見事に応えてくれた」
美久は、夢の中で涙を流した。
「ありがとう...本当にありがとう」
「これからも、よろしく」
黒猫も微笑んだ。
「こちらこそ、よろしく」




