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7 掃除屋の話7
「お前から電話とは珍しいな」と先輩の不機嫌そうな声が聞こえた。
私は、手短に先ほどの出来事を伝えた。女性のことは話さなかった。
先輩は考え込んでいるようだった。しばらくして、
「お前が、舐められてカツアゲされそうになった」
まぁそれも十分ありうるな、呟いたあとで、
「あるいは、俺たちの仕事がらみで接触してきた」と言って黙り込んだ。
そして「ちょっと待て」と先輩は言い、電話の向こうで何か別の端末を操作している音が聞こえた。数分後、
「アパートを引き払え、と指示が来た」と言い、明日までに荷物をまとめろ、と私に告げた。
急だなぁ、と私は少しうんざりしたが、拒否権など私にない。そもそも、このようなことも想定して、アパートには最低限の物しか置いてない。
「判ったのか」と先輩が念押ししてきたので、
「問題ありません」と答えた。
先輩は私の返事に答えるでもなく、「問題か」と言い、
「最近仕事が増えている。」と独り言のように呟いた。
「俺たちは片づけるだけだが、外の人間からは、無関係とは見えんだろう」
私は何も答えなかったが、普通の生活をしている人たちからすると、自分たちもまともな側には分類されないだろう。
「明日の零時に迎えに行く」と先輩が言って電話は切れた。




