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6 掃除屋の話6
女性の眉間に皺はなく、平然とした表情だったが、私に向かって親指を立てると、満面の笑みをみせた。
私は、慌てて「どうもありがとう」と彼女に頭を下げた。
「あいつら、最近、街にやって来て、好き勝手してたんだ」
元から気に入らない奴だったということか。しかし、こんなことをして、もし相手に見つかったら困ったことになるだろうに。
私の心配を感じとったのか、
「あーし、この街から出ていくから」
だから、大丈夫とは言わなかったが、やりたかったことが果たせたようなすっきりした顔をしていた。
ツナギのポケットに公園の入り口で買ったコーヒーが入ったままだった。
「どうぞ」と彼女に差し出した。
「あはっ」と彼女は弾けるように笑った。
彼女の後ろにちょうど上り始めた朝日が少しだけ見えた。ビル越しにちらりとだけ見えた光が、彼女の髪を輝かせた。出来過ぎだな、と私は思った。
「じゃ、迎えが来るから」と彼女はコーヒーを持った手をぶんぶん振って、それから走り去っていった。
彼女の姿が見えなくなってから、私は先輩に連絡を取った。




