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父母

「は、はひ。なんでしょうか。」

僕は緊張しながら、警官に質問した。

「ああ、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。私はこの不審者夫婦の確認に伺っただけですから。」

ん?なんで僕の所に?

「だ・か・ら、俺たちは不審者じゃねぇ!ただ、息子の生活を遠くからバレないように静かに見てた、中の良い夫婦だ!」

「ええ、私も不審者扱いされるのは嫌ね。」

あれ、この声は?

「ですから、夜遅くにじっとマンションの方を監視しているのを不審者扱いされても仕方がないと言ってるでしょう。はぁ。それで、滝野瀬さん。この二人組みはあなたの親と言っているんですが、・・・本当ですか?」

警官が確認してくる。っていうか親って言うことはまさか、

「本当だとも。俺たちは、こいつの親。滝野瀬卓と滝野瀬奈美だ!」

やっぱりか。この2人いつかやらかすと思ったけどこんなことまで。とりあえず伝えないと。

「はい。残念なことにこの不審者2人が僕の親です。」

「そ、そうですか。ご愁傷様です。」

この2人には少し痛い目を見てもらったほうがいいかな。

「ところで、警察でこの2人を預かってもらうことってできませんか?公務執行妨害とかで。」

不審者が騒いでる気がするけど無視だ。

「申し訳ありませんが、そのようなことはできませんので。え〜っと、ではこの書類にサインを。はい、ありがとうございます。では、夜分遅くに失礼しました。」

そう言って、警官は不審者二人をおいて帰っていった。

「はぁ。んで、どういうことなんだ?父さん。母さん。」

僕は自分でも分かるくらいジトッとした目をこの二人に見せた。

「ど、ど、どういうことと言っても私達は可愛い息子の元気な姿を見てただけだよ。」

思いっきりキョドってる。

「そ、そ、そうよ。運悪く警察に捕まっちゃったけど。」

こっちも。ほんっと、仲のいい夫婦だな!

「そうじゃない。いや、それもそうだけど。龍燈さんとの許嫁の件だよ!」

一番気になっていることを口にすると、父さんは

「あ、あ、あれはね、いいじゃないか!彩ちゃんも龍海のことを気に入ってるんだし!」

?どういうことだ?

ダダダ!

「それに、龍海はきっと恋人もいないだろ。可愛い女子高校生が自分に惚れた上に許嫁なんだからいいじゃないk」

パカ〜〜ン!!!

走り込んできた龍燈さんと母さんが父さんの頭を思いっきり叩く。

「何言ってるんですか!まだ恥ずかしくて言ってないのに!そもそも、そのことを話すのは龍海さんが私のことを好きになってからって言ったじゃないですか!!!」

パン!パン!パン!

父さんの頭を叩きながら龍燈さんが泣き叫んでいる。

「あ、あの、彩ちゃん?痛い。痛いんだけど。」

父さんが訴える。母さんは傍観して楽しんでる。

「知りません!後でお父さんに連絡してお仕置きしてもらいます!」

「や、やめてください。龍燈には、健児にはもうこれ以上借りを作って沙奈子の荷物持ちをさせられたくない。」

父さんが土下座してお願いしてる。女子高校生に。

「ふん。いいこと聞きました。今ある借りを5倍にしてもらいます!」

仁王立ちで言い放つ龍燈さん。あ”あ”と崩れ落ちる父さん。そんな父さんを見て笑う母さん。・・・なにこれ?






















「それで、どういうことなんだ?父さん。母さん。龍燈さん。」

僕たちは机を挟んで向かい合って座っている。僕の問いに父さんたちは黙る。

「へぇ、そういう態度で来るんだ。それなら、こっちにも考えがあるよ。父さん。」

僕が怒気をはらんだ声を父さんに投げかけると父さんはビクッとして’なんだい?’といってきた。

「これ何か分かる?」

「そ、それは。」

「そう。父さんの母さんに隠してきたことの数々。例えば」

「や、やめてくれ。龍海。」

「じゃあ、説明。」

うん、する気はないようだ。

「1つ目、今日、父さんが母さんの大事にしていたコップを割った。スイス製で今はもう作られていないコップのようで父さんは顔を青くしながら窓を開け、猫が入ってきたことにした。」

僕は1つ目をいうと父さんは青かった顔を白くして冷や汗を垂らしている。

「あ・な・た?あのコップは猫が割ったって言ってたわよね?」

母さんの後ろに大魔神が見えるな。あれは、僕が見てる幻覚なのかそれとも本当に母さんが出してるのか。

「2つ目。」

僕が続けようとしたときとき父さんが

「ま、待ってくれ龍海。話す、話すから。」

ならいいかと手帳を閉じようとすると、母さんからストップが入った。

「龍海。」

なぜか、怖い。

「私が話すから、続けて。」

「え、でも。」

「続けて。」

「ハイッ!」

怖い。何故か吹雪が吹いているような。

「龍海〜〜〜。」

「2つ目。父さんが母さんの大切な観葉植物にコーヒーをかけていた。この数日後に観葉植物が枯れていた。」

「あ・な・た?」

「龍海!もうやめてくれ!」

ごめん。父さん。まさかここまでとは思わなかった。

「3つ目、・・・父さんが母さんと僕との旅行の約束を破り、仕事に行かなくてはいけないといった。だけど、僕は昨日父さんが部屋でゴルフクラブを磨いていたのを知っている。後でそのことを聞いたら、棒付きチョコを渡して、男と男の約束だと言ってきた。」

・・・ごめんという気も失せた。続けよう。

この後、30分ほど父さんの悲鳴と母さんの吹雪と僕の朗読が続いた。このとき、龍燈さんは、さっき自分の行ったことを認識して手で顔を隠しうずくまっていた。









「じゃあ、話してもらおうか。母さん。」

僕は灰になった父さんを放置することを決め母さんに追求した。

「な、なんのことかしら?」

ピュー、ピューと下手な口笛を吹いてごまかしている。でも無駄だ。

カチッ

『私が話すから続けて。』

「そ、それは。」

「そう、母さんのさっきの言葉を録音した。言い逃れはできないよ。」

こんな事もあろうかと、録音しておいてよかった。

「・・・分かったわ。簡潔がいい?詳しくがいい?」

どうせ簡潔と答えたら僕と龍燈さんは許嫁になりました。で終わらせるだろうな。

「詳しく。」

「じゃあ、長くなるわよ。先ず、彩ちゃんの両親は私達と同級生なの。いや、同級生というより親友兼幼なじみという感じね。それで高校の時、私が父さんと、彩ちゃんの両親が付き合い始めたの。それで、その時、どちらかに女の子が生まれたら、許嫁にさせようとなったの。」

「ちょっと待て。なんで女の子なんだ?」

「だって、男の子にしたらスタイルや顔で選びそうだからよ。続けるわね。けど、それには二つ条件があって、女の子がその男の子が嫌って言ったらなしにするって。もう一つは高校生になったら話すということ。」

ここで、母さんは話を区切ってお茶を飲んだ。しかし、ここで一つ疑問が

「なんで、龍燈さんは俺との許嫁の話を受けたんだ?」

そう、龍燈さんほどの美少女なら僕以外の人を選べるだろうに。

「それはね、「そ、そこからは私に話させてください!」あら、じゃあよろしくね。」

そうして、母さんは僕の正面の席を龍燈さんに譲って父さんの所に向かった。

「それで、どうして龍燈さんは僕を許嫁にしたんだ?」

「そ、それは。・・・私も最初は受けるつもりはなかったんです。」

うん。普通の人ならそう考える。

「けれど、顔を見ないのに断るのはと思い会いに行ったんです。」

あれ、会いに行ったていうけど僕は会ったことがないぞ。僕はそのことを聞いてみると

「実は・・・車でこっそりと覗いていたんです。」

・・・それなら、僕があったことがないのも頷ける。けど、どうしてだ?

「まぁ、会ったこともない人に私達は許嫁になるかもしれないので顔を見に来ましたと言えませんから。」

なるほど。

「それで、滝野瀬さんを見に行ったとき滝野瀬さんは公園にいました。」

まぁ、公園は気持ちいいからね。

「その時、走っていた子供が転んで泣き始めました。周りに親のような人もおらず、周りの大人や高校生も迷惑そうに見るだけで遠巻きで避けていくだけでした。ですが!その時滝野瀬さんは子供に駆け寄ってハンカチを取り出して涙を拭いて子供がころんだときの傷跡を洗って絆創膏を貼っていました。その時の子供は泣いていた頃と違ってとてもにこにこしていて、あぁきっととても優しい人なんだなと思いました。そして、私はあなたに対し恋心を抱くようになったのです。」

あ〜〜。多分高校が決まったときのことのことだろうな。しかし自分がしたときのことを聞くと気恥ずかしいな。

「けど、私はそれだけで決めていいものかと思いそれからも見ていたのです。」

・・・やってることがストーカーに近い気がするのは気のせいかな?

「そして、回数を重ねるごとに龍海さんにどんどん惹かれるようになっていったのです。」

つにに龍海さんになってしまった。

「そして、私はお父様に許嫁になりたいと言ったのです。」

「その後、彩ちゃんが家に来て許嫁を了承するということと龍海に自分のことを好きになってもらってから自分の気持ちを伝えたいというから手紙とか書いたのよ。」

母さんが参入してきた。

「ですから!なんでそのこと言っちゃうんですか!恥ずかしいじゃないですか!」

龍燈さんが母さんに顔を赤くしながら文句を言う。それに対し母さんは

「あら、いいじゃない。それにもうほとんど声に出して言っちゃってるじゃない。」

ケラケラと笑いながら答えている。

「え、あ、うぅ〜〜〜。」

そして、またうずくまる龍燈さん。・・・デジャブ?

「というわけで、良かったわね。龍海。」

母さんがニヤニヤしながらこっちを見ている。なにが?

「なにがって、こんなに可愛い女の子が自分のことをこんなに好いてくれるばかりか許嫁で一緒の家で暮らすことが出来るのよ。あぁ、いくら可愛くて本人がいいって言っても子供は結婚してからね。」

・・・母さんは何を言ってるんだ?それにまだ僕は許嫁の件を了承してないぞ。

「駄目ですか?私じゃ龍海さんの許嫁として不釣り合いですか?」

いや、僕のほうが龍燈さんに不釣り合いだと思うんだけど。

「そんな事はありません!私は龍海さんと一緒なら幸せなんです!そしてゆくゆくは・・・。」

え〜っと、これもう詰みじゃないかな?

「それで、龍海。どうするの?許嫁の件を断って彩ちゃんを意気消沈のまま帰らせるか。許嫁を受け入れて幸せになるか。きっと、彩ちゃん断られたらその足で樹海に向かうのでしょうね。そして、そのまま・・・。」

こんの親は!

「・・・分かった。許嫁の件は受け入れる。だけど、条件がある。1つ、結婚などを考えるのは高校卒業してから。2つ、どちらかが別の人を好きになったらこの関係は解消。どっちにも良いことはないからね。3つ、別の部屋で眠る。この条件を飲んでくれるなら許嫁の件を受け入れる。どうだ?」

すると、龍燈さんは笑顔で

「はい!3つ目以外は了解です。これからよろしくお願いいたします。」

いや、3つ目もかなり重要なんだけどな。

「ふふ。じゃあ、龍海。彩ちゃんをよろしくね。彩ちゃんの荷物は明日には来るから。さて、後は若い2人に任せるわね。それじゃ。」

そう言って止める間もなく母さんは父さんを引きずりながら帰っていった。

バタンッ

突然僕の後ろで何かが倒れる音がした。慌てて振り返るとそこには

「キュ〜〜〜〜。」

顔を真っ赤にして倒れている龍燈さんがいた。



ここまで、読んで面白いと感じてくれた方はブックマークや評価などをよろしくおねがいします。


また、誤字脱字等あったら報告してくれると嬉しいです。

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