許嫁
4月。桜が舞い新たな場所へ向かう人が行き交う季節。僕は入りたかった高校に入ることができ、そして、親から何故かマンションの一室に住むように言われ引っ越してから数日後、僕は混乱していた。
「初めまして。今日からあなたの許嫁として暮らすことになりました。龍燈 彩」と申します。よろしくお願いいたします。
僕は突然玄関に現れたこの美少女と許嫁という情報をどう処理していいのかわからなくなっていた。
「え〜と、僕は君のことをなにも聞かされていないし、そもそも許嫁がいるなんて聞いていないんだけど。あ、もしかして部屋が違うんじゃない?」
僕のその違ったらややこしい事にならなくて住むのになという願いは次の瞬間粉々に壊された。
「?此処は1318号室の滝野瀬 龍海さんですよね。珍しいのであってると思いますよ。それからこれを。」
そう言って龍燈さんが差し出してきたのは一通の手紙だった。表面には何もなし。裏面には・・・僕の父親。滝野瀬 卓の名前があった。
「・・・どうやら間違えではないようだね。とりあえず上がって。お茶くらいならすぐ出せるから。」
この手紙の内容がどういう内容だとしても後で父親を問い詰めることは決定したようだ。
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて。」
そう言って龍燈さんは靴を脱いで部屋に入っていった。
とりあえず僕は、好きなお茶の一つ、イングリッシュ・ブレックファーストを入れることにした。・・・ティーバックだが。
入れ終わり、部屋に入ると龍燈さんは椅子に座って静かに待っていた。
「どうぞ。あ、今更だけど紅茶は飲める?」
「ええ、お茶は特徴的なものでなければ飲めますよ。」
「良かった。さて、この手紙の内容についてなにか知ってる?」
「いえ、…‥‥‥。」
「?なにか言った?」
「!いいえ!なにも。」
「そう・・・。」
とりあえず僕は手紙の中身を確認することにした。
拝啓 滝野瀬 龍海様
『よう、元気にしてたか?この手紙が届いたってことは無事彩ちゃんは着いたみたいだな。さて、いきなりだが、お前たちは許嫁となった。彩ちゃんはお前と同じ高校1年生だ。お前の高校に編入することになったから、あと、お前の部屋で暮らすことになったからな。あとはお若いものだけで。それじゃ!
追伸 学校の編入手続きはほぼ済ませてある。それに、お前の学校の校長とは知り合いだから色々助けてくれるだろう。あと、許嫁だからってまだ結婚はできないから子供は作るなよ。』
敬具
あの、ダメ親がァァァ!欲しい情報まったくないじゃないか!
「ごめん。ちょっとこの手紙だけじゃ情報がまったくないから、親に電話してみる。」
「わかりました。」
そして、父親に電話してみると、
『只今電話に出ることができません。ピーという音の後にメッセーz』
ブツッ。
なら、母親だ。
『只今電話に出r』
お前もかっ!
僕は受話器を置き龍燈さんが待つ部屋に入った。
「駄目だ。僕の親全く電話に出ない。」
すると、龍燈さんは
「そうですか。それで、私を許嫁と認めてもらえたでしょうか?」
と返答してきた。予想外の返し。
「いやいやいや。というか、日本で強制結婚は駄目なはずだし、それに片方に恋人がいたらd」
「私はいません。滝野瀬さんはどうですか?いるんですか?」
何故か最後の方少し怒気がはらんでいた気がするけど気のせいかな?
「僕はいないけど。」
ええ、人生においていなかったものベスト3に入りますよ。恋人なんてものは。
「なら、問題ありません。」
と、またもや予想外の返答。・・・いいの!?
「はぁ〜。分かった。とりあえず、あの親に話し聞くまでは許嫁(仮)としておこう。さて、龍燈さんは寝るところどうするの?ホテルがいい?旅館がいい?」
僕は流石に高1の男女がひとつ屋根の下はどうかと思いホテルか旅館かを尋ねると
「?此処で暮らすと書いてあったはずですが?」
え、嘘でしょ。本気なの?女子としてそこは大丈夫なの?というより、僕手紙見せたっけ?
「え〜と、そこは女子としていいの?男子の家に泊まるとかは?」
「ええ、構いません。なんなら床の上でもいいですよ。」
それは駄目だ。
「はぁ、寝るところは用意するよ。料理は・・・時間も遅くなっちゃたし今日は出前でいいかな?」
普段なら、料理をするところだが、龍燈さんがどのようなものが好きかもわからないし、時間もないので出前にしようかと提案すると
「…‥‥。いいですよ。」
?またなにか言ったかな?
「え〜と、なにが食べれるかな?」
「一つお願いを聞いてくださるなら、ぴざというものを食べてみたいのですが。」
「分かった。ピザね。どのピザがいい?」
「・・・滝野瀬さんと同じもので。」
「分かった。」
そして、ピザの注文をしていく。
しばらくして、赤の服のデリバリーの人がきた。
「はい、マルゲリータピザ3枚で1998円ね。」
「え、僕2枚頼んだんですけど。」
「ああ、今キャンペーン中で2枚頼んだ人にはもう1枚ついてくるらしいですよ。」
「そうなんですか。はい、2000円。」
「え〜と、お釣りの2円とレシートです。」
「確かに。ありがとうございました。」
そうして、2人分にしては少し多いピザを受け取った僕は、龍燈さんの所に持っていった。
「ありがとうございます。・・・2人分にしては少し多いようですが。」
僕の持った箱を見た龍燈さんが言った。まぁ、通常の疑問だよな。
「キャンペーン中で2枚買った人にはもう一枚ついてくるらしいです。」
「そうなんですか。3枚食べ切れるでしょうか?」
「う〜ん。とりあえず1枚食べてから考えようか。」
「そうですね。」
そうして、龍燈さんはピザを出し、僕は飲み物を用意した。・・・ピザと紅茶は合わないだろうし。
「ありがとうございます。では、いただきます。」
「はい、いただきます。」
そうして、ピザを食べ始めた僕達だったが
「「・・・。」」
無言。なにか話したほうがいいのか。
「あ、あの一つ聞いてもいい?」
僕が尋ねると龍燈さんは少し驚き、「いいですよ」と答えた。
「え〜と、多分僕の親のせいでこんな事になったんだろうけど、龍燈さんは許嫁がいるって知ってどう思ったの?」
そう聞くと龍燈さんは考え込むこともなく
「私はっ。・・・・・・・・・・私は・・・・・・。」
と、それきり黙ってしまった。
そして、黙々と食べたおかげかピザ3枚は綺麗に食べ終えたのであった。
来てしまった。遂に。この時間が。僕は内心そう思いながら、龍燈さんに声をかけた。
「龍燈さん。僕はしばらく起きているし、女の子をソファで寝かせるのは申し訳ないから、僕のベットで寝てもらっていい?」
はぁ、女の子を、龍燈さんを僕の部屋に寝かせるのか。
「え、けれどそれでは滝野瀬さんがよく眠れないでしょう。私はソファでいいです。」
「僕は基本的にどこでも寝れるから。龍燈さんはベットで寝てくれないかな。」
僕がお願いすると龍燈さんは少し考え込み「じゃあ、い、一緒に」と呟いたのは気のせいだろう。
そんな事を考えていたら、窓の外に怪しい2人組が見えた。何故怪しいと思うのか。それは、全身黒尽くめ、目と口には黒いサングラスと黒いマスク。そして、手に持っているのは双眼鏡か?どう考えても怪しい。そして、夜で、暗い中なら見えないかもしれないけど、その二人がいるのは24時間営業の明るいコンビニの前だ。周りの人も完全に不審者だと思い遠巻いている。あ、誰か通報したのか遂に警察が来た。警官二人にその怪しい男女二人が逃げようとした。あ、逃げようとした先にトラックが停まってた。警官が迫って、おそらく職務質問という名の不審者だろうから連行するための情報集めが始まった。・・・それにしても、あの二人どこかで見たことがあるような気がするんだよな。
「どうかしたんですか?滝野瀬さん。」
僕がずっと黙って、窓の方を見ていたから、気になったらしい。
「いや、怪しい二人組が警察に連れて行かれただけだよ。」
そう答えて、しばらくした後、ピンポーンとチャイムが鳴った。
「?誰だろう。こんな時間に。」
そして、ドアを開けるとそこに立っていたのは、
「夜分遅くにすいません。警察です。お話いいでしょうか?」
警察とさっきの怪しい2人組だった。
こんにちは。梟 森です。今回はじめて恋愛物語というものを書いてみました。この物語は続けていくつもりですが更新が不定期になる恐れがあります。
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