第二十歩 朧気なる旅の始まり
シオン「また遅れたの」
米「すまねぇ・・・すまねぇ・・・」
シオン「話はある程度出来てるのに文章が思い付かんという体たらくじゃ。すまんが付き合ってやってくれんか・・・」
ついにこの日が来た。
恐らくあれがあってから一番楽しみにしていると思う。
自由に動ける世界に行ける。
それだけでも私は嬉しかった。
先生が許可をとってきてくれた。
私がお礼を言うと。
「まぁ、時間が決められていて誰かが付きっきりという条件で、だけどね。近くには必ず僕か渡辺さんがいるから安心していってくるといい。しっかり楽しんでおいで」
私は何度も頷くとヘッドギアを着けて横になった。
そして私は、魔装列車と言われている乗り物中にいた。
私は朧。本名、月島 満。私の旅はここから始まった。
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ログインして早速俺はあるものを作っていた。昨日はかなりひどい目にあったせいでなんかタガが外れた気がした。あの四人は流石にやり過ぎたと思ったらしく、この辺りで取れる素材とギルド自由通行証なるものを貰った。ヤッフー!
というわけで午前中は鉄の武器を作りまくった。直剣、曲剣、刺突剣から始まり格闘用のガントレットに大鎌、ククリナイフなどいろいろ作成した。
ウェポンサマナーの特徴としてツリーをセットしないとアーツやスキルは使えないが武器自体は使えるので汎用性は高いのだが、他と比べるとステータスの補正が少ないので器用貧乏になりやすい。ツリー枠の圧迫もあるしね。
あと、とある武器を作ることにした。名前はマクアフティル。マカナとも言われているアステカで使われていた剣である。
ピコウルフの牙を大量に用意し、鋭くなるように研磨していく。次に牙の根元に返しの形になるように研磨。数が多いから辛い・・・。
続いて昨日貰った素材の一つ、メラルド木材を取り出す。これは風の平原の南の端にあるフィールド、「メラルド大森林」で取れる素材である。ここはこれから向かうウォクエリスとファスティアの境界に位置しており、メラルド樹といわれる葉っぱがかなり薄い樹によって構成されている。メラルド樹の葉っぱが何枚も重なった状態で光を浴びると光合成によってエメラルドの様な淡い緑色の光を放つことからメラルド樹と言われている。何でも、メラルド大森林はこの特性のお陰で日は遮られても明るいのだとか。あと普通の木材より少し重いが堅いという特徴がある。こいつを厚めの長い長方形に二枚切り出しておく。
次に風の平原周辺のダンジョンに生息しているグリーンスライムの体液を火にかけて煮詰めていく。スライム種の体液は煮詰めると強力な接着剤になる、と説明にあった。
やがて「緑色接着剤」
が出来上がった。名前のとおり緑色をしているが、乾くと透明になるので見た目にも安心。
ここから一気に仕上げていく。切り出した板を火にかける。焦げて炭になる前に取り出して余分な水分を飛ばし、軽く固くするためなのだが・・・。
「・・・これは良い炭が出来たのぅ・・・ちくせう」
メラルド木炭:メラルド樹の木炭。火にくべると少しだけ淡く緑色に発光する。
何回か炙り続けて、やっと納得の行く物が2つ出来上がった。後は片手でも両手でも持てるサイズの持ち手を作成し、いよいよ組み立てる。
牙と持ち手が入るように木に溝を掘り、接着剤を使って挟んでいく。何回か振り回して強度の確認、諸々の調整を行って出来たものがこちら。
小狼牙剣:ピコウルフの牙と木材を使った武器。小さくともその牙は肉を噛みちぎるが如く切り裂く。
アーツ追加:プルファング《相手を切りつけたあと刃を引き、追加ダメージを与える》
あ、アーツ追加?なんだこりゃ、こんなん初めて見たぞ!?鉄系の武器では全然出なかったなこれ。取りあえず試し切り用の巻き藁に向かって使ってみる。
「プルファング!」
小狼牙剣で巻き藁を切りつけた、と思ったら牙が巻き藁に食い込んだ。そしてそのままそれをノコギリで引くように抜いた。ああ、追加ダメージってそういう・・・えぐいな、これ。ちなみに鉄の剣では発動出来なかった。つまり「アーツ追加によるアーツは、その武器を装備しないと発動できない」らしい。これ絶対他にもあるわ。楽しくなってきたのぅ、くくっ。
防具も元も少し強化を行い、あしらいに、振り袖の先をすぐに縛れるように紐を通した。
また、メラルド木材でカチューシャを作り白いリボンとメラルド樹の葉っぱをつける。
メラルドカチューシャ:メラルド樹で作成したカチューシャ。淡い緑は装備者に安らぎを与えるかもしれない。
効果:状態異常軽減《小》
おや、適当だったのだが効果がついた。折角なので今回はポニテではなくダウンスタイル、髪を下ろしてカチューシャを装備!バッチリ!よくってよ!
ついでにツリーも弄っていく。新しくとるのは刀ツリーの技能「二刀流」である。こいつは他の片手でも持てる武器にも存在している技能で片手武器を両手に持てるようになる。たとえ異なる武器種とでもである、ここ重要。
欠点はまぁ、とにかく扱いづらい。普段人は二刀流なんてやらない。まぁ俺も小さい頃傘二刀流!ってやってはいたが・・・。
慣れるのに時間が掛かるので少しずつ練習だな。
後はソウのところに行ってポーションの補給かねぇ・・・っとメールか、相手はショーか。久々だな、内容はっと。
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俺は今レバスクに向かう予定だぜ。あっちで鉱石集めながらでレベリングですぞ!シオンちゃんも来ねぇか?
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即座に返信。
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すまんがこっちはウォクエリス行きじゃ。だが鉱石には興味ある良ければ少し売ってくれんか?武器や防具をつくっているのでなぁ。
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これでよしっと、改めてソウの薬物店へと向かった。
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『留守、ごめん』
ソウの露店にはそんな看板が立っていた。まぁ奴さん一応トッププレイヤーだしねぇ。やることが一杯あるよね。
そして、ショーから返信がやってくる。
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そっかーシオンちゃん南にいくのか。どうせだったらちょっと会わね?場所は任せるぜ。武器ちょっと興味あるし。
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こっちとしても丁度いい。旅団についても聞いてみたいからな。
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うむ、良いぞ!じゃあ場所は――――――――
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