第十九歩 二者の愛ある服飾
シゴト・・・シゴト・・・オボン・・・ソンナニナイ・・・。
遅れました。スマホ落としていろいろオシャカになったりしましたが私は元気です。
初の感想ありがとうございます!
俺はルカスとティンに連れられてファスティアにある二者の愛ある服飾のホームに向かっている。
この旅団はプレイヤーが立ち上げた旅団の中で最も所属人数が多いといわれているが、正確には2つの旅団が合併したものらしい。「形ある鍛冶屋」と「華麗なる縫い針」と言われる2つの装備作成の旅団だ。もともと大きめだった2つは合わさることで更に大規模となった。既に近場の都市に拠点が出来ているだろう。大規模になった組織は統率がとりにくい。そこで合併前の2つの旅団の団長二人のトップと選ばれた八人で仕切っている・・・とはいっても基本的に自由にやって良いとルカスは言っていた。
「さて、もうちょいで着くぜ」
「そうか、わっちも装備は作るから参考に出来ればいいのう」
「・・・それだけで済めば良いんだけどな」
「どうゆうことじゃ?」
「言っただろ、化学反応が見たいって」
「俺らの団長達はな、一言で言えば・・・」
彼らは少し間をおいて言った。
「「変態(変人)だからなぁ」」
拝啓、フレンドの皆様
わっち、生きて帰れると信じます。多分、恐らく、きっと・・・。
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「ちっ、あの二人にボコボコにされちまえば良かったのによ」
「お前の場合それで終わらす気ねぇだろw」
「旅団区域に潜られるとめんどいな。PKK旅団に目をつけられるとなぁ・・・相手をいたぶれなくなっちまう。そいつは頂けねぇな」
「今日はアイツはもういい、一人ばっかに構っていても面白くねぇ」
「んだと!俺はあのアマにコケにされたんだぞ!」
「黙ってろ。今はタイミングが悪い、他のやつに行くぞ」
「ちっ、覚えてろよ・・・!」
人混みから少し外れた路地裏で、三人の影がそのプレイヤーを見ていた。その影は憎みながらも路地裏の闇に消えていった。
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ファスティア北区、ここはNPCとプレイヤーのギルドが密集している――――とはいってもプレイヤーが作ったギルドは全て入り口が同じ場所なのだが。
二人に連れられて旅団陣地への転送陣の中に入る。光に包まれて目の前が白く染められる。そして先程とは違う景色が広がっていた。それはまるで、
「なんぞこのアミューズメントパーク!?」
目の前に広がるはかなり広い敷地にところ狭しと詰め込まれた武器屋、防具屋、装飾店。さらにそれらを作るための工房の数々であった。中には独特な形をした店があり、それが更にアミューズメントパーク感を引き立てている。これがトップクラスの旅団か・・・!
「どうしてこうなったし」
「いやぁまぁその、皆で好き勝手やったらいつの間にか・・・ハハハ!」
「先立ってやってたのは団長二人だけどな!ハハハ!
団長さんよぉ・・・まぁ好きにやっていいってのはメンバーからしたらかなり有りがたいのかもしれない。社会人、学生が主なプレイヤーだから、ゲームも良いが現実のこともあるしガチガチに縛られるのはよろしくないしな。
・・・んで、さっきから視線が刺さる刺さる。おもむろに女性用装備取り出してる奴ら、お前らのことだよ!やめろォ!!そんな「着せ替え人形めっけ♪」みたいな表情するなぁ!!
「速く行かぬか?このままだと視線に殺される」
俺にとってここは既に死線ですけど。
「でぇじょぶだ。シオンちゃんの場合何処行ったって一緒だぁ」
「・・・団長達もぜってぇ悪ノリするどころか率先してやるだろうからな」
・・・どっかに紙とペンないかな。遺書書くべきだったかも。
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なんやかんやで団長のもとにやって来た、やって来たのだが・・・
「「だ、だんちょーう!?」」
男女一組とも床にぶっ倒れていた。
ステータスを確認してみると二人とも瀕死である。どうしてそうなった。とにかく回復のためにソウから貰っていたポーションを・・・仰向けにするのがめんどくさいのでそのまま中身をぶっかけた。やがて二人は起き上がる。
「ぬぐぅ・・・」
「イタタ・・・」
「ブレイド団長、なにやってたんですか」
「ディザさんもどうしたんですか。二人して倒れて」
とりあえず大丈夫そうだな。灰色のツナギとねじり鉢巻、厚手のグローブを着けた職人風の男性がブレイド。中国風の民族衣装で金の長髪の女性がディザのようだ。とりあえず何があったか聞かないと・・・。
「ああ!ごめんよディザ!私が悪かった!」
「いいえ!私も悪かったデス!!」
二人はお互いの顔を見るなりすぐに謝った。なにがなんだか分からないがまぁ良しとする。
「ルカスとティンから送られてきた画像の子に似合うのはゴスロリメイド服だって主張したが、ディザの言ったくっ殺系女騎士も素晴らしい!もう両方いくぞぅ!」
「yes!でも浴衣も捨てがたいデス・・・上手いこと交渉して・・・ブツブツ・・・良し!行けマス!」
「なにがじゃぁあああああああ!!」
聞き捨てなら無いセリフが出て来てつい声をあげてしまった。そして俺の後ろにいる吹けてない口笛を吹いている二人をジト目で見る。何を伝えたんだと聞くと、
「「いや、スクショ送っただけ」」
いや、許可とれよ・・・少しずつ頭痛が・・・。
「おっとすまねぇな、俺はブレイド。二者の愛ある服飾の団長の一人だ。主に武器や鎧関係で仕事させてもらってる。よろしく頼むぞ!」
「ワタシはディザ!同じくダンチョーが一人!アクセサリー・布製品は任せてクダサーイ!」
「わっちはシオンじゃ。よろしk「Wow!のじゃ喋り!のじゃ喋りデスよブレイド!シオンはのじゃロリとロリババアどっちデスカ!!」落ち着けぇい!強いて言えば見た目ロリなだけじゃ!でも年齢的にババアではないぞ!」
「ムム、これは新しいジャンルデス・・・」
「・・・ディザは日本のサブカルチャーが大好きなんだ。そのために・・・ええとペンテシレイア州?から海を渡ってきたんだよ」
「ペンシルベニア、デス!アマゾネス違いマス!」
ええと、確かアメリカのニューヨークのすぐ下の州だったか?つまりディザさんは日本文化に憧れてアメリカから来日したらしい。に、してはかなりディープな浸かり具合である。いやまあそんなことはともかく、なぜ瀕死で二人とも倒れていたのかと聞いてみると。
「「シオンに着てもらう服で揉めてPvPした(デース)」」
「う、うむ・・・えっ?」
「あーやっぱりな」
「デスヨネー」
アー、サッキムシロソッセンスルッテイッテタネー・・・
おれは にげだした !
しかし 4にんが おれを ちゅうしんに インペリアルクロス の じんけいに !
「ふふふ、何せディザに文化を教えたのは俺だからな。どうだ家の嫁さんは?」
「逃がしまセーン・・・喧嘩してまで出した結論・・・しっかり実行デース!」
「すまんなシオンちゃん。だが俺も見たい」
「同感」
「い、嫌じゃあああぁああ!!てか!ブレイドとディザは夫婦かい!!あ、待て!話せば分かる!むしろ放して?!」
その後団長室から羞恥心剥き出しの悲鳴が響いた。チャイナ、各種メイド服、姫騎士、浴衣その他諸々の着せ替えがシオンを襲った。そしてシオンはもはや女性の服を着ることにほとんど抵抗が無くなり、おまけにもともと好きだった武器好きがひどい方向に悪化した。これについて加害者四人は「ムシャクシャしてやった、今は反省している」とのこと。
そしてちゃっかりとギルドスペースへの自由通行証も貰い、自分の作る装備についての相談相手を作ったシオンであった。
明日はウォクエリスへと向かうことにする。その道中と都市に期待を寄せつつ、疲弊しきった精神を回復させるためログアウトしたのであった。




