第十八歩 三つ巴、譲れぬ想い?
・・・(忙しすぎて約三ヶ月も経っていることに少し絶望した)
遅くなって本当に申し訳有りませんでしたぁ!(土下座)
「姉の方がいいぞ!」
「いや、妹の方が断然!」
「ルン・・・乱入って有りかの?」
「ん?乱入?出来るけど対戦中の両者の承認がいるな・・・ってシオン、まさか」
「不毛すぎるから説得してくるぞ」
「あ、おい!・・・はぁ、気を付けなよ」
俺は観客、いや恐らく旅団であろう人達を掻き分けてバトルフィールドの前に出た。
「何だ?あの娘は?」
「カワイイ」
「なんでフィールド前に?」
ぐっ・・・注目を集めているが構わず前に出る。
「ん?どうしたんだい、お嬢さん」
「来ない方がいいぞ。巻き込みたくはない」
決闘中の二人がこちらに気づいて離れるように言ってくるが・・・さて、上手いこと乱入して止めるには・・・さらに火種をぶちこむか。
「お主らは間違っておる」
「へ?」
「お?」
あー・・・あんまり言いたく無いが・・・二人に指差し、宣言する。
「・・・わっちは両方好きじゃ!!どっちが良いなど決めぬ!相手に自分の性癖押し付けて喧嘩するでない!そんなやつらはぶっ殺しちゃるぅ!」
「上等だぁ!君にも姉の素晴らしさ、骨の髄まで浸透するほど教えてやんよ!」
「まてぇい!君は小さいが年上の香りがする!君には妹がぴったりだ!」
〈 シオン の決闘への乱入が認められました〉
さて、この二人を止められるかな?周りのギャラリーもヒートアップし始めてきた。始まる前にきっちり戦闘用の装備に変更した。いよいよはじまりである。
「面白くなってきたぞ!」
「飲み物はこちらでーす」
「ルカス!負けたらお前のあだ名カスな!」
「ティン!!負けたらお前のあだn「バッシュ」グホォッ!」
「・・・お騒がせしました」
「ロリっ娘頑張れー!」
〈決闘 ルール:スタンダード 観戦モード 1vs1vs1〉
〈開始まで5〉
〈4〉
〈3〉
〈2〉
〈1〉
〈start!〉
合図と共に槍持ちのルカスが此方に向かってくる。まぁ挑発したから予想できていたので薙刀を引きずり出して突きを払った。
「ッ!・・・武器を持ってなかったから格闘家かと思ったらウェポンサマナーか」
「隙をあえて見せたのだがあっちは引っ掛かんなかったのぅ。そのとうりウェポンサマナーじゃよ。まだまだネタはいっぱいあるからの、焦るでない」
「面白い!」
ルカスはそう言いながら細かく槍で突き攻撃を放ってくる。槍の刃より内側に絶対入れまいとするような動きだ。
薙刀だってそうだ。刃の内側に入られると満足に振れなくなり友好打が出せなくなる。今は耐えるべきか。
「俺を忘れてもらっちゃ困る!」
忘れてはいなかったが打ち合いの中、盾と片手剣の男、ティンが
仕掛けてきた。
「『クラッシュソード』!」
「うぉ!」
「のぅっ!」
俺らは剣の直撃は避けれたものの剣の叩きつけで発生した衝撃波を喰らい吹き飛ばされる。受け身を取りつつ弓に持ち掛けてティンに向かって放つ。
「なっ!?ガッ!!」
多少体を捻られたが腕に直撃、ダメージはそれなりか。互いに距離を取り合う。今回は三つ巴なので安易に片方に手を出すと残った方に仕掛けられる。うーむ面倒だ。どっちかをさっさと伸してしまうか二人が争えば良いのだが、弓矢を出したせいでさらに警戒されているだろう。膠着状態も正直焦れてくる。こうなれば、俺は十五枚ほどのあらかじめ呪術を仕込んでおいた呪符を天に向かって投げ、ばらまく。
「・・・呪符か?」
「呪符ならば不用意に近づけないな」
よしよし、警戒をさらに強めたな。さらに呪符を持つ、ただし「何にも仕込んでいない呪符」を。ものっそい悪い笑顔をしながら。個人的な考えだが、三つ巴は攻撃のタイミングがかなり限られると思う。片方に仕掛けてももう片方に漁夫の利される可能性が高い。ならばいっそのこと一体一対一よりも一対二した方が負担は大きくなるものの迷いが無くなりやすいと思う。ここは二人に結託してもらいたい。
「おい、ティンこれ以上は不味い」
「・・・だな。ここは一時休戦としよう」
「「覚悟ぉ!!」」
来たか!先ずはルカスの足元に向かって爆炎付与の呪符を着けた矢を放つ。その爆炎に怯んでいるうちに大戦斧に持ち替えてティンに向かってダッシュする。
「ルカス!?」
「主の相手はこっちじゃ、歯を食いしばれぃ!」
「でかっ!盾で「『ダウンスイング』!」ふげぇッ!!」
でかい斧にビックリしたのか反応が遅れ、ダウンスイングが直撃し、ティンは決闘フィールドの端まで飛んでいった。ガードされても吹き飛ばしの効果は弱くはなるが発動する。とりあえず吹き飛ばしておきたかった。片手剣は長距離の突進技は無いはずなので少しは時間が稼げるだろう。さぁてルカスには申し訳ないがリタイヤしてもらうことにする。ついでに巻き藁になっていただこう。
「いくぞぉ!『アサルトドライブ』!姉こそ我が正義!」
「・・・頼むぞ、始雷」
突進技で一気に接近してくる。多少頭に血が昇っているようだ。斧をしまい、始雷を取り出す。相手の突きを避けーーーきれんわ、これ。思いの外突進が速く、しゃがんで避けようとしたが右肩に直撃ではないがダメージが入る。危うく刀を落としそうになるが落とさずにすんだ。そして、
「『居合』」
鞘から抜き放った青白い刀身、始雷、雷を纏ったそれがルカスを逆袈裟斬りにした。そのまま切り返しで袈裟斬り。畳み掛けるように『十字閃』。おまけに十字閃が運よくクリティカルヒットし、ルカスのHPが尽きる。
「姉は・・・良いものだ・・・」
最後の言葉がそれでいいのか・・・ルカスよ。ようやく一人倒すことが出来た。あと一人だ。新しい刀もいい感じで、まだ電気が力を発揮できていないが鍛えていけば強くなるだろう。
「うおぁああ!」
「戻ってきたか・・・あ」
ティンは全速力で戻ってきた、が、俺も意識していなかったが丁度そこに移動速度低下の呪符があることに気づかず発動範囲内に入っていた。
「あ、しまったぁああああああ!!」
「・・・なんか、すまぬ」
だが容赦しない。大戦斧に持ち替えて『剛力』を使用。呪符による間接的な移動速度低下の効果時間は十秒、ここで決着をつけてしまおう。大戦斧を引き摺るように持ち、駆け寄る。
『剛力』は少しの間自身のダメージの向上アーツ・・・とあるが厳密には物理によるダメージの上昇である。身体中の筋力を一時的に増強すると言っても良いかも知れない。なので魔法のダメージは増えないので注意である。
思いっきり振りかぶりダッシュの速さと大戦斧の重さを利用して勢いよく縦切りを繰り出した。それはティンごと、地面を叩き割った。
それで決着がついた。決闘終了のアナウンスが流れ観客が大いに沸いた。あるものは結果に、あるものは展開に、あるものは賭けをしていたのか悲鳴があがっていた。決闘フィールドから降りるとルンが笑いながらこっちに来て思いっきり背中を叩いてきた、何度も。痛い!痛い!おまけに酒臭い!
「アッハッハッハッ!!やるじゃねえかシオン!やっぱ、良い戦いは酒の肴になるなぁ!セコンドとして鼻が高いぜ」
「誰が誰のセコンドじゃ!しかもセコンドらしいことしとらんじゃろ!おまけにあんなに有った酒もう無いんかい!あと痛い痛い止めてください同じところを何度も叩かないでください」
この酔っぱらいめが、そう考えているとルカスとティンが此方にやって来た。なんか良い笑顔しておられる。
「惨敗だったなぁ」
「ああ、悔しいが俺らの負けだ」
「運営は呪符について修正するべき」
「ああ、大量展開はツラい修正はよ」
「限られたルールの中で勝利条件を満たしただけじゃよ・・・自分でも修正するべきだと思うが」
呪符は魔力がある限り何枚でも貼れるからなぁ、正直枚数制限いれてくれた方が管理しやすくて、今回みたいに不意の発動されても困ることが出てくる可能性もある。個人的には十枚前後が妥当だろう。魔力も決闘終了時点ですっからかんだったし。もう少し効率良くならんかなぁ。
少し考え込んでいたことに気付き我にかえると二人が何か話し込んでいた。聞き耳をたてると「彼女なら良いのでは?」とか「確かにに」など少々厄介ごとの匂いがぷんぷんする。逃げようとするが踵を返そうとした瞬間に声をかけられる、むむむ。
「なぁシオンちゃん、俺たちの旅団に来てみないか?」
ありゃ、旅団のお誘い?だけどまだ所属せずに自由にフラフラしていたいんだけどな、断る流れにもってくか。
「なんじゃ藪から棒に。あとちゃん付けは勘弁しとくれ・・・」
「いや、シオンちゃん中々の性癖してるから俺らの旅団に混ぜたらどんな化学反応が起きるか見てみたい」
「同感」
「まてまてまてまてぇ!中々の性癖ッてなんじゃ!!」
「いやかなり重度のシスコンだと思って」
しまった!開幕のホラ吹きがここで響くか!速く訂正しなければド変態の烙印を押される!
「いやいやいや、お主らの喧嘩に割って入るための嘘じゃよ」
「「・・・シオンちゃん、素直になろ?」」
「しばくぞ」
「し、シオン、俺もう行くわ。また今度会おうぜ!」
「「まって!ラミアの方!?置いてかn」」
その後滅茶苦茶しばいた。ルンは呑みすぎで少しふらついていたので返した。またなんやかんやで会いそう。
話を聞くと、この二人は同じ旅団なのだが、その旅団は旅団長、まぁギルドマスターみたいなものが二人いるらしい。二人は一人ずつ旅団長の下にいる模様。
とりあえず俺がノーマルだってことは(無理矢理)解ってもらえたようだが、それとは別で遊びというか、せめて見学だけでもと言われたので行ってみることにした。旅団の名前は、
二者の愛ある服飾
それはプレイヤーが立ち上げた数ある大きい旅団の1つ。装備、アクセサリーなどの服飾の作成を大々的に行っている旅団である。




