第3話
「痛っ!!」
俺は朝走った腕の激痛で目が覚めた。
傷跡の方の腕から血が出ていた。
その横にはあの時のナイフが落ちていた。
寝ている時にナイフを落としてしまったのだろう。
腕を押さえ起き上った。
血は沢山出ていたかそんなに傷は深くなく、ほっとけば治る怪我だろう。
押さえているうちに指の間から血が滲み出てきた。
鬱陶しくなった俺は持っていた何枚かのハンカチのうち1枚で傷口をきつく縛った。
ベッドのシーツは血でベトベトに濡れていた。
ベトベトになったシーツの血を俺は水で洗い流した。
そんな時、あの時の川に血を洗い流した時を思い出した。
白い場所を流れて行く血を見ていると、川の透明な水に流した真っ赤な血に見えてくる。
町はどうなっただろうとか、川は今どうなのか、とかは全然思はない。
あの時の血の海は本当に綺麗だった、煌めいていた。や、あの川に流れて行った血は透き通っていてキラキラしていた。など、そんな事しか感じなかった。
しばらくして我に返り、勢いよく冷たい水を自分の顔数回にかけた。
(またやってしまった…。)
そう考えながらタオルで顔を拭いた。
そのままベッドに倒れボ〜と空を見ていた。
目が覚めたのは午後3時半。
どうやらそのまま寝てたらしい。
そのまま、またボ〜としているとフッと時計を見た。
(そうだ!!旺井とかいうやつとなんか約束したっけ!?)
急いでベッドから飛び起きた。
時計を見ると40分
(やべぇっ!!)
急いで寝起きの顔に冷たい水をぶっかけタオルで拭く。
急いでいる荷物を持ち、出た。
そして下に猛ダッシュで降りた。
旺井はもう来ていた。
「遅いぞ〜」
旺井に言われて近くにあった時計を見る。
50分明らかに10分早い。
「10分前って遅くありませんよ…。」
俺は旺井に言った。
「それを猛ダッシュで走って来たお前が言うか!!」
旺井は大笑いしている。
「…。」
「それより行こうぜ。」
旺井がやっと行動に出た。
「はい…。」
正直呆れかえった。
歩き出した俺と旺井。
「あの…。どこへ行くんですか…?」
と訊いたが「内緒だ!」と笑いながら言って、教えてはくれなかった。
歩いていると、
「あの子見かけない子ね。」
「そうね…。あの子かしら…。?」
と言うこそこそ話の噂があっちこっちから、こっちを向いて聞こえてくる。
イライラした。
ナイフを出しそうなぐらい…。
だがそんな俺を見て旺井は、
「気にすんな!!俺の時もそうだったから、ちょっと悪い時に来たと思え!!」
と笑って言う。
そのまま歩いて行き、人気の無い処に出た。
そこで旺井が口を開いた。
「この町は、広いけどもその広さよりも何倍も人が多いんだ…。他の町や村から移り住んでくる奴が多いからな…。まぁ噂なんか気にすることはないさ…!」
「旺井さんも移り込んできたんですか?」
俺は訊く。
「いや…。俺はただの旅人さ〜…。よくこの町に来るから皆知ってるだけさ。」
「そうなんですか。」
「てか。なんで敬語なんだ?」
旺井は不思議そうに歩きながら訊いてきた。
「初めて会った人なんで敬語がいいかと…。」
「昨日会ったぞ!!じゃぁ今から敬語なしな!!」
「えっ!!でも俺凄く命令口調ですから…。」
「そんなの気にしないさ。」
「じゃぁ辞めさしてもらいます。」
「あぁ」
どれくらい歩いただろう。
少なくとも1時間は歩いている。
あたりは暗くなり、星と月が輝いている。
と考えていると、旺井は、
「ここを上るぞ。」
と言った。
目の前には、廃墟した塔のようなもの。
階段が、かなり高い位置まで続いている。
「行くぞ。」
旺井は、上り始めた。
まるで、心臓破りの階段の段の多さ・高さ。
四分の一も上がっていないのに、息が苦しくなる。
時間は、どれぐらいかかったかは分からない。
休むことなく、上り続け、一番上についた。
「見ろ。」
旺井に言われいて見た。
夜景がキラキラと輝き。空もそれが映っているかのように、星も輝いている。」
「綺麗だろ。」
旺井が言う。
俺の首が頷く。
「ここは、この町で一番高い建物なんだ。俺はここが好きで、必ず旅の途中にこの町により、ここに来るんだ。」
旺井は、そこからの風景を見ながら言う。
しばらく二人はその場所で見ていた。




