十一章
秋川が襲ってきてから、また数日が経った。
変わったことといえば、直巳に対するAとBの態度ぐらいだ。
前よりも近いというか、馴れ馴れしい。
アイシャに聞いてみると、
「色々あったから、仲良くなったつもりなんでしょ。あの子達は」
と、いうことらしい。
普通であれば、AもBも不気味に思って距離を置きそうなものだが、直巳に関しては幼いころから魔力に触れ、天使教会で色々な人間を見てきている経験もあり、「そういうこともあるし、そういう人もいる」ということで、わりと受け入れていた。
伊武は伊武で、椿家に住み込んで直巳の世話が出来るのが嬉しいらしく、毎日、生き生きと家事をこなしている。
伊武は毎日、直巳のためにお弁当も作ってくれていた。最初はこっそり渡していたのだが、直巳の方が面倒くさくなり、教室で受け取っている。
当然、クラスメイトの認識は、「椿と伊武は付き合っている」ということになる。
別に、他に好きな子がいるわけでもないし、直巳はそれで構わなかった。
また、不思議なことに、派手な連中が直巳を見ると道を空け、頭を下げるようになった。
直巳はわけがわからずにビクビクしていると、伊武が、「あれ、迷惑?」と聞いてきたので、「迷惑というか、ちょっと怖い」と答えると、次の日から、それはなくなった。
学校も生活も安定してきたところで、アイシャが天使狩り再会を言い出した。
「そろそろ、再会しましょうか。天使教会や魔術師が怪しんでいる様子もないみたいだし」
そういうと、アイシャは「嘆きの涙」を取り出した。
「手に入ったんだ。天木さん?」
「そうよ。少し前に入手していたんだけど、色々あったからね。もう、落ち着いたでしょう。まれー、喚んでもいいかしら?」
「……構わない」
伊武の返事を聞くと、アイシャは躊躇なく、「嘆きの涙」を開封した。前回と同じく、液体がなくなるまで光りを放ち続けた。
「天使降臨の予測がついたら、すぐに連絡するわ。みんな、すぐ動けるようにしておいてね。特にまれーは。A、サポートしてあげてね」
Aが、かしこまりましたと頷く。伊武は無視していた。
アイシャが空になった瓶をゴミ箱に放り投げた。
「おいおい、そんな風に捨てていいのか?」
直巳が慌ててゴミ箱から拾い直す。
「なんで? ただのガラス瓶だから大丈夫よ。小分けにしたいだけ」
「ガラス瓶に移して売ってるってことかよ……って、小分け? 小分けにされてるのか?」
「そうよ。そのガラス瓶、普通に売ってるやつだもの」
「ってことは、どこかに大元の、「嘆きの涙」があるってこと? 大量に?」
「あるというか、あった、というか。まあ、そういうことね」
「……例えばだけどさ。大元にある、大量の、「嘆きの涙」の蓋が開いちゃったら、どうなるんだ?」
小瓶に入っている量だけで確実に天使を呼び寄せる魔術具だ。それの大元、樽なのかバケツなのかは知らないが、大量の、「嘆きの涙」を一斉に使用したらどうなるのか。
「直巳の心配したとおりよ。大変なことになる――というか、なったの」
「アイシャの言い方だと、実際にあったんだな?」
「あったわ。それも、嘆きの涙が作られた時にね。せっかくだから、話しましょうか。まれーは知ってたりする?」
「知らない……興味は……ある」
伊武は言葉のとおり、本当に興味があるらしく、身を乗り出した。
アイシャは昔話をするように語り始めた。
「昔々、天使の力を利用しようとした魔術師がいたのよ。彼らは天使をエネルギー、つまり魔力の塊として利用できないかと考えたの。これは正しかったわ。私が直巳にお願いしているのは、つまりそういうことだもの」
天使遺骸には魔力が込められていることや、天使降臨時の魔力暴走からもわかるように、天使は魔力の塊だ。それを自由に使うことは、魔術師にとって悲願だろう。
「では、どうやって天使の持つ魔力を使うか。その実験として、まずは人為的に天使降臨を発生させることはできないかと考えたのね。で、それは成功した」
アイシャはあっさりというが、これは大変なことだ。
もし、天使降臨を自在に操ることができれば、世間に大変な混乱を起こすことができる。
息をのむ直巳を尻目に、アイシャは続けた。
「方法は、私もよくわからないわ。天使付きが協力したという話も聞いたけど、細かいところまではわからない。とにかく、魔術師達は「嘆きの聖杯」を作り上げた」
「聖杯? 涙じゃないのか?」
「元々は大きな器だったらしいわ。その器にね、なみなみと、この液体が入っていたの。その一部を横流しした魔術師がいたのね。それを分けた数滴ずつのものが、「嘆きの涙」よ」
直巳が手元の瓶を見る。涙にしては多いぐらいだが、少量の液体を涙と表現したのか。
「で、これからが大事なところ。魔術師達は、「嘆きの聖杯」の蓋を開けたの。それが何を引き越したか――わかるでしょ?」
「嘆きの涙」は、小瓶の蓋を開けるだけで天使を喚びだした。それが聖杯に、なみなみと注がれていたら、どうなるか――答えたのは伊武だった。
「……天国が落ちてきた」
伊武の答えを聞くと、アイシャは、「面白い言い方をするわね」と笑った。
「まれーの言うとおり。見たこともない量の天使が降臨してきたわ。降臨の衝撃だけで、あたり一帯は消し飛んだ。「嘆きの聖杯」も中身ごと消えて、魔術師達も一人残らず――どうなったのかしらね。降臨の衝撃だけで、全員死んだと言うには十分だと思うけどね」
そこで、アイシャは話を止めると、伊武の方を向いた。
「そして天使降臨を操る術は失われ、世界中の魔術師達が、残った「嘆きの涙」を奪い合うことになった――はずなのよね、まれーちゃん」
「どうして……私に聞く……の?」
突然、アイシャに話を振られた伊武は、不機嫌に返事をした。
「まれーちゃん、似たようなもの持ってない?」
「は? どうして伊武がそんなもの持ってるんだよ」
直巳が思わず口を挟むと、アイシャに「バカねー」と呆れられる。
「まれーちゃん、前から天使狩りしてたでしょう? あれだけ手慣れてるんだから、この前が初めてなんて言わせないわよ」
伊武は直巳の方をちらちら見てから、諦めたように口を開いた。
「そう……だよ……前から……一人で狩ってた……それがどうしたの?」
「どうやって、天使を喚んだの? いくら天使降臨の回数が増えているとはいえ、何度も偶然に出会うなんてことはないわよね? なら、喚んだと考えるのが自然よね」
天使狩りは、天使と戦うことも難しいが、何よりも天使と出会うことが難しい。いつ、どこに現れるかわからず、長くても数分で立ち去ってしまう天使を狩るのだから。
ならば、どうやって天使降臨に立ち会うか。事前に予測するか、自分で喚ぶかだ。
「どう? 私も話したのだから、まれーのやり方も教えて欲しいんだけど」
「……私は……何の道具も使ってないし……喚ぶこともできない……」
「なら、天使降臨が予測できるってこと?」
詰め寄るアイシャに向かって、伊武が苦々しい顔で答えた。
「反天使同盟があったころは……情報を……買ってた……反天使同盟のネットワークがあるから……」
伊武は答えた後、あることに気がつくと、直巳を見て必死に言った。
「私のいた同盟がなくなってからは、情報は入手してなかった……だから……椿君を襲った天使降臨はわからなかった……あれを助けられたのは……たまたま……本当に……信じて?」
「大丈夫だよ。伊武がわざと見逃したなんて思ってない。ちゃんと、助けてもらったしね」
直巳がそう答えると、伊武は心底ほっとした顔で、「ありがとう」と言った。
「いや、たまたまってのも変でしょう。どうして、そんな都合良く直巳の近くにいたのよ」
アイシャが突っ込むと、伊武はむっとした表情で言い返す。
「その日だけ、都合良くいたわけじゃない……大体いつも……いたから……」
「――え」
直巳が思わず引く。
伊武は必死に言葉を続けた。
「つ、椿君は神秘呼吸を持っているから! それを狙った変な奴が……襲ってくるかもしれない……じゃない? だから……その……守らないと……いけない……から……」
全身から嫌な汗を吹き出している伊武を見て、アイシャは深いため息をついた。
「ま……それをボディーガードと呼ぶか、別の呼び方をするかは直巳次第なんだけど」
別の呼び方。どう考えても「ストーカー」だ。
直巳は少し考えてから答えた。
「実際……助かったわけだし……ただ、今度からそういうのは教えて欲しいかな……ちなみに伊武は……何が問題か……わかってる?」
「わ、わかってる……気持ち悪い……よね……でも……私生活は覗いてない! 守ってただけなの! 本当に!」
「わ、わかった。信じる」
顔を近づけて熱弁する伊武に押し切られた。
色々と思う所はあるが、結果を見れば良いことだったので細かくは言うまい。
別に見られて困るようなこともしていないし。
「ま、よかったじゃない。今は同居して、いつでも守れるんだから。秋川から直巳を守ったのは、うちの子達ですけどー」
「……不覚」
アイシャの挑発的な言葉に、伊武はがっくりとうなだれる。
直巳を守れなかった上に、手柄をアイシャに取られた。まさに痛恨である。
「ま、これからはAとBも頼るのね。ボディーガードは多い方がいいでしょ?」
「で、でも……」
「直巳のためよ。何が一番、直巳のためになるのか。考えないとね」
「……わかった」
伊武は渋々、アイシャの提案を受け入れた。
「お手数かけます……」
守られる路線の決定した唯一の男性、戦闘力皆無の直巳が深々と頭を下げる。
アイシャは直巳の頭をよしよしと撫でた。
「素直でいいわね。そこで意地を張られても困るから、あなたはそれでいいの。直巳の仕事は神秘呼吸を使うことなんだから。最初から戦闘要員じゃないわ」
「そう……だよ? ちょっとした魔術師ぐらいじゃ、役に立たないんだから……守られる自覚を持ってもらった方が……役に立つ」
続いてフォローしてくれる伊武の声が優しい。
「B、よく見ておくのです。あれが駄目男の生まれる瞬間ですよ」
「なお……だめおとこ?」
AとBが離れた場所でヒソヒソと小声で話していた。直巳にはしっかり聞こえている。
「俺、頑張ろう……駄目男にならないようにしよう……」
直巳の弱々しい決意を、アイシャが聞いていた。
「あら。直巳は駄目男なんかじゃないわよ」
「え? 本当に?」
思わず目を輝かせる直巳に、アイシャはにっこりと笑って続けた。
「女を良い気分で働かせることができるのは駄目男じゃないわ。やるわね、色男」
駄目男と色男、どっちがましなのか。直巳の悩みは増えた。
天使降臨は、翌日の深夜に起こった。
時間は深夜の三時ごろ、場所は人里離れた山奥だった。
場所、時間ともに人目に付く恐れが少ないので、好条件と言える。
直巳は今回も一緒に行くものだと思っていたが、伊武は一人で行くと言い出した。そっちの方が周りを気にしないでいいので気楽だという。だが、さすがに危ないのでAがバックアップでついて行くことになった。
Aと伊武は場所や移動経路の確認、準備を的確に進める。どう考えても仲が良いとは思えない二人なのだが、妙に息が合っている。お互い、仕事と割り切っているのだろう。
今回の移動はバイクらしく、伊武はAの用意したライダースーツを着込んだ。
伊武は背が高いので女性用だと小さく、男性用だと胸が小さいので特注だという。サイズ以外にも、各関節が動きやすいようにしてあり、急所部分のプロテクターも強化されている。
伊武はこのライダースーツ、というよりも戦闘服を気に入ったようで、直巳に見せにきた。
その真っ黒で光沢のある服は、伊武の身体のラインをピッタリと浮き上がらせている。
直巳は、「俺、女性の胸とか必要以上に気にしないし。なんでもかんでもエロい目で見るような男じゃないし」とばかりに無理矢理の笑顔で、「似合うよ」と言うと、伊武は喜んだ。
後から来たつばめが、伊武の格好を見て叫ぶ。
「希衣ちゃん! エッチすぎるわ!」
姉の言葉が全てだった。
伊武はAの用意したバイク(焼くために買っていた)を使い、現場へと向かった。
二人とも運転できるそうだが、今回は伊武が運転し、Aが後ろに乗る。
予測地点に着いてから少しして天使が降臨する。
天使降臨の衝撃が大きく、さすがの伊武も距離を取った。
衝撃が止み、天使の実体化が始まる。
今回の天使は、顔が狼のようだった。
天使がその身から光りを発しようとしたところで、伊武が背後から、「妖剣フリアエ」を取り出し、一気に間合いを詰めた。
天使の体から、天使の奇跡が放出されるが、前回と同じく、伊武の目の前で光りはかき消えた。遠くで見ているAが感嘆の声をあげる。
そして、伊武は躊躇なくフリアエを振り下ろし、天使の両腕を切り飛ばした。
天使は消滅し、後には、「天使遺骸」の両腕だけが残った。
鮮やかな手並み。伊武は緊張を解くために深呼吸する。息は上がっていない。
伊武がAの元に戻ってこようとした、その時だった。
Aは予想していなかった光景を目にした。
天使降臨だった。しかも、三体。
いつもの天使降臨とは違い、衝撃も小さく、実体化もあっという間だった。
「希衣! 次が来ます! 後ろです!」
伊武に向かって大声で伝えると、伊武はすぐさま振り返った。
そこには、武器を構えた天使達が襲ってくる姿があった。
伊武は反射的に背後から「フリアエ」を取り出して構えるが、天使の顔を見て硬直した。
全身から血の気が引く。心臓の鼓動が早くなり、喉がカラカラになる。
天使達の顔はマネキンのようだった。目も鼻も口もない。三体とも、全て同じ。
「顔の無い……天使……?」
伊武がそう呟いた瞬間に、天使の剣が伊武の体を切り裂いた。
「希衣!」
Aが慌てて伊武に駆け寄った。
伊武は切られたことで正気を取り戻したが、逃げるのがやっとだ。浅くではあるが、天使達の攻撃を何度も食らっている。
「ちっ……アイシャ様! お許しを!」
Aが地面に手を突き刺す。引き抜いた手には、槍を持っていた。
天使達はAに気がつき、一斉に襲いかかってくる。
Aは右手で槍を構えながらも、「天使の奇跡」を警戒して、左手で作っている魔術防御を崩さなかった。これを解いた時に、「天使の奇跡」を食らえば、そこでおしまいだからだ。
が、天使達は、「天使の奇跡」を放つ気配すらなく、武器を構えて真っ直ぐAに襲いかかってきた。
Aは、この違和感を見逃さなかった。魔術防御を解除し、全ての力を槍に向ける。
天使達の動きは決して素早いものではない。Aが一突きすると、天使が一体消滅した。
(弱い)
それが、Aの、「顔の無い天使」に対する感想だった。
続いて、向かってきた二体目の胴を切り払うと、真っ二つになり消滅した。
残る一体に対峙する。天使は仲間がやられたとか、力の差など気にもせず武器を構えた。
そして、Aに襲いかかってこようとした瞬間、両腕を切断されて消滅した。
消滅した天使の背後から、傷だらけの伊武が現れる。
「希衣、動けましたか」
伊武はフリアエを背後の空間にしまうと、膝をついた。息が荒い。
「不意を……突かれた……」
Aが伊武に手を差し出す。
「まずは帰りましょう。歩けますか?」
伊武は立ち上がると、Aの差し出した手を無視して停めてあるバイクの方へと歩く。
Aは辺りを見回して、一組の天使遺骸を拾ってから伊武の後に続いた。
辺りにあったのは、天使一体分の天使遺骸だけ。他には何も残っていない。
伊武が切り飛ばしたはずの、「顔の無い天使」の天使遺骸は、どこにもなかった。
傷だらけの伊武が椿家に戻ってくると、直巳達は騒然とした。
まさか、あの伊武がここまで傷を受けるなど、予想もしていなかった。
アイシャとAが治療を行なったところ、致命傷はなかったし、傷は驚異的な速度で回復していた。軽い傷は、帰宅した時点で治っているほどだった。
伊武は、「そういう体質だから」と言うが、普通の人間の能力ではない。アイシャは、その点は追求しなかった。
念のため、「天使の奇跡」や魔力暴走に冒されていないかも確認したが、問題ない。
一通り落ち着くと、伊武が先ほどの出来事を話し始めた。
通常の天使降臨が終わった後に、三体の「顔の無い天使」が現れたこと。彼らの顔は全てマネキンのようだったこと。「天使の奇跡」を放たない代わりに、武器を持って襲ってきたこと。両腕を落としても天使遺骸を残さなかったこと。
ちなみに、天使遺骸を狙う時に腕を切り落とすのは、腕が毎回、安定して実体化するからだ。顔や体は、天使によって形が違うほどに不安定で、切れば消えてしまう。足にいたってはそもそも存在しないことがある。切り落として残るのは腕というのが、天使狩りの常識だった。
話を聞き終わったアイシャが舌打ちをする。
「変なのが出てきたわね。それが、そういう天使なのか、別の何かなのか。少し調べてみましょう。どっちにしても、まれーの怪我が治るまではお休みだし、次の「嘆きの涙」も手に入れないといけないわけだし」
全員がアイシャの提案を了承する。
「あの、俺は何をしましょうか」
伊武は体を休める。アイシャは、「嘆きの涙」の入手。Aは情報収集。
仕事が無いのは直巳とBだけだ。自分はBと同じでいいのだろうか。
Aがボソッと、「駄目男」と言ったのを直巳は聞き逃さない。
「な、何でもするから!」
「そんな必死にならなくても、直巳にしか出来ない仕事をお願いするわ」
「俺にしかできない……ってことは」
直巳が両手を見ると、アイシャが頷いた。
「そ。ようやく出番よ、神秘呼吸」
アイシャが、スッと手を上げると、Aが例の壷と天使遺骸を持ってきた。
「早いうちに、この壷に魔力を入れておいてちょうだい」
「それはもちろんいいけど、どうしてこのタイミングで?」
「万が一のためよ。AとBが本格的に戦わなきゃいけなくなるかもしれないからね」
直巳は壷とA、Bを交互に見る。壷と彼女達に、何の関係があるのだろう。
直巳の疑問を察したのか、Aが口を開いた。
「私たちは、この壷に蓄えられた魔力を使うことができるんですよ。遠隔の魔力タンクとでも思ってもらえれば」
「なるほど……わかった。今日中にやっておくよ」
ありがとうございます、とAが微笑む。いつもどおり、完璧で薄っぺらい笑顔だった。
それで、この日は解散になった。
全員が部屋を出ていき、リビングには直巳一人だけが残った。
机の上には、アイシャの壷と天使遺骸が置いてある。
AとBは、ここから魔力を取り出せると言う。
この壷は、AとBとはなんなのだろう。
アイシャに聞いても、「そのうちわかる」としか答えてくれないだろう。
顔の無い天使、伊武の過去、アイシャ達の行動。
物事が動き始めている予感に、直巳の胸がざわめいた。




