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異世界転生救済課─「お前を、この異世界から排除《ドレイン》する……」【フォーニーファミーリア】  作者: ねず ただひま
朝憲紊乱の章

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18. 続、異世界転生救済課だよ! 全員集合!

はなぶさ



 紫雲英げんげ班の四人が、俺たちの前に立ちはだかる。ギザギザの歯を見せて笑う麝香じゃこう、落ち窪んだ目で俺をじっと見据える緋衣ひごろも、サングラスを掛け、視線の読めない馬酔木あしび、口ひげ、顎ひげ、ドレッドヘアーの男、繁縷はこべは、首にかけた大きなヘッドフォンからレゲェを音漏れさせている。


 ……来たのは四人か。


 紫雲英げんげ班には後、白朮をけらという爺さんと、諜報員の吾亦紅われもこうが居るのだが、蒲公英たんぽぽ課長の予想通り、その二人は紫雲英げんげと共に一柳ひとつやなぎツキが創った砂漠の異世界に潜入しているのだろう。

 課長の命令は絶対だ。過去何度も緊急で招集をかけたことがあったが、紫雲英げんげが欠席したことは一度もないそうだ。今、この場に姿を見せないのは、うばら相手に手を焼いているからに違いない。


「お疲れ様だぜぇ〜、はなぶさ班長様ァ」


「お疲れ様です。麝香じゃこうさん。それに紫雲英げんげ班の皆さん。お集まりいただきありがとうございます」


 呼びつけておいてなんだが、俺はなるべくコイツらを刺激しないように穏やかな口調で挨拶をした。


「ところで、今日の出席について課長からのメールに返信がなかったと、さっき黒百合くろゆりから聞きましたが?」


「返信しなきゃならないルールなんてあったか? そもそも俺は代理を頼まれたんだが……俺では不満か? はなぶさ班長……」


「いいえ、四人も来ていただいたうえ、その中に馬酔木あしびさんまでいらっしゃるとは、嬉しい限りです」


 俺は作り過ぎない程度の笑顔を見せる。馬酔木あしびが少しイラついているのは、うばらの件を隠さなければならないからだろう。


「それで……わざわざ救済課にいる全員を集めて、これは一体何の騒ぎか……? 仮面舞踏会マスカレードに招待された覚えはないのだが……」

 馬酔木あしびの一言で、芙蓉ふよう花冠かかんの背中に隠れている千代草ちよぐさの肩がビクッと跳ねた。


「まぁまぁまぁいいじゃん、馬酔木あしびの兄貴。オイラ、こーゆー触れ合いの場ってのは好きだぜぇ。出会いってのは神様が与え給うた運命のプレゼントだと思ってる。 なぁ、そこの姉ちゃん! アンタもそう思わねぇか?」


 繁縷はこべ桔梗ききょうに視線を向ける。

 桔梗ききょうは「そ、そうね」と言うと、眉根を寄せて花冠かかんの腕にしがみついた。繁縷はこべが苦手なタイプなのだろう。


 ……ん? 馬酔木あしびがサングラスの奥で花冠かかんを睨みつけている気がする。花冠かかんからは、警戒するような空気が感じられた。


「それよかさぁ、そっちの()()はなぶさ班の新入り様かぁ?」


 麝香じゃこうたかむなと、隠れているアイラちゃん(ちよぐさ)を順番に指差した。


「えぇ、そうです」


たかむなです! 宜しくお願いします!」


 俺が答えると同時にたかむなは大きな声で挨拶をした。


「いいねぇ! 緊張と不安が混濁カオスしたフレッシュな一言だ! 長年の任務で爛れたオイラの心が洗浄されちまうぜぇ!」


 繁縷はこべは笑いながら指をパチンと鳴らし、

麝香じゃこう花冠かかんの背後に回り込み、アイラちゃん(ちよぐさ)の顔を覗き込んだ。


「ふ〜ん。で、お前様は挨拶してくれねぇのかぁ? んん?」


 アイラちゃん(ちよぐさ)はそっぽを向くが、麝香じゃこうは追いかけて反対側から覗き込む。


 まぁ、確実にバレてるよな……面倒ごとにならないよう、麝香じゃこうに別の話題を振ろうとした時、部屋の隅で集まった人達から、わっと歓声に似た声が耳に届いた。


 スラリとした長身とプロポーション、金髪にポニーテール、顔に大きな傷があるが、整った顔立ち……施覆花おぐるまさんと南天なんてんの二人を従え、入室してきたのは九鬼くき班長だ。緊張で張り詰めていた会場内の空気がガラリと変わった。


 九鬼くき班長は、どの部署からも人気がある。男性職員が色めきだつのは理解できるが、噂では、女性職員達の間でファンクラブが結成されているらしい。彼女はあちこちから上がる黄色い声に、やや困り顔で手を上げて挨拶しながら俺たちへ近づいてきた。


「久しぶりだな……はなぶさ班長」


 久しぶりに会った九鬼くき班長は、俺を見ると白い歯をのぞかせた。俺の鼓動は一度だけ強く高鳴る。


「お久しぶりです! 九鬼くき班長ッ!」



 読んでいただき、ありがとうございす。

白い☆を黒い★にしていただけたら嬉しい(*≧∀≦*)

 ブクマ、リアクションも是非!


*次回、『全員を納得させて、こっそり特命に道連れ計画』

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