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僕が逃げた利器と得た安住  作者: 藤一


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丸テーブルのアイデアと、親切な先生の助言

日曜日の午後。ビンゴ大会の熱気も冷めやらぬ中、佐藤たちは再び鈴木の喫茶店に集まっていた。

「さあ、いよいよ次はテーブルの計画だな!」

佐藤がノートを開く。今回は、前回決まった「レトロなレザー調クッションの椅子」に合わせたテーブル作りだ。

「素材と色は椅子と同じ、深いブラウンの落ち着いた木目で統一するとして……問題は天板の形とサイズだな」

「四角にするか、丸型にするか……」

鈴木が店内の配置を見回しながら顎をさする。

「今の店内の広さを考えると、四角だと角が張って圧迫感が出ちゃうかもしれないな。丸型のコンパクトなテーブルなら、動線も広く取れるし、柔らかい雰囲気になっていいんじゃないか?」

「いいですね、丸型!」渡辺さんも賛成する。「サイズはどうする? コーヒーとトーストが乗ればいいか?」

「いや」小林さんが指を立てた。「喫茶店だからね。カップ2つと、軽食のプレートが2人分しっかり並ぶ『2人用サイズ』と、家族やグループで囲める『4人用サイズ』の2種類を用意するのがベストじゃないかい?」

「決まりだね!」

テーブルの基本デザインはシンプルにまとまった。壁紙や椅子で十分にこだわりを詰め込んだため、テーブル自体は変に個性を主張せず、お店全体を引き立たせる王道のデザインで進めることになった。

その日の夕方、佐藤たちは必要な部材を買い出すため、いつもの大型ホームセンターへと向かった。

資材売り場を歩いていると、「おや! 先日はどうも!」と声をかけられた。

振り向くと、なんと先日のワークショップで丁寧に教えてくれたあの先生が、ホームセンターの店員服を着て立っていた。

「先生! ここで働いていらしたんですね!」

事情を話し、「こういう用途とサイズで丸テーブルを作りたい」と相談すると、先生はプロの視点から的確なアドバイスをくれた。

「なるほど! 丸テーブルなら天板の厚みは最低でも2.5センチは欲しいですね。薄いとチープに見えてしまいますから。あと、脚の形はどうします? 4本脚ですか? それとも中央にドーンと立つ1本脚タイプですか?」

「4本脚と1本脚……どう違うんですか?」佐藤が尋ねる。

「4本脚は安定感が抜群ですが、脚が外側にあるぶん、椅子を引いたり人が座ったりする時に足元が狭くなります。1本脚(一本脚ベース)は足元がすっきりして広く使えますし、椅子の出し入れもしやすいですよ。喫茶店なら絶対1本脚がおすすめです!」

「なるほど! 足元を広く取りたいから1本脚にしよう!」

さらに先生は、とっておきの提案をしてくれた。

「それとね、天板のすぐ下、1本脚の中央付近にちょっとした『小棚(物置板)』を取り付ける加工をしてみたらどうでしょう? 喫茶店ってお客さんがバッグや小物の置き場所に困ることが多いじゃないですか」

「「「あっ!!」」」

全員がハッと手を叩いた。

「確かに! カウンターや小さいテーブルだと、カバンを床に置くか膝に抱えるかになっちゃうんだよな!」

「天板の下に荷物置きの棚……! それ、めちゃくちゃ気が利いてて最高じゃないですか!」

先生の素晴らしいアドバイスに感激した佐藤たちは、おすすめされた厚手の無垢天板、頑丈な1本脚の金属ベース、棚用の木材、ネジや接着剤を次々とカートに積み込んでいった。

「よし! 必要な部材は完璧に揃ったぞ!」

レジで会計を済ませ、資材を車いっぱいに積み込むと、渡辺さんがニヤリと笑った。

「じゃあ……決行は次の金曜日の夜だな!」

「おう! またオールナイトで一気に組み上げて、土曜の朝には最高の喫茶店を完成させようぜ!」

一度オールナイト施工を乗り越えたおじさんたちに、もはや迷いや不安はなかった。頼もしい仲間と、プロの知恵が詰まった最高の材料。特別な金曜日の夜に向けて、佐藤たちのテンションは再び最高潮へと高まっていくのだった。

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