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僕が逃げた利器と得た安住  作者: 藤一


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社長への旅行報告と、アクティビティ結果の協議

火曜日。出社して自分のデスクでメールの確認をしていると、社長がコーヒーカップを手にやってきた。

「佐藤くん、おはよう。イベントの準備でバタバタしているところに申し訳ないんだけど……そろそろ『会津社員旅行』の進捗状況も聞いておきたいと思ってね。どうなっているかい?」

先日のイベント企画に熱中していた社長だったが、本業の一大行事である社員旅行のことももちろん忘れてはいなかった。佐藤は手元にまとめておいた旅行の進行表を開き、分かりやすく説明を始めた。

「ご心配なく、社長! 旅行の骨組みは完璧に固まっています。宿の『磐梯山温泉ホテル』や貸切バス3台の手配、立ち寄り所のルート調整も完了しています。3コースの参加希望の振り分けもほぼ終わっていて、現在は『旅のしおり』の最終デザイン作成と、移動中や宴会後のアクティビティ案の社内アンケートを集計している段階です」

「おお、そこまで進んでいれば安心だな! 130人規模だからな、くれぐれもしおりの印刷や直前のアナウンスも抜かりなく頼むよ」

「はい! 今週中にはしおりを完成させて配布に回せるように進めます」

社長は納得したようにうなずき、「頼んだぞ」と微笑んで社長室へ戻っていった。


夕方、締め切りを迎えたアクティビティのアンケート結果を集計し、データを手帳に挟んで会社を出た。そのまま足を伸ばし、いつもの喫茶店へと向かう。

店に入ると、サークルメンバーがすでに席につついており、佐藤を迎えてくれた。

「佐藤くんお疲れ! 旅行のアクティビティアンケート、結果出た?」

「お疲れ様です! たった今、社内アンケートの結果をまとめてきました」

佐藤が席に着き、集計用紙をテーブルの中央に広げると、みんなが一斉に覗き込んできた。

移動中のアクティビティ: 「静かに寝たい・静かに過ごしたい」という層と、「3台合同のスマホ連動クイズ&ビンゴ(Kahoot!)」を楽しみたいという若手層で綺麗に希望が分かれた。「ラジオ形式の車内音声配信」は、どのバスでもBGM感覚で流してほしいという好意的な意見が多数。

宴会後のアクティビティ: 昼の体験で作った作品を持ち寄る「赤べこ・起き上がり小法師 デコレーション総選挙」が圧倒的な支持を獲得。「サイレント伝言ゲーム」などの静かなチーム対抗戦も、地酒や特産品が当たるならぜひやりたいと大好評だった。

「なるほどなぁ! バス移動に関しては、賑やかにやりたいバスと静かに過ごしたいバスで号車ごとに雰囲気を分けるか、あるいはクイズの時間を短く区切ってメリハリをつけるのが良さそうだな」

「ラジオ配信は評判が良いから、幹事チームで事前に15〜20分くらいの『会津・磐梯豆知識トーク』を録音しておいて、各バスのスピーカーで聞き流してもらう形にしようか!」

「宴会後は『赤べこ総選挙』で決まりだね! 昼に作った作品を並べて投票してもらうだけなら、お酒が入っていても座ったままワイワイ楽しめるし、他の宿泊客にも迷惑がかからない」

アンケートのリアルな声をもとに、サークルメンバーで知恵を出し合いながら具体的な進行案をブラッシュアップしていく。

「よし! この結果をもとにアクティビティの小道具手配と、ラジオ音源の録音スケジュール、そして『旅のしおり』の最終データ作成を一気に進めよう!」

社員旅行と地域イベント、二つの大プロジェクトの成功に向けて、佐藤たちの準備はますます熱を帯びていくのだった。

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