地域イベントの再始動と「セレクト鍋」のアイデア
火曜日。出社すると、社長がウキウキとした明るい笑顔を浮かべながら佐藤のデスクへやってきた。
「佐藤くん! 嬉しいニュースだよ!」
「どうしたんですか、社長?」
「実はね、昨年からうちの工場敷地でやってる地域イベントが、地元でかなり話題になってるらしくてさ。なんと次回の開催時には、地元のテレビ局が取材に来たいって打診があったんだよ!」
「テレビ局ですか!? それはすごいですね!」
社長は嬉しそうに頷きながら、「そこでだ! テレビ取材に合わせて『会社見学ツアー』を開催したいんだよ。さらにそこにプラスして、地域の人たちが楽しめる新しいイベントも仕掛けたくてね。サークルの皆に相談してくれないかい?」と身を乗り出してきた。
「毎回同じようなイベントじゃ芸がないからなぁ……何かパッと目を引く新しい企画がいいんだ」
「分かりました! 今日の帰りにサークルのメンバーと喫茶店で相談してきますね」
その日の夕方、定時で仕事を終えた佐藤はいつもの喫茶店へ向かった。
店にはすでにサークルメンバーが集まっており、佐藤がテレビ取材の件と社長からの依頼を伝えると、全員の目が輝いた。
「テレビ局の取材!? すごいじゃん!」
「そろそろまた何かでっかいイベントを企画したいと思ってたところなんだよ。タイミングばっちりだな!」
一気に盛り上がるメンバーたち。渡辺さんが手帳を開きながらテキパキと課題を整理し始める。
「まず、市役所と商工会には早めに連絡を入れて連携しておこう。地元の話題になるなら絶対協力してくれるはずだしね」
「あと、今回もキッチンカーを呼ぶことになるだろうから、自分たちで出す飲食ブースはキッチンカーのメニューと被らないように調整しないとな」
「冬のイベントだし、やっぱり体を芯から温める『温かい鍋』とかどうだ?」と鈴木さんが提案する。
「おっ、鍋はいいね! でも普通の鍋じゃ面白くないから……最近流行りの麻辣湯みたいに、具材をお客さんに自由に使ってもらう『セレクト鍋』なんてどうだろう?」
小林さんのアイデアに、全員が「おおー!」と声を上げた。
「具材はあらかじめ火を通しておいて、カップに入れて温かいスープを注ぐだけにしておけば、衛生面も提供スピードもバッチリだな!」
「ベースのスープも、例えば旨辛のキムチ鍋風にして、具材にいろんな種類の練り物や野菜、お豆腐を選べるようにすれば、子供からお年寄りまで遊べるんじゃない?」
「『世界にひとつだけのマイ鍋作り』か! テレビの絵的にもめちゃくちゃ映えそうだな!」
話はトントン拍子に広がり、アイデアが次々と飛び出していく。
「よし、今回のメイン企画は『セレクト鍋ブース&会社見学ツアー』で決まりだな!」
すっかり熱気を帯びた打ち合わせを終え、佐藤は「これならテレビ局も地域のみんなも大喜び間違いなしだ」と確かな手応えを感じながら、満足感いっぱいに家路に就くのだった。




