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ギルド

次話から更新は2,3日おきにします。ストックたまったらまた毎日投稿にします。

父に仕事場見学ができないかと聞いてから14日間が過ぎた。


本当は2週間と言いたいのだが週の概念のない世界では言えないのが不便だ……

父の話によると許可が出たらしい。


ただし見れるのは父の仕事のほんの一部のみで、書類等には一切手を出さないこと、というのが条件だそうだ。


条件といっても常識的に考えれば当然なことなのでほぼ無条件といってもいいだろうな、これでは……


ここからは見学する日のスケジュールだが、朝ごはんを食べてから父と一緒に出勤して、昼までギルドの見学をし昼になったらギルドにある食堂でご飯を食べて、その後父が家までの道の途中まで送ってくれて、そこからはひとりで帰ることになった。


ギルドに行くのは明後日だ。


町に行くのも久しぶりなので楽しみである。


ああ、余談だが俺の家は町外れにある。


俺の住んでいる街ジアは中心に宿や食事処、父の通うギルドなどの施設があり、そこから少し離れたところに住宅街がある。


中心街から住宅街までは歩いて1時間ほどかかるので、子供の俺ではなかなか行くことはないのだ。




―――――――――――――――




見学当日……




「さぁディーノ、用意は出来たか?」


「うん!できたよ、父さん。」


「ディーノ、気をつけてね。 帰ってくるとき見知らぬ人について行っちゃダメよ。 寄り道もしないで帰ってきなさい。 あとお父さん達に迷惑をかけてはいけないわよ。」


「わかってるよ、お母さん。 迷惑かけないし、寄り道もしないで帰るって。」


「アニェーゼは心配性すぎるぞ、ここは犯罪なんて珍しい穏やかな街なんだ。そうそう滅多なことは起こらないよ」


「あなた! あなたが一番しっかりしないといけないんですからもうちょっと自覚を持ってください! そもそも、今回はあなたが――」


「おおっと!アニェーゼの説教は長いからな。 さっさと行かせてもらうよ。 じゃあ行くぞディーノ。 行ってきます!」


「いってきまーす!」


「――だからあなたは……ってもうっ! いってらっしゃーい! 気をつけるのよー!」


後ろから聞こえた母の声に俺は手を振ることで返した。


父は母の説教から逃げるため若干早足だったが声が聞こえると俺に歩調を合わせてくれた。


「ふう、説教から逃げれたな…… ディーノ、歩くのが疲れたらすぐ言うんだぞ。すぐ休憩を取るからな。」


「うん!わかったよお父さん!」




そうして、地球のようにコンクリートで整備はされていないが、かなり整っている道を歩くこと30分ほど経つと中心街が見えてきた。


歩いている途中父の同僚の人が話かけてくることもあったし、駆け足で中心街に向かう冒険者風の男性も見かけた。


住宅街から中心街までは大きな一本道でつながっているが、途中に脇道も存在する。


脇道からこの大通りに合流してくる人がいたのだが、その中には獣人族の人や亜人族の人……あれはオーガ種かな?かなり身長の高い人もいた。


一番驚いたのは反対に中心街から住宅街に向かう人で、風のような速度でかける人がいたのだ父に聞くとあれは陸鳥種の人だそうだ。


それを聞くと俺は陸鳥種の人が向かった方に顔を向けるがもう姿は見えなくなっていった。


父曰く、あれは朝の名物の一つだそうだ。なんでも朝、中心街の市場から仕入れた物を住宅街に運んでいるらしい。


父は家にいる時間が短いのであまり会話できなかったが今日は沢山話ができたので嬉しかった。




―――――――――――――――




ようやく中心街についた。


1時間の道のりは体力的には全く苦にならず、会話が弾んだこともあって楽しいものとなった。


中心街だが、碁盤の目のような形をしていて、迷いやすいようなので父と手をつないで歩くことになった。


前回、街に来た時は不足品の買い出しに付き合いで来たので、街に入ってすぐの

店だけ見て帰ったのであまり街を詳しく見れなかったが、今から行くギルドは奥の方にあるらしいので街のいろんなものが見れた。


猫耳の獣人族の人が配給をしている食事処もあったし、ゴブリン種の人が経営する宿屋もあった。海人族の人が、魚を売っていたし、竜人族の人が剣を携えた人と一緒に街から出て行くとこを見たが、あれはなんだったのだろうか?


街の隅々を見ながらおよそ10分くらい歩くと、3回建てのひときわ大きい建物が見えた。


「さぁディーノ、ついたぞ! あれがギルドだ!」


父は大きい建物を指さしながら俺に行った。


近くには同じような建物がもう一つあったがあれはまた別のギルドだそうだ。


ギルドの中に入るとそこには想像していたような酒場のような雰囲気のある場所ではなく、どちらかというと地球の役所のような印象を受ける待合室があった。


まだ時間が早いのか、人は余りいなかった。


「さて、ディーノ私は仲間にお前のことを話さなにゃならんからここでおとなしく待っといてくれよ」


父は俺の頭を一回撫でると奥の方に向かっていった。


俺は辺りを見て回ることにした。


まずは、ひときわ目を引くいろいろなメモが貼ってある大きな掲示板に向かって

いいった。


掲示板にはクエストボードと書かれており、メモには報酬や討伐対象、商隊の護衛などが書いてあった。


俺がメモに注目しているとひとりの男性が話しかけてきた。


「どうした坊主、こんなところで? 迷子にでもなったのか?」


俺はガタイのいい髭ズラな男の人に少しびびり上手く返事が返せないでいると、別の男性が髭ズラの頭を叩いた。


「こらっ、子供を怖がらせるんじゃねぇよバカ!」


「いった! 怖がらせてねぇよ! ただ話しかけただけだって!」


「お前みたいな髭ズラが突然話しかけたら普通怖がるっつの! すまねぇな坊主、コイツも悪気は無いんだがな。 いかんせん自分のツラを理解してないらしい。」


「そこまで言わなくてもいいだろうが!」


ヒゲズラの人は男性の言葉を聞き、自分の顔についてブツクサ言っていた。


俺は一連の流れに驚き何も話せないでいたが勇気を出して聞いてみることにした。


「あ、あの!」


「どうした?坊主?」


「あの、お兄さんたちも父さんと同じでここで働いてるの?」


「ん?お前、ここの職員の誰かのガキか? いや俺たちはここで働いてねぇよ。 いや、ある意味働いてはいるがな。」


「どういうこと?」


「ああ、冒険者なんだよ。まだ駆け出しだけどな、学園卒業して商隊の護衛任務でここに来たわけだ。」


「学園?学園って何?」


俺は学園と聞いてなんのことかわからなかったのでこの男性に聞いてみることにした。


少し話した感じ、悪い人ではないと感じれたので、どうせならこの人からいろいろ聞いてみることにしよう。


「学園のこと知らないのか?まぁ大きくなったらここで働いてるっていうお前の親父に聞けよ 多分答えてくれるから」


「おーい、バカマルコ!用意できたから行くわよー」


「ああ!今すぐ行くよ!ほら行くぞ!ヒゲ!」


「ヒゲはないだろ!」


「じゃあな坊主」


「あ、ちょ…… 言っちゃったよ…… 聞きたいことあったんだけどな……」


俺の思惑道理にはいかず、男性たちは女性に呼ばれて建物から出ていった。

その後、クエストボード以外のところも見て回ったが別段興味が出るものはなかった。


「ああ、ディーノ 遅れてすまない ちょっと話が長くなってしまってな 変なことはなかったか?」


「ううん、別になかったよ」


「そうか!じゃあ、まずは受付から見るか?」


「お願い!」


「よし!まず受付は――」


俺は父と手を繋がれギルドの中を見学することになった。


それからはギルドの説明や施設の案内を聞いていったのだが、要約するとここは、町の近くに出るベスティアの討伐や商隊の護衛に冒険者を派遣する国営の施設なのだそうだ。


ベスティアの出現情報や冒険者の目撃情報から出現したベスティアを分類して、実力の見合う冒険者のパーティーにクエストを割り振るというのが仕事だ。


当然、冒険者の方から行くクエストは冒険者が決められるが、基本的に実力……クラスのあったクエストに行くというのが普通であるらしい。


商隊の護衛はどんなクラスでも受けられるが定員があるのでその調整などを行うらしい。


ここはギルドの中では比較的小さい方らしいので、大きいギルドに行けば訓練所や図書館などの施設を持つところもあるそうだ。


中には鍛冶工場のあるギルドもどこかにはあるとか……


「さて、一通り見て回ったな…… ディーノ、もう一度見たい場所とかあるかい?」


「ううん、得にはないかな?」


「そうか、聞きたいこととかあったら言ってごらん?答えるよ?」


「じゃあ、学園ってなんなの?」


「学園? 学園のこと誰に聞いたんだ? アニェーゼも私も言った覚えはないが?」


「さっき男の人が俺は学園を卒業した駆け出しの冒険者だって言ってたから……」


「学園卒業の駆け出し……あいつか? はぁ余計なこと言いやがって……」


「どうしたの?」


「ああ、なんでもないよディーノ。 そうだな学園のことはまだまだ先のことだ 気にすることはないよ。」


父は俺に聞こえないような小さな声で何かを言ったが俺は気づくことができなかった。


「それよりもそろそろご飯の時間だ、ディーノもお腹すいたろ? どこかに食べに行こうか?」


父は俺の手を引っ張りギルドから出た。いつの間にか日は高く登っており、俺は腹がすいていることに今、気づいた。


そういえばもうひとつのギルドの事を聞くのを忘れたな……まぁまたいつか聞けるだろう。俺は頭の中の疑問を解決させるよりもお腹を膨らますことを優先することにした。




戦闘シーンになるまで何話かかることやら……

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