神の恩恵
次回の投稿は土曜日12時です。
先に仕掛けたのはトラゴの方だった。
ディーノは得意のエンチャントで強化した杖による奇襲を仕掛けようとしたがそれよりも先にトラゴの剣が迫ってきたのだ。
(くそ! 先手を取られた!)
試験の時は教師が驚き隙が生まれたおかげで先手を取れたがトラゴは動じず剣を振るってきた。
よって戦いのペースはトラゴが握ったのだ。
「どうした! さっきまでの威勢が消えてるぞ!」
トラゴは剣を振るいディーノに迫る。
その剣の速度は試験で戦った人よりも早く、力強いためディーノは避けるので精一杯だった。
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「うわー、すごい戦いですね。お嬢様」
観客席の一角、ソニアとテオドラの座る席で二人はこの戦いを冷静に見ていた。
「そうね、でも魔術師の方は防戦一方、この状況をどう打開するのかしら?」
ボン!!
そうテオドラが言った瞬間二人の間で爆発が起こった。
「な、何が起こったんですか!?」
突然のことにソニアは驚き、テオドラの方を向いた。
二人は爆炎に包まれたが、一人が土煙の中から飛ばされるように出た。
その様子を見たテオドラがソニアに説明を始めた。
「なるほどね、今のは魔術師の方の炎魔法みたいね」
「え!? でも飛ばされたのはその人の方ですよ? お嬢様?」
「飛ばされたんじゃなくて飛んだのよ、自分の意思でね。 おそらく炎魔法の反動で距離を取ったのよ、相手に攻撃しつつね」
「へ〜、じゃあ竜人族の方にダメージは――」
「それは……ないみたいね」
二人がフィールドを見ると、ディーノは体制を立て直し、爆心地を見たがの土煙が晴れた先にはトラゴが無傷で入っていた。
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(危なかった、あのままだったらいつか俺の体は切られてたな)
トラゴの攻撃が迫る中ディーノは簡単な炎魔法を用意していた。
爆発を発生させる魔法、ソメ・ブラストを使い、爆風で攻撃しつつ、反動で距離をとった、だがディーノも無傷ではすまなかった。
トラゴの剣による切り傷がいくつかできていたがこれは軽傷、それよりも目立つのは両腕にできたやけどだった。
ディーノが距離を取るために使ったソメ・ブラストは普通はあんな至近距離で使う魔法ではないためディーノも魔法の一部を食らってしまったのだった。
(でも、あれをくらって無傷ではいられないだろうさ)
自身のダメージ以上のものがトラゴを襲っているはずだ、そう思い、土煙の中にいるであろうトラゴの方を見た。
が、土煙の晴れた先にいたのは無傷のトラゴだった。
「ふん、今のは攻撃か? それなら拍子抜けにも程があるぞ」
この光景にディーノは驚いたがすぐに冷静になり、理由を思い出した。
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「流石だな、トラゴの方は」
「っすね オイラ達だったらあの爆発の中無傷ではいられないっすけど」
アランとイブのペアはディーノの作った爆発を見てもトラゴは無傷だろうという確信があった。
「竜人族相手に炎魔法は通じない、噂どうりの肌だな」
そう、竜人族は生まれながらにして火魔法、炎魔法に対して耐性がある。
それは個人差はあれども最低でも炎魔法と言われるくらいの威力でなければダメージは発生しないほどだ。
「でもやっぱり、衣服まで無事ってのはまったくもって意味がわかないっすよ」
二人が注目したのはトラゴの衣服だった。
ディーノの魔法を受けてトラゴ自身が無事なのはまだ理解できるが衣服まで無傷というのは理解不能だった。
この現象について多くの研究者が竜人族の肌、ウロコについて研究をしているが未だに理由は分かっていなかった。
ウロコの部分が火魔法などの耐性をもたらしているのかと思いきやそれ以外の普通の肌も同様に耐性をもっており、衣服を着たまま火魔法を当てるも衣服にすら火魔法は届かなかった。
この実験により、竜人族の体の周りには炎を遮るものが貼られており、それは神がもたらした恩恵なのだろうと結論づけられた。
「しかし、ディーノの方も流石だな。 あのトラゴの猛攻の間に魔法を組み上げたのは見事。だが炎魔法ではトラゴは倒せないぞ」
「お! 今度はディーノくんの方が仕掛けるみたいっすよ!」
フィールドではディーノがトラゴに向かい走り出していた。
映画みたいのが何本かあるけどいつ行こうかなぁ




